「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに勤めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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今回紹介する作品決めの打ち合わせにて、「クリスマスっぽくて楽しい気分になれる作品ってないですか?」とコラム編集者さんからオーダー。
クリスマスかぁ… 実は新潟ロケ作品にクリスマスっぽくて華やかなものってあまりないんですよ。冬のシーン(豪雪、吹雪 etc…)はたくさんあるのにね。ならばせめて「観ていて楽しい気分になれる作品を!」ということで、今回は、新潟ロケ作品では珍しい「ラブコメディ」を紹介したいと思います。
若手女優・松岡茉優の初主演映画『勝手にふるえてろ』です。3年前に公開された映画なのですが、実は新潟がロケ地として登場しているのです。
【あらすじ】
初恋相手の「イチ」を忘れられない24歳の会社員ヨシカは、ある日職場の同期の「ニ」から交際を申し込まれる。人生初の告白に舞い上がるも、暑苦しい「ニ」との関係に気乗りしないヨシカは、同窓会を計画し片思いの相手「イチ」と再会。脳内の片思いと、現実の恋愛とのはざまで悩むヨシカだった…。
芥川賞作家の綿矢りさによる同名小説の映画化で、突然告白してきた職場の同僚と、中学時代から片思いしていた同級生との間で揺れ動く女性の暴走する恋の行く末をコミカルに描いた作品です。
監督は、今年12月18日(金)に公開される映画『私をくいとめて』も手掛けた大九明子。なんと監督は、過去にお笑い芸人をやっていたことがある異色の経歴の持ち主なんです! しかも今回紹介する『勝手にふるえてろ』ですが、第30回 東京国際映画祭のコンペティション部門では観客賞を受賞しました。出演は、松岡茉優のほかに、渡辺大知、石橋杏奈、北村匠海など、若手実力派俳優さんが勢揃い! 北村匠海さんは、ホントいまや映画作品にひっぱりだこですね〜。
さて、ロケのエピソードをお話していきます。
主人公の実家は新潟県ののどかな場所という設定の物語なので、「雪のある新潟らしい場所で撮影したい」と制作者側から連絡がありロケ地探しが始まりました。12月中旬に撮影したいとのことだったので、この時期に雪があるのは長岡や魚沼エリアしかないと思い、長岡ロケなびや魚沼フィルムコミッションの支援を受けながらロケ地が選定されました。
長岡エリアでは、山古志虫亀にある太田簡易郵便局、栃尾の阿弥陀院、長岡市東坂之上町にあったラーメン店・仁吉(現在は閉店)前で撮影が行なわれました。
魚沼エリアでは、入広瀬が主人公の実家に選ばれ、あぜ道を飼い犬と散歩するシーンが美しい雪景色のなかで撮影されました。
いろんな撮影のなかでも、私がとっても印象に残っているシーンがあります。それは長岡市の宮内駅での撮影です。現場に立ち会っていた長岡ロケなびの齋藤さんが突然監督に声をかけられ、急遽、駅員役として出演することになったんです! 改札を通る松岡茉優さんが駅員さんにわずか5センチまで顔を近づけて唄うというシーンだったのですが、もう私もビックリ! 齋藤さん本人も、あまりのかわいさと緊張で腰を抜かしそうになったそうです(笑)。
オール新潟ロケ作品ではないので、果たしてどこまで新潟のシーンが登場しているのか…それは実際に観てお楽しみください!!
『勝手にふるえてろ』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
長岡市、魚沼市
●作品
『勝手にふるえてろ』(2017年公開)
監督:大九明子
出演:松岡茉優/渡辺大知/石橋杏奈/北村匠海/趣里 ほか
発売・販売元:ソニー・ミュージックソリューションズ
価格:DVD通常版3,800円(税抜)ほか