バルセロナに恋焦がれている。
ご飯が旨くて、お酒も旨くて、海があって、山があって、芸術があって、文化があって、天気がいい。
そして何より、サッカーがある。
2000年に一度訪れてから、かれこれ80回ほど彼の地を訪れている。
目的のほとんどはサッカーだ。
ジャーナリスト時代はFCバルセロナとレアル・マドリーの伝統の一戦、いわゆる「クラシコ」をカップ戦含めて4年連続ホームとアウェイで観た。それ以外にも気になる試合は全て現地で観た。
トップレベルの試合だけでなく、時間が空いたら2部リーグ、3部リーグの試合もひたすら観た。陽の当たるスタンドにゆったりと腰掛け、ビールを空けながらピッチに目を遣る。激しいぶつかり合いに思わず手を挙げて叫ぶ。どちらを応援しているわけでもないのだが、知らずに力が入る。
なんとかしてバルセロナに行く回数を増やしたいという想いだけで、2006年にFC バルセロナと新規事業を立ち上げた。
公式のモバイルサイトだ。
当時の会長、ジョ アン・ラポルタ氏と契約書にサインを交わした。
さらにバルセロナ愛は留まることを知らず、2012年にアマチュアのサッカークラブを立ち上げた。
それが、アルビレックス新潟バルセロナだ。
カテゴリはカタルーニャ州4部リーグ。リーガ・エスパニョーラから数えると最下部の8部リーグとなる。
ちなみに、このリーグには約360チームが参戦している。 「世界で堂々と戦う若い日本人の育成」を掲げて立ち上げたこのクラブは、スペイン人と日本から留学で渡った日本人の混成チーム。
変わったところといえば「プロサッカー選手になりたかったら来ないでください」というコンセプトか。
留学生たちは1日3時間みっちりと語学を学び、取材体験や講師陣からのセミ ナーでスポーツビジネスを広く知る。サッカーのトレーニングは週に3回のみ。そして、週末の公式戦を迎える。
プロサッカー選手を育てるのではなく、世界中のス ポーツ界で活躍する人材を育成するプログラムなのだ。
立ち上げて8シーズン目。アルビレックス新潟シンガポール、ミャンマー、そして 新潟本体にも人材が還元され始めている。
サッカーを通じて若者たちがどんどん世界に挑戦できる機会を作り続けたい。
是永 大輔 (これなが だいすけ)
株式会社アルビレックス新潟 代表取締役社長
日本大学芸術学部演劇学科卒業後、IT企業を経て、 2008年Albirex Singapore PTE LTD CEOに就 任。 黒字経営を続け、売上規模も50倍に拡大させた。 2019年1月、株式会社アルビレックス新潟代表取締 役社長に就任。シンガポール、ミャンマー、香港のア ルビレックス代表も兼任