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【あがきたの魅力見つけ隊コラム】自然&温泉&アクティビティで健康になる旅へ|阿賀野市

  • 情報掲載日:2025.01.30
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

あがきた地域には、海、山、川の豊かな自然と、ほっとくつろげる温泉、家族連れにぴったりのスキー場や思いっきり遊べる公園など、魅力的で立ち寄ってみたくなるスポットがたくさんあります。

でも、それだけではありません。これらの素材を引き出す「ヒト」。
地域で活躍する「ヒト」のお話から、この地域のよさ・素晴らしさをお伝えします。

今回紹介するのは、雄大な自然の中でキャンプや登山、トレイルランなどを楽しめる阿賀野市エリア。

心も体も満たされ、健康に近づく「ウェルネスツーリズム」は、老若男女問わず豊かな人生を送りたいと願う人に知ってほしい旅のカタチです。

お話を聞いた人

国民保養温泉地 五頭温泉郷 村杉温泉
風雅の宿 長生館(ちょうせいかん)
総支配人 藤木 恒さん

【プロフィール】
1972年、胎内市生まれ。高校卒業後に上京し、ホテリエ養成学校へ進学。
老舗ホテル、オークラ東京に就職し、約10年間働いたのち新潟に戻る。
ホテルオークラ新潟の宿泊部長を経て現職。
「GOZU SKYRUNNING(五頭登山競走)」立ち上げメンバーのひとりで、実行委員を務める。

自然の恵みを五感で楽しむウェルネスツーリズム

―お生まれは胎内市なのですね。

旧中条町の桃崎浜というところで、完全な浜っ子です。今は山に近い五頭温泉郷で働いているので、山を好きになろうと数年前から登山を始めました。

毎年5月3日は五頭山の山開き。新緑のシーズンは言うまでもなく最高です。
木々が放出する「フィトンチッド」をご存知ですか?
森林浴の気持ちよさや免疫力につながる物質で、木はその場から動くことができないので、フィトンチッドを出して自分の身を害虫などから守っているのだそうです。

長生館の庭園も森のように緑豊か。4,000坪の広さを誇る
長生館の庭園も森のように緑豊か。4,000坪の広さを誇る
アーティストを招いて毎月開催する庭園ジャズライブ
アーティストを招いて毎月開催する庭園ジャズライブ

―森林浴はリラックスできて、健康にもいい。

そうなんです。五頭山の麓でキャンプもいいですよ。
私はもっぱらソロキャンプ。
仕事柄なかなか連休が取れないので、仕事終わりの夜に行ってテントを立ててお酒を飲んだり、休みの日は朝から出かけて一日中過ごして翌朝そのまま出勤したり。
五頭山は女性キャンパーも多い印象です。

アウトドアギアやマイボトルに貼りたい五頭山ステッカー。旅館や観光施設で販売中
アウトドアギアやマイボトルに貼りたい五頭山ステッカー。旅館や観光施設で販売中

一番好きなのは冬山。特に日の出の時間帯は、阿賀町方面にバーッと雲海が広がって信じられないくらいきれいです。
もちろん安全をしっかり確保したうえで、冬の朝は6時半頃をめがけて登ります。
ヘッドライトの明かりひとつで、一歩一歩山頂に向かう。暗闇は怖いけれど、徐々に薄明りになると「早く日の出が見たい」という思いが湧いてきて、どんどん上る。
朝日を見ている時は、全身がスケルトンになったような何とも言えない感覚です。

雲海が広がる冬の五頭山(撮影:荒木風太)
雲海が広がる冬の五頭山(撮影:荒木風太)

阿賀野のシンボル・五頭山を駆け上がるレース

―話を聞いているだけで神聖なパワーをもらえそうです。

本当にすごいですよ。
温泉街周辺は水がきれいでホタルも普通に飛んでいます。
この豊かな自然をもっと身近に楽しんでいただけるように始めたのが『AGANO WALK & EAT IN GOZU(阿賀野ウォーク&イート in 五頭 秘密の散歩道)』。
各ポイントで特産品や料理を楽しみながら7〜8キロ歩く、子どもから大人まで楽しめるグルメウォークイベントです。

毎年9月に開催する『AGANO WALK & EAT IN GOZU』
毎年9月に開催する『AGANO WALK & EAT IN GOZU』

そこから派生したのが『GOZU SKYRUNNING(五頭登山競走)』です。
当旅館に山を走るトレイルランが好きなスタッフがいて、「五頭山でもやってみるか」と。新潟を拠点に活動する「新潟スカイクラブ」に協力をお願いしたところ快諾していただき、現地調査で「走るには素晴らしい山」とお墨付きをいただきました。

山頂まで普通に歩くと1時間半くらいかかりますが、『GOZU SKYRUNNING』では早い人は30分ほどで駆け上がります。
レース終了後に汗を流していただけるよう、参加者全員に当館のラジウム温泉入浴券をプレゼントしています。

『GOZU SKYRUNNING』2023年大会の様子
『GOZU SKYRUNNING』2023年大会の様子
写真は「胎内写活部」がボランティアで撮影。選手は画像を無償ダウンロードできるので大好評だったそう。2024年は悪天候で中止となったが、北海道から福岡まで県内外から120名がエントリーした
写真は「胎内写活部」がボランティアで撮影。選手は画像を無償ダウンロードできるので大好評だったそう。2024年は悪天候で中止となったが、北海道から福岡まで県内外から120名がエントリーした
選手の遠藤健太さん(右)と藤木さん。新潟市北区出身の遠藤さんは、山岳スキー競技(SKIMO)の日本代表選手でもある。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピック出場を目指す
選手の遠藤健太さん(右)と藤木さん。新潟市北区出身の遠藤さんは、山岳スキー競技(SKIMO)の日本代表選手でもある。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピック出場を目指す

―どちらのイベントも阿賀野らしさを全身で感じられますね。

『GOZU SKYRUNNING』はメダルも地元の特産・安田瓦製です。
瓦の焼き付けで金・銀・銅を表現してもらいました。
金は一番手間がかかったそうですが、職人技術がいきた仕上がりです。
デザインは長場鬼瓦工場さん、焼き付けは丸三安田瓦工業さんです。

職人技術で作られた安田瓦製メダル
職人技術で作られた安田瓦製メダル
メダルをデザインした長場鬼瓦工場の作品は「やすだ瓦ロード」でも鑑賞できる
メダルをデザインした長場鬼瓦工場の作品は「やすだ瓦ロード」でも鑑賞できる

―他にもおすすめはありますか?

瓢湖もいいですよ。
秋から冬にかけて、宿泊客の方に少し早起きしていただいて、朝食前にバスで瓢湖へお連れして、白鳥が飛び立つシーンを見ていただくんです。
「こんなの見たことない」とみなさん大喜び。
送迎バスで最初に旅館に来る道中もパッと横を見ると道路脇に白鳥がいたり、夜中に大きな鳴き声が聞こえたりするのに驚くお客様が多いですね。

水辺の風景がすがすがしい夏の瓢湖
水辺の風景がすがすがしい夏の瓢湖

春の桜、初夏のアヤメ、夏の蓮と瓢湖周辺は季節の花も見事です。
冬は瓢湖周辺でキャンプをやろうと計画中です。
これからもワクワク楽しいことをやっていきたいですね。

ラジウム温泉とアクティビティで新感覚の湯治

―阿賀野エリアの旅は、心の洗濯ができそうです。

まさに心や体が健康で豊かになる「ウェルネスツーリズム」を提案しています。
ただ、個人的な話になりますが、ここに辿り着くまでにはいろいろありまして。

―ぜひ聞かせてください。

私は高校まで旧中条町にいて、ホテルで働く夢を叶えるために東京の学校に進学しました。
アメリカのシアトルにも1年間留学し、卒業後は憧れていたオークラ東京に就職しました。

オークラ東京の利用客は政財界の大物や芸能関係者も多い。「一流とは何か」を学んだ10年だったという藤木さん
オークラ東京の利用客は政財界の大物や芸能関係者も多い。「一流とは何か」を学んだ10年だったという藤木さん

妻は幼稚園からの幼なじみ。一緒に上京して結婚しました。
長女が生まれ、次は双子の男の子。
双子が生まれるタイミングで「新潟で子育てがしたい」という妻の要望もあって30代前半でUターンしたんです。

母が病気で介護が必要だったので、病院に近い新発田市で暮らしていました。
ほどなくして母が亡くなり、その後、妻にがんが見つかって亡くなってしまったんです。
手術からたった3カ月後でした。

―そんなに急に。

ずっと一緒に生きてきたので、自分の体の一部がなくなってしまったような喪失感で毎日泣いていました。
当時はホテルオークラ新潟で働いていましたが、夜勤のある仕事で小学生の子ども3人を育てるのは難しい。
やめるしかないと思っていた時に支えてくれたのが新発田の人たちです。

周囲の人に支えられた思い出を語る藤木さん
周囲の人に支えられた思い出を語る藤木さん

息子たちが入っていたスポーツ少年団の野球チームの親御さんたちが「今日は私がご飯を作るから」「今日は私が送迎するよ」とものすごく協力してくれたんです。
小さな野球チームでしたが、小学校で県大会優勝、中学校時代にも全国大会出場を果たしました。

―あったかい人とのつながりです。その後はどうしたんですか。

妻が亡くなって10年になる頃、長女は大学生、息子たちは高校卒業のタイミングでした。
家の経済事情を考えて息子たちは進学をあきらめていたようでしたが、親としてはやりたいことをやってほしい。
私はオークラを辞めて、退職金と、他からも工面したお金を息子たちの進学資金に充てました。

―憧れていたホテルの仕事を辞めてしまったんですね。

妻が病気になった時に何もできなかった、仕事を辞めてでもあの時一緒にいてあげればよかったという後悔がどんどん膨らんで、10年という節目で一度ゼロベースから始めようと思ったんです。
そこからいろいろ考えて、以前から注目していた「高気圧酸素ルーム」のお店をやろうと思いました。
酸素カプセルはご存知ですか?

―アスリートなどが疲労回復のために入る機械のようなものですか?

そうです。カプセルよりも広いので「ルーム」ですが、原理は同じ。
酸素を取り込み細胞の隅々に行き渡らせて、疲労回復や免疫力向上を図るものです。
開業に向けて新潟駅近くのけやき通りにテナントを契約して、銀行の融資も取り付けました。
そのタイミングでコロナウイルスが発生してしまったんです。

子どもたちがスポーツのけがで苦しんだ経験から、高気圧酸素ルームの事業にたどり着いたという
子どもたちがスポーツのけがで苦しんだ経験から、高気圧酸素ルームの事業にたどり着いたという

銀行の融資はストップ。
でもテナントの賃料は支払わなければならない。
周りには散々止められましたが、開業することにしました。
するとコロナ禍で休業中のお店の方々が応援がてら来てくれて、なんとか生活していけるくらいの売上になったんです。

―ここでも周りの人の助けがあったんですね。

そうですね。
でも第2波、第3波が来ていよいよ危ない状況に。
一方でGO TOトラベルが始まり旅行業界は活気を取り戻していて、長生館から「手伝ってもらえないか」とオファーをいただいたんです。
最初はアルバイトで入り、話をするうちに社長が自然免疫学に強い思いを持っていると知りました。

長生館のラジウム温泉は飲泉もできる
長生館のラジウム温泉は飲泉もできる
ゆったりとしたラウンジ
ゆったりとしたラウンジ
温泉や健康に関する書籍も
温泉や健康に関する書籍も

もともと湯治場として栄えた村杉温泉は、日本有数のラジウム温泉。
今でも「病気をなんとかしたい」「妻が末期のがんで」などと言って訪れるご夫婦がとても多いんです。
自分と同じようにパートナーを救いたいという思いで温泉に来るお客様に応えたい。
酸素ルームのお店は閉めて、長生館で働く覚悟を決めました。
酸素の設備は旅館に移したので、今もご利用いただけますよ。

―そして現在の藤木さんがあるのですね。

何だかこれまでのすべてがつながっている気がしますね。
病気にならないように、少しでも病気が癒えるようにここに来るお客様がいます。
恵まれた自然、食材、ラジウム温泉。そこにアクティビティの要素をプラスして「新湯治=ウェルネスツーリズム」を築き上げていきたいと思っています。

「阿賀北地域全体で連携していきたい」と藤木さん
「阿賀北地域全体で連携していきたい」と藤木さん

旅行のきっかけは有名な観光地だけじゃなく、いろいろあっていい。
「『GOZU SKYRUNNING』のために初めて新潟に来ました」というお客様が、温泉を気に入って、別の日に宿泊に来てくださることもあります。
今後は「五頭-GOZU-」の名前をもっと認知してもらい、インバウンドも大事ですが、まずは日本中のお客様に来ていただけたらうれしいですね

DATA

国民保養温泉地 五頭温泉郷 村杉温泉
風雅の宿 長生館
住所
阿賀野市村杉4632-8
電話番号
0250-66-2111
リンク
風雅の宿 長生館

DATA

AGANO WALK & EAT
リンク
AGANO WALK & EAT

DATA

GOZU SKYRUNNING
リンク
GOZU SKYRUNNING

DATA

瓢湖
住所
阿賀野市水原313-1
問い合わせ先
阿賀野市公園管理事務所
問い合わせ先
電話番号
0250-62-2690
リンク
阿賀野市

DATA

安田瓦協同組合/にいがた瓦館 かわらティエ
住所
阿賀野市保田7372
電話番号
0250-68-2112
リンク
安田瓦協同組合/にいがた瓦館 かわらティエ

DATA

五頭山麓いこいの森キャンプ場
住所
阿賀野市畑江24
リンク
五頭山麓いこいの森キャンプ場

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