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浅妻 信のサッカーフリークエッセイ

FOOTBALL JUNKIE 【新体制発表】

2019 J2 第1節_2/24(日)京都 第2節_3/3(日)千葉 第3節_3/9(土)柏

  • 情報掲載日:2019.01.22
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

「ここ最近のアルビレックスに足りなかったと感じるものが、どんどん埋められているような気がして、心強く感じるところだ」

1月10日に今期の新潟の陣容が発表になったが、是永体制の色が十分に発揮された内容となった。

まず、驚かされたのが、ブラジル人選手6人を含む、外国籍選手を7人配置したということ。
J2リーグの規定では4人しか試合にエントリーできないため、毎試合、少なくとも3人はベンチ外となる。
今季のJ1リーグでは、アンドレス・イニエスタ、フェルナンド・トーレス、ダビド・ビジャなど豪華絢爛な外国籍選手が名を連ねるが、新潟では、すでにJリーグでのプレー経験のある4人を除いては、失礼ながら、どちらさま?の状態。
しかし、過去、技術と協調性、さらに強い向上心を有する無名のブラジル人選手を獲得し、戦力としてはもちろん、後に多額の移籍金に変えていった実績を持つ新潟としては、予想される取得額(年俸等)に比して、スポーツ面、財務面の双方で、相当に割のよい投資と見るのが妥当であろう。
そもそも、今さらながら、サッカーをする上で外国籍、日本籍と分けて考える必要もない。
その辺は、グローバリズムの先鋭として、Jリーグに新風をもたらせたのではないかと思う。

次に、これまた驚かされたのが、チョ・ヨンチョルの電撃復帰である。
知らぬ人もいるかもしれないので、簡単に紹介をすると、新潟でのプレーはわずか3年であったが、キム・ジンス同様、新潟で成長し、韓国のA代表にも選出された選手で、韓流スターのようなルックスと、溢れる新潟愛、日本語でのほのぼのしたSNS発信で、実力だけじゃなく人気も抜群だった選手である。
チームを去る際も多額の移籍金を残したうえ、今回、チームのピンチに突如舞い降りてきた。
これで、大活躍してチームをJ1昇格へと導いたら、まるで映画のようなサクセスストーリーが完結するではないか。
また、ヨンチョル復帰は、スポーツ面だけではなく、財務面においても、昨年末に復帰が発表された野澤洋輔とともに、スタジアムから足が遠ざかっていたファンを呼び戻す効果も早くも出ており、私の周囲を見回しても、激励会に出たいがために後援会に再入会し、そこでの選手達の意気込みを生で聞いて、「今年はいける!」とテンションは上がりっぱなしとなり、シーズンパスも購入して、シーズン開幕を楽しみに待っているサポーターも少なくない。

実際、1月16日の、是永社長のSNS上での報告によれば、「ユニフォーム販売が昨年同時期比で約50%増…、シーズンパス継続率が既に過去最高の99.3%」とのことで、数字からも財務状況の改善が期待できる内容となっている。
このワクワク感。失礼な例えを承知でいうと、近年、改革により、視聴率を再び上昇気流に乗せているというNHK紅白歌合戦にも繋がるプロデュース力ではないか。

先日行われた新潟県サッカー協会の新年会の席で、是永社長自身が、「選手の派遣についても、できる限り対応していきたいので、どんどん声をかけて欲しい」旨の要請をしている。
プロスポーツというのは、サポーターに夢を与え、加えて地方の場合は、サポーターと供に夢の実現を目指す商売だと思っているので、個人的に、ここ最近のアルビレックスに足りなかったと感じるものが、どんどん埋められているような気がして、心強く感じるところだ。

現在、チームは恒例となった高知での1次キャンプ中である。
空路ではなく、12時間かけてのバス移動が話題になったが、意識改革とともに、チームとしての一体感を早い段階で持たせるための手法であっただろう。実際、大人でも長時間に及ぶ、集団でのバス移動はテンションが上がるのだ。

片渕体制2年目となる今シーズン。
どのようなメンバーがチョイスされ、どのような戦いを繰り広げるのか。

気がつくと開幕(2月24日)まで、あと1ヶ月ほどだ。

 

【浅妻 信】
新潟市出身。Jリーグ昇格時からアルビレックス新潟を追い続けるとともに、本業のかたわら、サッカー専門誌などに執筆している。さらにASジャミネイロの監督としても活躍中

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