「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに勤めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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伊坂幸太郎。
日本を代表する作家のひとりですね。読書好きな人はもちろんですが、そうでなくても聞いたことのある名前ではないのでしょうか? 『重力ピエロ』『グラスホッパー』『アイネクライネナハトムジーク』など伊坂幸太郎さんの作品はたくさん映画化されており、非常に知名度が高いお方。その独特な雰囲気のストーリーに虜になるファンが多いんですね〜。
そんな伊坂幸太郎さんの映画化作品のなかに、実は新潟ロケが行なわれたものがあるって知ってましたか? それは、2005年に発行された小説『死神の精度』を映像化した『Sweet Rain 死神の精度』です。
【あらすじ】
死神の千葉は強烈な雨男で、彼が人間界に現れるときはいつも雨。彼の仕事は、7日後に死ぬ予定の人間に近づき、「実行=死」か「見送り=生かす」かを判定すること。ある日、1985年の東京に現れた千葉は、次のターゲットとなる薄幸の女性、一恵に近づき観察を始めるが、判定を下す7日目、彼女に思いがけない運命が訪れるのであった…。
主演を務めたのは、その顔立ちと抜群の演技力で多くの女性ファンを魅了する金城武。7日間でその人間の生死を見極める「死神」とその対象者たちの悲喜こもごもを爽やかに描いています。過去と現在と近未来に渡り展開する壮大な物語で、死神役を演じた金城武さんの時代ごとに変わる外見も見どころのひとつですよ!
※今回は、私が新潟に赴任する前にロケが敢行された作品なので、実際に参加したスタッフさんからお話を聞いて書かせていただきます。
新潟での撮影はほとんど柏崎市内で行なわれました。
米山海岸の北側に位置する岬・聖ヶ鼻や、美しい景色を観ることができる穴場スポットの上輪海水浴場、柏崎市西山地区にある二田小学校近くのバス停、そしてラストシーンは米山の山麓から海岸に至る地帯で構成されている米山福浦八景県立自然公園とロケ地はさまざまです。
聖ヶ鼻には、絶壁の上に建つ美容院のセットがリアルに作られました(上写真)。
ここからの景色はまさに絶景だとか。壮大な海が眼下に広がっていたそうです。実際に作品を観てもらうと分かると思いますが、とても趣のある建物で、窓から広がる景色がとても印象に残ります。実は撮影の一週間後に中越沖地震が発生し、この付近が崖崩れ崩落したみたいなんですね。
●聖ヶ鼻
●上輪海水浴場
当時、柏崎市でロケーションのお世話をしていた柏崎インフォメーションボックスの斉木さんらが、ロケハンからロケ地の調整までを協力してくださったおかげで完成した作品です。
柏崎市の協力もあり、柏崎の素晴らしい風景がスクリーンに映し出されました!
『Sweet Rain 死神の精度』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
柏崎市内各所
(聖ヶ鼻、上輪海水浴場、米山福浦八景県立自然公園 ほか)
●作品
『Sweet Rain 死神の精度』(2008年公開)
監督●筧昌也
出演●金城武/小西真奈美/光石研/吹越満/富司純子 ほか
発売元●バップ
価格●DVD スタンダード・エディション 3,850円 ほか