「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を１本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。

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●そもそも田中さんって？？
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典（たなかかつのり）さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに勤めており、東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。

田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。

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祝・世界文化遺産推薦決定！

史跡 佐渡金山がついにユネスコ世界遺産に推薦されることが決まりました。佐渡の方々はさぞ喜んだことでしょう。ここへ至るまでの道のりは本当に長かったですからね。早くて2023年──世界遺産に登録され、たくさんの人たちが佐渡へ、そして新潟へ観光に来てくれるといいですね！

さて、今回はそんなお祝いムードが高まっている佐渡島が舞台となった映画作品『テンペスト SADO TEMPEST』を紹介します。 この作品は、能や鬼太鼓などといった佐渡の歴史や伝統文化を盛り込んだ大胆な解釈で捉えた異色ファンタジーで、劇作家ウィリアム・シェイクスピアの傑作『テンペスト』がモチーフ。

ロックが危険思想として禁じられた近未来を舞台に、佐渡島に追放されたロックシンガーの姿を描くという内容となっています。佐渡の荒涼とした自然とロック、そしてシェイクスピアの幻想的な世界観が融合した映像美が異彩を放ちます。

【あらすじ】
現代社会が崩壊し、独裁政治に逆戻りした2042年の日本。政府を批判した人気ロックシンガーのジュンは、バンドメンバーと共に佐渡島に流されてしまう。島の鬼たちが代々引き継いできたという「能」の歌に心を奪われたジュンは、不思議な力を持つその歌の秘密を紐解いていく。

ことの始まりは、2008年に開催された全国フィルムコミッション連絡協議会主催の『全国ロケ地フェア』でのこと。

私とフィルムコミッション佐渡の初代担当、祝（ほうり）さんがいた新潟ブースに、のちに作品を手掛けることになるジョン・ウィリアムズ監督がやってきたんです。その際に祝さんは、地元の人も気が付かないような神秘的な佐渡の姿についてたくさん紹介しました。

祝さんの話にとっても興味を持った監督は、なんと佐渡島でのロケハンを7回も行なったとか！ 島を訪れるたびに祝さんが案内する佐渡は完全に監督を魅了していきました。

そんなたくさんあるスポットから監督がロケ地として選んだ場所は、史跡 佐渡金山、東光山清水寺（下写真）、長手岬、宿根木、旧相川拘置支所、古代杉原生林などです。当時はそれほどメジャーではなかった東光山 清水寺や旧相川拘置支所、古代杉原生林などがこの作品でフィーチャーされたんです。

こんなにも佐渡の魅力が満載になったのはすべて祝さんのおかげです。

佐渡市をはじめ、フィルムコミッション佐渡、佐渡汽船、尾畑酒造、へんじんもっこ、ホテルさどやなどによる撮影協力を得て無事20日間の撮影が終了しました。

今、このタイミングでこそ観てほしい作品です。

『テンペスト SADO TEMPEST』を観たい方はDVDで！

●新潟ロケ地
佐渡市
（史跡 佐渡金山、東光山 清水寺、宿根木ほか）

●作品
『テンペスト SADO TEMPEST』（2012年公開）

監督●ジョン・ウィリアムズ
出演●逸見泰典／江口のりこ／土屋良太／佐渡稔／田中要次 ほか
発売元：オンリー・ハーツ
販売元：グラッソ
価格●DVD 3,900円（税抜）