「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに務めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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テレビニュースを観ていたら画面に映ったのは「インフルエンザ流行中!」の文字。まだ秋ですよ!? 今年の冬が怖いなぁ…なんて思ってたら、あの映画を思い出しました。新潟市で撮影された『感染列島』です。
この作品は、新型ウイルスが原因で起こる感染拡大の恐怖と闘う人々を描くパニック映画。監督は映画『64-ロクヨン』『ユダ』『フライングラビッツ』などを手掛けた瀬々敬久。主演には妻夫木聡と壇れい、共演は国仲涼子、佐藤浩市、池脇千鶴、藤竜也、爆笑問題の田中裕二、カンニング竹山といった豪華俳優陣が揃いました。
ストーリーの舞台は病院。救命救急医のもとに、新型インフルエンザに感染したと思われる急患が運び込まれてきたのだが、あらゆるワクチンや治療が効果を持たず患者は死亡。やがて医療スタッフにも感染が発覚し、病院はパニックに陥る…という内容です。
この作品の撮影は当時、話題となりました。何せ、撮影は3ヵ月にも及んだのですから。主なロケ地となった旧新潟市民病院は有名ですよね。本当、タイミングよく市民病院が移転となったので、建物が取り壊される前に丸々一棟貸切で利用できるということで決定しました。壁や内部は撮影のためにリフォームされましたが、建物自体が本物の病院なのでとてもリアルな雰囲気を撮ることができました。
患者や病院スタッフ役には多数のエキストラが参加しており、なんと総勢2,800人! しかも病院スタッフ役はほとんどが防護服だったので、エキストラは横に救急医役の妻夫木さんや佐藤浩市さんがいても全然気が付かなかったようです。
長期撮影ということは滞在期間も長くなる訳で、当時は、出演者の万代や古町での目撃情報が多数聞かれたものでした。そういえば、主役数名が万代のカラオケ店や居酒屋にいるという情報が拡散し、客が殺到したこともありましたね(笑)。撮影中びっくりしたのが、佐藤浩市さんが折々、みかづきの『イタリアン』を大量に差し入れに持ってきては出演者に振る舞っていたこと。出演者の間でイタリアンが一気に有名になりました。
この作品を観ると毎回、近い将来、この内容が現実になるんではないかと恐怖を感じます。けれど、最後には感動、そして涙が止まらない内容をなってます。これからの時期だからこそ(!?)、今回紹介した『感染列島』を観てみてください。
『感染列島』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
新潟市中央区(旧新潟市民病院)
●作品『感染列島』(2009年公開)
監督:瀬々敬久
出演:妻夫木聡/壇れい/佐藤浩市 ほか
販売元:東宝
価格:DVD3,800円+税 ほか