料理家・村山瑛子先生と番組アナウンサーが地元農産物生産者たちを訪ねて、おいしい食材と人とのつながりを紹介する『とれたて! えいっとレシピ』。
今回のテーマは合鴨。
阿賀野市のJAささかみ地区で育てられた合鴨は、まさに今が旬!
有機・無農薬の田んぼで健康に育ったので安全安心。食材になるまでの工程や特徴など、詳細は後半の「知っとく情報」をチェック! 実はとてもヘルシーな食材なんですよ。
さて、番組冒頭は2月某日、阿賀野市のJAささかみ本所前での撮影シーンから始まりました。
おいしい合鴨レシピを作るためにやってきましたが、実は約半年前の7月下旬、村山先生と真保アナは一度この地に訪れていたんです。
JAささかみでは、米づくりに合鴨農法を推奨しています。
合鴨を田んぼに放し、害虫や雑草を食べてもらうことで農薬を使う必要がなく、雑草も抑制。つまりお米を育てながら合鴨も育て、どちらも食すというわけです。
夏に訪れたときは、ちょうど大きく育った合鴨を大阪へ出荷する日。
村山先生と真保アナも田んぼに入り、120羽もの合鴨をつかまえるお手伝いをしました。足元が取られそうになりながら必死に追いかけるお二人。村山先生は翌日、筋肉痛になったそうです(笑)。
そして2020年秋、おいしい合鴨となって阿賀野市に戻ってきて、今回のレシピづくり…という流れだったのです。
さて、村山先生は今回どんなレシピを考えてくれたのでしょうか? リモート出演だったのですが、真保アナが頑張ってくれましたよ。
鴨とネギのパエリア
●材料(4人分)
鴨チャーシュー(作り方はパエリアレシピの後で紹介しています)
ネギ…1本
舞茸…1/2パック
米…1と1/2合
塩…小さじ1/2弱
水…350ml
白ワイン…50ml
にんにく(すりおろし)…小さじ1/3
レモン…適量
※イタリアンパセリもあれば用意する
●作り方
(1).ネギは白い部分を6等分にして、青い部分は小口切りにする。舞茸は小さめにほぐす。
(2).フライパンに、鴨チャーシューづくりの際、鴨を炒めたときに出た油大さじ1/2を熱して、ネギの白い部分をこんがり焼き、塩、胡椒(共に上記材料の分量外)を振って取り出しておく。
(3).同じフライパンに鴨の油大さじ1を熱して、舞茸、ネギを焼く。塩を振って白ワインを加えてジュワッとしたら米を入れてさっと炒める。
鴨チューシューのつけ汁を100mlと水、塩、にんにく、胡椒を加えて蓋をして、ぐつぐつしてきたら中火で1分、弱火で17分炊く。
火を止めて10分蒸らしたら、薄く切った鴨肉、取り出しておいたネギ、レモン、パセリ、鴨のつけ汁を少しかけて完成。
「鴨チューシュー」の作り方
●材料
鴨ロース肉…1枚
酒・みりん…各100ml(A)
きび砂糖…大さじ1と1/2(A)
●作り方
(1).鴨肉の余分な油を落として、皮面に切り込みを入れる。塩(上記材料の分量外)を振って10分置き、水気をキッチンペーパーで拭き取る。
(2).小鍋に(A)を入れて火にかけ、沸いてきたら弱火で2分煮る。
(3).フライパンをしっかりと強めで温め、鴨肉を皮面を下にして入れて、中火でこんがり3分焼く。ひっくり返して同様に焼く。このとき出てきた油は、その都度取り出して別容器に入れておく(パエリアづくりに使用)。
(4).両面焼けたらしっかりと温めた(2)に入れて、弱火で蓋をして4分。お肉をひっくり返して同様に2分加熱する。そのまま冷やして粗熱が取れたら冷蔵庫に入れる。
今回、合鴨農法を実践している農家さんへの取材ということで、鴨とお米を両方使ったレシピを考えるなんて、さすが村山先生!
「合鴨」知っとく情報
さて、ここからはJAささかみの合鴨について、知っていると役に立つ情報をお届けします。
●合鴨とは?
そもそも合鴨とは、マガモとアヒルを掛け合わせた交雑交配種。
ちなみに合鴨は白くて田んぼのなかでは目立ってしまうため、カラス、イタチ、タヌキなどの天敵に狙われやすい一面もあるそうです。
●旬の時期は?
JAささかみでは11月から春先まで販売しています。販売までの流れを紹介しましょう。
まず5月頃、合鴨の雛がJAささかみに到着。1週間から10日間ほど育苗用の農業ハウスの中でひと回り大きくなるまで育てます。
そして田植え後の稲の生育具合を見ながら田んぼに放ちます。
7月末頃まで有機農法の田んぼで草や害虫を食べさせながら育て、その後、大きく育った合鴨をトラックに載せて大阪へ。
大阪は「河内鴨」という有名ブランドがあり、鴨を食す文化が発展しています。大阪で肥育したのち肉として加工され、9月頃合鴨肉として再びJAささかみに帰ってくる…というわけです。
合鴨農法を実践している農家のなかには、大きく育った合鴨を食べきれず処分しているところもあるそうです。
しかし、JAささかみでは肉加工して多くの人々に食べてもらい、同時に子どもたちには命の大切さを伝えられる食育の機会としてとらえ、米づくりと合鴨の生産を一緒に行なっています。
●風味の特徴は?
サイズが大きくて肉付きがよく、マガモと違ってクセがないので、野菜や豆腐との鴨汁料理のほか、そのまま焼いても食べやすいのが特徴。
また、無農薬の有機米圃場で育っているので安心なうえ、「鴨肉は脂っこい」というイメージもありますが、体温より低い20度以下で溶け出す脂なので体に蓄積されにくくヘルシーなんです。
鴨肉に多く含まれている不飽和脂肪酸は、血行を促進し、血液をサラサラにしてくれる働きがあるため、動脈硬化や高血圧など生活習慣病の予防や改善にも効果を発揮するといわれています。
●どこで購入できるの?
JAささかみ産の合鴨は、JAささかみ本所(阿賀野市山崎58)と、わくわくファーム新発田店(新発田市舟入町3-2-11)で販売しています。
現在、JAささかみ管内では、このあと紹介する農家の青木さんしか合鴨農法を行なっておらず、今シーズンは約120羽しか販売されません。数量限定のレアな食材です。
●調理のポイントは?
合鴨ロースブロックは冷凍で販売されていますが、料理でカットするには半解凍の状態が最も切りやすいです。
合鴨肉だんご(下写真/今回の視聴者プレゼントの一つですよ!)は、解凍せずにそのまま料理できます。
合鴨農法で安全でおいしい合鴨とお米をつくりながら、子どもたちに命の尊さも伝える
今回の「とれたて! えいっとレシピ」では、ささかみ米産直部会 副部会長 青木さんと、JAささかみ営農課 一ノ瀬さんに登場していただきました。
現在、JAささかみ管内で合鴨農法を行なっているのは青木さんのご家族のみ。
6月頃から雛の状態で田んぼに放され、7月末までの約2ヵ月間働いてくれました。家族の一員のような愛情がわいてしまうのも当然のこと。お別れの日、お子さんも思わず涙。
しかし青木さんは、合鴨農法を生き物の命を預かることを学べる教育・食育の機会としてもとらえています。子どもたちにとって、食と命を学べる貴重な体験といえますよね。
最後に、生産者の青木さんとJAささかみの一ノ瀬さんにこれからの展望をお伺いしました。
一ノ瀬さん・「おいしい有機米をつくる合鴨農法とおいしい鴨肉、この両方をこれからさらに広めていきたいですね。また、この地域にはJA青年部が活動する学童農園という小学生がお米をつくる授業があるのですが、そのなかで合鴨農法も加えて、子どもたちが合鴨と触れ合える場がつくれたらおもしろいと思っています。そして、その鴨肉をできあがったお米と一緒に食べるところまで提供してみたいですね」
青木さん・「JAさんに合鴨農法を阿賀野市全体に普及させてもらいたいですね。子どもたちが合鴨と触れ合い、そして食すという教育の場を作りたいですし、学校給食に有機のお米と合鴨肉を使ってもらいたいと思っています。ぜひ市長にお願いしたいですね(笑)」
安全安心の鴨肉とお米を作るだけではなく、食育の機会として子どもたちの心までも育ててくれる合鴨農法。
今回の鴨肉とお米を一緒に食べられるレシピは、まさにぴったりといえましたね。皆さんもぜひ作ってみてください!
※次回の「とれたて! えいっとレシピ“くらしに笑顔を、食卓に新潟の恵みを”」は3月27日(土)放送予定。
注目情報【合鴨肉をプレゼント!】
●JAささかみより「合鴨肉だんご(12コ入)と合鴨肉ローススライス(150g)のセット」を5名様にプレゼント! 詳しくは下記「スマイルスタジアム」WEBサイトのプレゼントページにて。
NST新潟総合テレビ「スマイルスタジアム」番組ホームページ
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