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浅妻 信のサッカーフリークエッセイ

FOOTBALL JUNKIE【勝ち点7】

J2第4節終了時_6位/勝点7(2勝1分1敗)

  • 情報掲載日:2019.03.20
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

「これから対戦チームのスカウティングも進んでくる。真価を問われるのは、まさにこれからだ」

第4節を終えて、2勝1敗1分の勝ち点7は、まずまずの滑り出しと言うべきだろう。

散々だった昨シーズンの同じ時期が2勝2分であったという不吉なデータもちらつくが、昨年のチームが迷走しだしたのは、熊本相手に3バックの奇策で臨んだ試合からであったと記憶しているし、そもそも、試合の質が違うのは、サポーターならば誰もが気づいているだろう。
2013シーズンの後半、川又堅碁、田中達也、田中亜斗夢の3人を中心に、前線から激しくプレスをかけた新潟は後半戦の王者となり、J1リーグに旋風を巻き起こす。
そのときほど前から激しく追うことはないものの、基本となるのは、現代サッカーの主流というべき、攻守の素早い切り替えから、相手の守備網が整う前にゴールを目指すショートカウンターである。
キャンプから、いや、昨シーズン終盤の片渕監督就任時から、連動してボールを奪うという守備戦術の熟成を図っていたのだろう。
2トップが連動してプレッシャーをかけ、相手に「蹴らせた」アバウトなボールを、カウエが楽々と拾うシーンが目につくが、カウエの能力に依るところはあるものの、ボールを奪いに行く場所、タイミングについて、チーム内で、意識統一されているのが昨シーズン序盤との明確な差だ。

次に、攻撃面に目を転じる。そのボールを奪ってからの攻撃に大きく貢献しているのが、田中亜斗夢を彷彿させる運動量でピッチを激しく上下動する戸嶋と、一躍シンデレラボーイとなった新井である。
新井は地元新潟経営大学卒のルーキー。もともと中盤の選手と聞いていた新井がセンターバックとして起用されているのは、同じ役を担うはずであった広瀬の負傷欠場があるものの、攻撃の一歩となる前線への配給能力を買われてのことと推測される。
相手の激しいプレッシャーに慌てることなく、最終ラインで落ち着いてボールを扱い、確実にボールをつなぐ。
印象的だったのは、相手のプレッシャーがないとみるや、スルスルとボールを持ち出し、相手DFの体の向きを見て、その背走するDFの後ろ足ギリギリ、二人に挟まれて走るレオナルドの足元に、ピタリと、グラウンダーで通した開幕戦でのロングパス。
広瀬が復帰してくると、場合によっては、そのセンスを買われ、ボランチだけでなく、サイドバックとしての起用も見られるかもしれない。

また、田中達也のほか、矢野貴章というベテラン勢が好調で、結果も出しているのが、チームに好影響を与えている。特に貴章の身体能力の高さは、衰えることを知らず、本当にいい選手だと改めて感じているところだ。

ただ、最初にも述べたが、昨年もこの時期、同じ成績であったことは忘れてはならない。
これから、対戦チームのスカウティングも進んでくるだろう。チームとして真価を問われるのは、まさにこれからだ.

例えば、改めてホーム開幕戦で露見したが、先制点を奪われ、背後のスペースを埋められると、いわゆる選手個々の能力が高い柏レイソルのような相手では攻め手を欠いてしまう。
この点で奮起を促したいのが、まだまだこんなものではないと信じたいレオナルドと、昨年リーグで10点をとったにも関わらず、今季はなかなかフィットしない渡邉新太の復活である。

また、どうしても運動量の落ちてくる夏場を、チームとしてどうしのいでいくか。

まずは今週末、ホームで迎える福岡戦。開幕戦は2万人を超える大観衆でいい雰囲気だった。
ゴールラッシュで連勝を決め、新潟県民が笑顔になる週末にしてほしい。

 

【浅妻 信】
新潟市出身。Jリーグ昇格時からアルビレックス新潟を追い続けるとともに、本業のかたわら、サッカー専門誌などに執筆している。さらにASジャミネイロの監督としても活躍中

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