「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに務めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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「1999年7月に人類が滅亡する」
…これは、かの有名なノストラダムスの大予言です。
当時、この予言は話題となり、本当に起こるのではないかと恐怖に怯えた人も多かったのではないでしょうか? 結局は何も起こらなかったのですけどね(笑)。そういえば、今年の新成人が生まれた年が1999年なんですって! 年月が過ぎるのは早い…ということで今回は、そんな「予言」をテーマにした人気コミックを、全3部作で映画化した『20世紀少年』をご紹介します。有名な作品なので観た人も多いと思いますが、実は第2章と最終章のいくつかのシーンを新潟で撮影しているんです。
物語の舞台は20世紀末。小学生の頃に遊びで書いた「よげんの書」の内容通りに、世界滅亡が現実に起こりつつあることを知ったケンヂは、仲間を集め世界を救うために立ち上がるという物語。監督は『金田一少年の事件簿』『劇場版SPEC』などヒット作を連発し続ける堤幸彦。出演は、唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子など主演クラスの俳優陣が揃いました。
観て頂くとと分かるのですが実は「新潟の風景出た?」って思う位、残念ながら新潟感ゼロ。言われないと分からないと思うので、今回は新潟で撮影したシーンを全てお教えします(笑)。
まず第2章で登場したのは、長岡市栃尾にある木造校舎で、現在は廃校となっている塩川小学校。こちらの講堂では、古田新太さんが演じる演歌歌手、春波夫の演歌ショーが撮影されました。エキストラの人たちと一体となったシーンは必見です。実はこの小学校は何回も映画が撮られている貴重な昭和の遺産なんです(写真がなくすみません)。
そして最終章では、新潟市北区松浜地区がたくさん登場します。
阿賀野川の河口近くでは、主役のケンヂを演じる唐沢さんが、海から漂着し、さまよいながら漁師小屋でバイクを見つけるシーンを撮りました。それと、唐沢さんが松浜本町から古峯神社への上り坂をバイクで走るシーンもあります。
さらに、最終章では長岡市の工場跡地と長岡市山古志でもロケが行なわれ、山古志の雪山でケンヂが瀕死の状態から救われるシーンを撮りました。下の写真は、長岡市の工場跡地に作られたホームレスの住み家。美術スタッフが細部まで作り込み、かなりリアルなシーンを撮ることが出来たんです!
なかなか「新潟」ってのが分かりづらい作品なのが残念ですが、
ぜひ、今お教えしたシーンに注目しながら観てみてください!
『20世紀少年〈第2章〉最後の希望』『20世紀少年〈最終章〉ぼくらの旗』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
長岡市、新潟市北区松浜
●作品
『20世紀少年〈第2章〉最後の希望』(2009年公開)
『20世紀少年〈最終章〉ぼくらの旗』(2009年公開)
監督:堤幸彦
出演:唐沢寿明/豊川悦司/常盤貴子 ほか
販売元:バップ
価格:DVD2,381円(税抜)ほか