この建物をご存じでしょうか?
古町10番町、大人気居酒屋・喜ぐちのすぐそば、甘納豆でおなじみの佐藤菓子店の隣にあります。
昔ながらの商店街にあって、洋風のファサードがひときわ目を引きます。
こちらは旧吉野活版所(吉野印刷)。
2017年までこちらで営業していました。
この建物は、大正5年に当時の当主・吉野松次郎氏の設計で作られたもの。
この吉野松次郎氏という方はとてもユニークな方だったそうで、印刷所を経営しながら、蒸気船を作ったり(!)、自分でエンジンを買ってきて木造の自動車を作ったり(!!)も。
そして自身で設計したという吉野活版所の内部もこれまたすごいのです。
なんと内部には新潟市で初めてと言われるエレベーターが!
1階からエレベーターで3階まで上ると、そこには天井と壁をしっくいで仕上げた応接室がありました。
花模様の天井の彫刻がとても素敵です。
また、イタリア軒からもらい受けたというカーテンレールも残されています。
※一般公開はされていません。
さて、話を元に戻します。
こちら、旧吉野活版所に新たな動きが!
外観をよく見てください。
入口に「OFFSET」と大きく書かれています。
実は昨年末、この建物で自家焙煎コーヒーの無人販売所兼印刷ギャラリーがオープンしたのです!
こちらを運営するのは、同建物内で英会話教室NEXT英会話を開く、英会話講師のマイクさん。
ご自宅が近いこともあり、吉野活版所のことを知ってはいたそうですが、すでに空き家となっていたこの歴史的な建物が、近い将来壊されてしまうかもしれないと自らで買い取り、もともと駅前にあった教室をここに移転。
趣味で行なっていたコーヒー焙煎のための焙煎機を建物3階に移動して本格的に焙煎を始め、建物内で発見したオフセット印刷の見本帳にあった印刷物を展示し、1階にコーヒーの販売所とギャラリーを作った、というわけです。
扉を開けると、スタイリッシュとカラフルとレトロが絶妙にミックスされたこんな空間が広がっています。
デザインはマイクさん!
吉野松次郎氏同様、マイクさんも何でもできちゃう方なんですねー。
壁を埋め尽くすのは、吉野活版所のオフセット印刷機で刷られた古い印刷物。
缶詰や酒瓶、発酵食品などのラベルが中心です。
どれも鮮やかな発色とレトロなデザインがとても素敵で、思わず見入ってしまいます。
コーヒーは5種類。
最高品質のシングルオリジンコーヒーを仕入れ、3階の焙煎所で少量ずつ焙煎。
毎回ラインナップを替えて販売しています。
無人販売所なので、商品を選んだら、ポストにお金を入れるシステム。
なおこの売り上げはすべて吉野活版所の保存と修復に充てられます。
OFFSET COFFEE 無人店と吉野活版所大正オフセット印刷ギャラリーの営業・開館は、平日の12:00~19:00の「建物内の電気がついている時」。
この時間帯にはマイクさんは英会話を教えており、接客ができないため、基本的に無人で、自由に店内・館内に入ることができます。
またコーヒーはオンラインショップでも購入でき、印刷ギャラリーに展示されている印刷物もウェブサイトで見ることができます。
まずは一度ウェブサイトをチェックしてから、店舗・ギャラリーに足を運んでみては。
DATA
OFFSET COFFEE(オフセットコーヒー)無人店・吉野活版所大正オフセット印刷ギャラリー
- 住所
- 新潟市中央区古町通10-1666
- 電話番号
- なし
- 営業時間
- 12:00~19:00(変動あり)
- 休み
- 土・日曜、祝日
- 駐車場
- なし
- リンク
- OFFSET COFFEE
- 備考