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NSTスマスタ「とれたて! えいっとレシピ」

五泉の特産品「帛乙女(きぬおとめ)」が、おせちにも合う洋風メニューに! 料理家・村山瑛子の映える里芋レシピ!

毎週土曜夕方6時放送NSTスマイルスタジアム。毎月第4土曜は「とれたて! えいっとレシピ“くらしに笑顔を、食卓に新潟の恵みを”」。大人気放送中!!

  • 情報掲載日:2019.12.28
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

料理家・村山瑛子先生と番組アナウンサーが地元農産物生産者たちを訪ねて、おいしい食材と人とのつながりを紹介する『とれたて! えいっとレシピ』。

今回、村山先生は、真っ白で柔らかい五泉の里芋「帛乙女(きぬおとめ)」を使って、お正月料理にもぴったりなキッシュを作ってくれました。

里芋といえば「のっぺ」など和のイメージですが、洋風の一品にもなるんですね。詳しいレシピは後半で紹介します!!

12月上旬の寒〜い朝、8時30分。

まず村山先生と飛田アナは、五泉市にある「JA新潟みらい一本杉集配センター」にやってきました。

飛田アナ・「先生! 車がいっぱい出入りしてますよ」
村山先生・「朝から活気があって賑やかですね」

そこに「おはようございます!」と元気に現れたのは、JA新潟みらい 営農指導員の柄澤さん。

柄澤さん・「ちょうど今、出荷の真っ最中なんですよ!」

JA新潟みらい 営農指導員の柄澤さん
JA新潟みらい 営農指導員の柄澤さん

帛乙女の出荷は4月くらいまで続くが、収穫は9月から11月中旬くらいまでだそうです。

ん…? 収穫は11月中旬まで?

飛田アナ・「へぇ〜。アレ?」
村山先生・「えっ!? 収穫が終わっている?」

「『“採れたて”えいっとレシピ』なのに、どうしよう?」と困惑する二人。

柄澤さん・「ただ、出荷は12月が最盛期なんです!」

農家さんは帛乙女を収穫したあと、里芋を株のまま農舎やハウスなどに保管しているそうです。

そこで今回は、収穫したあとの様子を見に行ってみようということで、五泉園芸組織連絡協議会 野菜部会 部会長の川口さんのお宅におじゃますることにしました。

五泉園芸組織連絡協議会 野菜部会 部会長の川口さん
五泉園芸組織連絡協議会 野菜部会 部会長の川口さん

飛田アナ・「宜しくお願いします! 川口さん、ダンディーですね!」
村山先生・「肌が帛乙女みたいに真っ白! すご〜い」

肌ツヤと若々しさに驚く二人。

川口さん・「収穫は11月中頃に終わるので、現在畑に里芋はないのですが、この地域は里芋を貯蔵しながら、曜日に合わせてここに持ち込むんです」

それで帛乙女を荷台いっぱいに積んだ軽トラックが、数珠つなぎになって集配センターに出入りしていたんですね。

ここで村山先生が質問。

村山先生・「どうして帛乙女を貯蔵するんですか?」
川口さん・「貯蔵することで長い期間、出荷できるようになるんです」
柄澤さん・「昔の農家さんは、雪が降ると収入源がなくなってしまったんです。でも五泉で、秋に収穫した里芋を3〜4月まで保存できて、そのまま変わらぬ品質で出荷できる方法を確立したんです」

長い間試行錯誤を繰り返し、貯蔵する方法を編み出したんだそうです。

収穫は9月から11月中頃に実施
収穫は9月から11月中頃に実施
畑から株の状態で運ばれ、貯蔵される
畑から株の状態で運ばれ、貯蔵される

川口さん・「それまで里芋の出荷はお正月まででしたが、現在は4月頃まで出荷できるようになりました。保存技術によって鮮度は変わりません」

畑で採った姿のまま、株のまま貯蔵されているそうです。

というわけで川口さんのお宅まで貯蔵されている帛乙女を見に行ってみよう…というムードになり、「株のままの貯蔵されている様子を見させてもらえますか?」とお願いする村山先生。すると…、

川口さん・「う〜ん…」
柄澤さん・「う〜ん…」

なぜかうなだれるお二人。

飛田さん・「え〜!?(笑) 川口部会長、今日はカメラが3台来ています。いつもより1台多いです(笑)」
村山先生・「何か見れるものはないですか?」
…と粘る二人。

川口さん・「貯蔵している場所の中は見せられませんが、里芋の株をハウスの外に持ってきてバラす作業はできますよ」
柄澤さん・「せっかくなのでバラしたあと選果場に戻って来て、その後の作業も見ていきませんか?」

というわけで一旦、川口さんのお宅におじゃまし、里芋のバラし体験をすることになりました。

ブランドを維持するため厳しい目でチェックされる帛乙女

飛田さん・「こちらに収穫された帛乙女が眠っているんですね」
川口さん・「そうですね。ここで貯蔵しています」
村山先生・「楽しみ〜!」

そして、ハウスの中の撮影はNGということを忘れてか、忘れたふりをしているのか(笑)、「行きましょう!」と飛田さんが進もうとした瞬間…。

川口さん・「ちょっと待ってください! ハウスの中は企業秘密になっていて皆さん連れていくことはできないんです」

ハウスに入ろうとして柄澤さんに止められる飛田さん(笑)
ハウスに入ろうとして柄澤さんに止められる飛田さん(笑)

やはり貯蔵方法はシークレット。

柄澤さん・「私たちのルールでお見せすることができなんいです。これは“五泉のプライド”なので。温度管理をして冬を越す…程度のお話をすることはありますが、一切見せられないんです」
村山先生・「じゃあ、カメラなしで私たちだけ見に行くことは…」
柄澤さん・「え〜。信用ならないもんなぁ…(笑)」
飛田さん・「え〜っ!?(笑) 」

というわけでハウスの貯蔵場から帛乙女を持ってきてもらうことに。

手押し車にたくさんの帛乙女の株を載せて、川口さんが戻ってきました。

村山先生・「えっ! ちょっと待って〜(笑)」
飛田さん・「すごいですね!」

株のままの状態はインパクト十分。ちなみに、なぜこのまま保存するのかといえば、傷み防止のため。

株をバラして保存すると、その切り口から傷んでくるそうです。また、バラさず親株に付いていることで栄養をもらえるとのこと。

川口さん・「これは貯蔵して1ヵ月くらいですが、掘り立てと同じ状態ですよ」
飛田さん・「鮮度をキープしているんですね」

今回、里芋の収穫体験はできなかったので、株をバラす作業を体験させてもらいました。

地面に株を置いて、内側から外側に力を入れてバラすのですが、力任せにやるとキズがついてしまうこともあり、初めてやる人は怖くてなかなかできないんだそうです。

飛田さん・「これ全部、手でやるんですか!?」
村山先生・「収穫して、貯蔵して、さらにバラす作業もあるなんて本当に大変ですね」

「う〜ん」
「う〜ん」
ボキッ! 「できた!」
ボキッ! 「できた!」

また、「細かくバラしすぎると、どれが親芋か子芋か分からなくなりますし、傷みがすぐに進んでしまいます。なので出荷直前にバラすんです」と川口さん。

バラすとそれだけ断面が多くなり、傷みやすくなるということですね。

1株あたり15〜20の里芋がついているので、これは大変な作業。しかも1度の出荷で80箱分(!)やるそうです。

さらに出荷前の作業は、これで終わりではありませんでした。

柄澤さん・「このあとサイズや形ごとに分ける作業を行ないます」

株をバラしてすぐに出荷できるわけではなく、「出荷調製」を行なう必要があるんだそうです。

出荷調製とは、農家さんが選果場に持っていく前に、形やサイズなどを等級に分ける作業のこと。

ベテランの川口さんは手にもった瞬間に見分けていましたが、ちょっと変形したもの(変形果)でも厳しくチェック。

「え〜! きれいなのに〜」「おいしいそうなのに〜」ともったいなさそうに眺める飛田アナと村山先生。

丸くて形が良い里芋も、青くなっていないか、虫が食べてキズがついていないかを確認。

川口さん・「これ、キズです」
村山先生・「どこですか? 全然分からないくらいです」

品質を維持するため一個一個細かくチェックする川口さん。帛乙女のブランドを守るため一切妥協しません。

飛田さん・「大事に育てた乙女たちをさらに選り分けるなんて、心が傷みますね」

本当にそうですよね。そして、このあと村山先生も選別を体験しました。

村山先生・「里芋の形って掘ってみないと分からないんですか?」
川口さん・「土の中にあるから確認できないんです。天候次第ですね。あとは種の選別ですね」

2019年はお盆のフェーン現象と9月の雨不足が影響し、丸くきれいな状態で成長が止まり、比較的小さなものが多いとか。

天気や雨量で変わるほか、優良株を植えると、いい形のものが育ちやすいなど遺伝もあるそうです。

帛乙女が市場に出るまでには、たくさんの手間が掛かっているんですね。

飛田さん・「改めて、帛乙女の特徴を教えてください」
川口さん・「肌が白くて、キメが細かい。そして程よいぬめり。とくに色の白さが特徴です」

そして、眺めておもしろいのも特徴。

五泉に住む方のなかには、帛乙女を洗って玄関に飾るお宅も多いそうです。

川口さん・「なぜかといえば子孫繁栄を表していて、親(親芋)があって、子があって、孫、ひ孫と、どんどん増えるので縁起がいいんです」

帛乙女はおいしいだけじゃなく、縁起もいいんですね。

村山先生・「帛乙女がおいしいのは五泉の環境だからですか?」
川口さん・「そうですね。帛乙女は作る土壌が一番大事です。五泉は里芋に合った土壌なんです」
飛田さん・「そして先祖の皆さんが貯蔵技術を考えるなど努力があって…」

さらにJAでも定期的に勉強会を実施したり、出荷の前に品質や大きさなどを共有する「目合わせ会」をやることで、高品質の帛乙女を作り続けているんです。

ちなみに五泉の里芋は、子芋についた孫芋を出荷するから柔らかくておいしいのだそうです。

収穫や貯蔵、株をバラして選別するなど手作業が多い帛乙女。ブランドを守り続けるために労を惜しまない生産者の姿を知ることができました。

このあと再び選果場へ戻り、生産者が里芋を持ち込んだあとの選別風景を見に行きました。

大量の帛乙女を選果のベテランと機械でスピーディに等級分け

再びロケを開始した選果場に戻ってきた一行。

村山先生・「うわ〜! 里芋がいっぱい!」
飛田さん・「コロン、コロンしてる!」

農家さんが出荷する前に一次選別したものを、ここで最終選別しています。

写真は、「丸(マル)」という規格の里芋が流れているなか、それ以外のものが入っていたらハネる作業を行なっているところ。

選果のベテランの方たちの集中力もすごい。目が疲れそう。

飛田さん・「ここでは農家さんから一日どれくらい里芋が来るんですか?」
柄澤さん・「1,200〜1,300ケース来ますね」

白い箱1ケースが約5kg。それが一日で1,200個となれば、重さで6トン!

今回、帛乙女が収穫されたあとの貯蔵や株のバラし作業、出荷までの流れを見てきた飛田アナと村山先生。

飛田さん・「あんなに人の手や機械が入っているんですね」
川口さん・「それにより五泉ブランドを保っています」

生産者とJAが連携して全国に誇る帛乙女ブランドを維持しているんですね。

飛田さん・「さて先生! 大事に育てられた帛乙女ですよ!」
村山先生・「大事に調理していきましょう! 頑張ります!」

2019年最後の回ということで、「お正月にもぴったりな料理にしてみようと思います!」と気合いが入った村山先生でした。

簡単に作れるキッシュレシピは、年末年始の急な来客時にも便利!

飛田さん・「では先生! 何を作りましょう?」
村山先生・「今回は帛乙女のキッシュを作ってみようと思います」

「のっぺ」や煮物など和風メニューのイメージが一般的な里芋ですが、今回は帛乙女の特徴をいかしたキッシュのレシピを紹介。

飛田さん・「普段、キッシュを食べることはあまりないですし、ましてや作ったこともないのですが…」
村山先生・「今回は家庭で簡単にできるキッシュのレシピにしたので大丈夫です。見た目もいいし、お正月に人がたくさん集まったときなど、オーブンで温めればアツアツを出せるので作っておくと便利ですよ」

なるほど。これは覚えておくと急な来客の時などにもいいですね。

帛乙女のキッシュ

●材料(18センチ丸型1個分)
帛乙女…3個
長ネギ…1本
ブロックベーコン…80g
パイシート…1枚
卵…1個(A)
生クリーム(動物性 乳脂肪分 35%)…100ml(A)
牛乳…80ml(A)
粉チーズ…大さじ2(A)
シュレッドチーズ…20g(A)
塩・こしょう・オリーブ油…適量

●作り方
下準備として、オーブンを200度に予熱し、型の底にクッキングシートを敷いておく。

(1).パイシートは麺棒(麺棒がない場合はラップで代用)を使い、ひと回り大きく伸ばす。型にパイシートを敷き詰めて、余分な生地は切っておく。

(2).帛乙女の皮をむいて1センチの半月切りにして茹でる

(3).長ネギは斜めに切り、ベーコンは5mmの棒状に切る。フライパンにオリーブ油を熱して長ネギがしんなりするまでじっくり炒め、ベーコンを炒める。

(4).(2)の帛乙女の水気を切って(3)に加え、軽く木べらで潰す。(A)を加えてよく混ぜ、塩こしょうで味を調える。

(5).パイシートの型に流し、190℃で30分焼く。

というわけで鮮やかな色合いの「帛乙女のキッシュ」が完成。

年末年始にお正月料理が続くと、ラーメンやカレーなど重めの料理が食べたくなりますが、そんなときキッシュのような一品がおせちにあると喜ばれそうですね。

さらに、どんなお酒にも合うのもナイスです! 皆さんもレシピを参考にぜひ作ってみて!

さて、いよいよドキドキの試食タイムです。

帛乙女の特徴をいかしたおしゃれメニューに生産者も絶賛!

村山先生・「お待たせしました!」
飛田さん・「帛乙女がこうなりました!」

テーブルに座る川口さんと柄澤さんに「帛乙女のキッシュ」をお披露目。すると…。

川口さん・「お〜!」
柄澤さん・「おしゃれになりましたね」

とてもいい反応! そして早速食べていただきました。

柄澤さん・「いやぁ、おいしいですね! 黙々と食べられちゃう! 洋風も合いますね」
川口さん・「おいしいですね。里芋が抜群に柔らかくていいですね」

ミルクや生クリームの風味にとろみも混ざり合い、やわらかなやさしい味わいに。

帛乙女1個あたり、半分をつぶして生地にとろみを出し、もう半分をホクホク&ねっとりとした食感を楽しめるようにしているそうです。村山先生さすが〜!

その後も
「子どもも喜びそう」
「芋の白さが際立っている」
「帛乙女の新しい可能性ですね」
「ここまでおしゃれな調理方法はなかった」
…と帛乙女のキッシュは大好評!

さて、おいしいレシピを堪能してもらったところで、全国に誇る五泉の「帛乙女」のこれからついて伺いました。

川口さん・「生産者の高齢化が進んでいますが、品質維持・ブラント力を維持して、皆さんにおいしく食べてもらいたいと思っています。今回の料理を食べさせていただいて、いろいろ可能性があると分かりました」
村山先生・「今回、帛乙女を使ったキッシュを作ってみて、本当にいいと思いましたね。コラボして商品化したいくらいです(笑)」

確かにヒットの予感! 実現したら五泉ブランド、帛乙女ブランドがさらに広がりそうですね。

飛田さん・「さて柄澤さん、帛乙女は県外でも大人気らしいですね」
柄澤さん・「はい。東北でとても人気で、仙台に多く出しています。あとは東京や名古屋の市場にも。通販も含めると北海道から九州、沖縄まで全国から注文を頂いています。ですので今後若い生産者が増えて、より生産が拡大していけばいいですね」

今回のキッシュのように、帛乙女の特徴をいかしたおいしいレシピが広がれば、幅広い世代にファンが増えるはず。

飛田さん・「帛乙女キッシュを作って、五泉本店、仙台支店と…」
村山先生・「『帛乙女キッシュ』って名前がいいですね! 乙女の心をつかんで離さないですよ。本場・パリもいけるんじゃないですか?(笑)」。

『帛乙女キッシュ』の県外進出、海外進出で妄想が膨らむ村山先生と飛田アナでした。

ぜひ、皆さんも作ってみてくださいね。

※次回の「とれたて! えいっとレシピ“くらしに笑顔を、食卓に新潟の恵みを”」は2020年1月25日(土)放送予定。

注目情報【「帛乙女」のプレゼントもあり!】

●JA新潟みらいより「帛乙女」5kgを3名様にプレゼント! 詳しくは下記「スマイルスタジアム」WEBサイトのプレゼントページへ。

●新潟県産の食材をメインにグリル料理とスイーツが楽しめる「カフェ&グリルみのりみのる」では、『帛乙女とやわ肌ねぎのグラタン』(1,200円)を提供中。

ねっとりとおいしい「帛乙女」をやわ肌ねぎとともに、クリーミーなグラタンにした一品。

提供期間は2020年1月24日(金)まで。

カフェ&グリル みのりみのる
新潟県新潟市中央区天神1-12-7 LEXN(レクスン)2ビル・1F
tel.025-256-8845
営業時間11:00〜23:00

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