「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに勤めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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数あるドラマのなかでも特に人気がある「刑事・警察モノ」。
昔から常に安定した人気で、シリーズ化する作品も数多くありますよね。昔と今では、内容もかなり変わっており、私の時代だとやっぱり『西部警察』が王道の刑事ドラマでした。今の子たちは、刑事ドラマと言ったら『踊る大捜査線』と答えるのかな〜。それももしかして古い!?
コラムの打ち合わせのときに、私が「刑事・警察モノと言ったらやっぱり『西部警察』でしょ!」って言ったら、コラム担当編集者さんが「いや、私は『あぶない刑事』ですね〜」と…。もぅこの会話自体、昭和の人って感じ(笑)。ということで今回は、そんな「警察」が舞台となったドラマ『64-ロクヨン-』を紹介します。
実は新潟ロケだったんです。
【あらすじ】
わずか7日で終わった昭和64年。その年に起きた少女誘拐殺人事件、「ロクヨン」から14年が経過し、未解決のまま時効が近づいていた。そのロクヨンの捜査に携っていた警務部秘書課広報室の広報官・三上は、記者クラブとの不和、刑事部と警務部のあつれき、ロクヨンを模倣したような誘拐事件に直面し…。
原作は、『半落ち』『クライマーズ・ハイ』など社会派作品を多く手掛ける横山秀夫氏。平成へと年号が変わる直前、わずか7日で終わった昭和64年に起きた未解決の誘拐事件「ロクヨン」をめぐり、警察内部の対立や県警記者クラブとの衝突などを浮き彫りにしていくという物語です。
監督は『ヘヴンズ ストーリー』『感染列島』、最近で言うと、菅田将暉・小松菜奈が主演を務めた映画『糸』を手掛けた瀬々敬々氏です。出演は、佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、瑛太、永瀬正敏、三浦友和、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、椎名桔平、遠藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、、、、蒼々たる俳優陣!!!! ベテランから若手まで主役級の俳優陣が出演しています。
原作、監督、出演者をみて頂くとお分かりかと思いますが、これ、かなりの超大作映画です。そして、この作品が実は新潟ロケだったという…(あまり新潟らしい風景は出てこないですからね)。なぜ、新潟の風景が出てこないのか…それは、舞台となったのが「県警本部」内だから。室内ってこと。そうです、この舞台となった「県警本部」自体が新潟県内にある建物だったんです。
この作品の主な舞台となる「県警本部」のロケ地探しは全国規模で行なわれていたそうで、新潟からは、さいわいプラザ(旧長岡市役所幸町分室)と旧長岡市役所 柳原分庁舎を制作側に案内しました。最終的には 旧長岡市役所 柳原分庁舎 が選ばれ、撮影は2015年2月から4月までの間、延べ27日間行なわれました。
残念ながら現在は耐震などの問題で取り壊されてしまいましたが、とても趣のある建築物でしたよ。この旧庁舎の2・3・4階フロアに、県警内部の広報室や記者クラブ、刑事部捜査一課・二課、本部長室、秘書課、警務部が作られ、「昭和64年の県警」が忠実なセットで蘇りました。
特に印象に残っているのが記者クラブの部屋。デスクに置かれたデコボコのアルミ灰皿をはじめ、昭和当時のタバコや雑誌などが乱雑に置かれた部屋は息を呑むリアルさでした。美術スタッフさん、すごいです。ここ注目です!
そしてここからは撮影後のエピソードです。
撮影のほとんどが昼間のシーンだったので、出番を終えた出演者たちは夕方になると三々五々、長岡市殿町へ夕食を食べに向かっていました。おもしろかったのが、出演役の部署に分かれての会食が多かったってこと。だから、どの店に行っても出演者やスタッフがいるという光景となりました。
作品自体に新潟の風景はあまり登場しませんが、新潟がロケ地となった超大作です。
前編、後編とあるので秋の夜長にぜひ!
『64 -ロクヨン-』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
長岡市(旧長岡市役所 柳原分庁舎)
●作品
『64 -ロクヨン-(前編・後編)』(2016年公開)
監督:瀬々敬久
出演:佐藤浩市/綾野剛/榮倉奈々/永瀬正敏/三浦友和 ほか
販売元:TCエンタテインメント
価格:DVD(前編)3,500円(税抜)、DVD(後編)3,500円(税抜) ほか