「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を１本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。

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●そもそも田中さんって？？
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典（たなかかつのり）さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに務めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。

田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。

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もうすぐ梅雨が開けて新潟にも暑い夏がやってきます（このコラムがアップされる頃は梅雨が開けてる！？）。今回はそんな暑い新潟で撮影された（2008年7月に撮影）、日本と韓国の合作映画『ノーボーイズ,ノークライ』をご紹介します。 物語は、密輸入という裏稼業で知り合った日本と韓国のふたりの青年が、孤独や絶望のなかで人間の温もりを知り、静かに絆を深め合う過程を描く人間ドラマです。

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■ストーリー

古いボートで海を渡り荷物を運ぶ韓国人のヒョングと、海岸で荷物を受け取る亨。ヒョングは親に捨てられた孤児、亨は家族について深い葛藤を抱えていた。ある日、いつも運ぶキムチの壺ではなく少女・チスを運ぶように依頼されたヒョングと亨は、失踪したチスの父親探しに巻き込まれてゆく…。

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脚本は、映画『ジョゼと虎と魚たち』をはじめ、繊細なストーリーを編み出す渡辺あやが担当。監督は韓国のキム・ヨンナム。そして、家族への複雑な感情をもつ青年に妻夫木聡、孤独だが純粋な運び屋役として韓国俳優のハ・ジョンウのふたりが主演を務めました。

この作品、県内各所で撮影が行なわれ、とにかく「新潟だ！」と分かるスポットが満載なのですが、実は物語の舞台は新潟ではないんです。設定は、山口県の日本海側にある長門市という場所。なぜ新潟になったのかというと、作品内に登場する韓国・釜山の港や集落のシーンをも日本で撮影しなければならなかったから。監督的に、新潟の港や集落の雰囲気が釜山と同じように見えたのだと思います。

そして新潟のロケ地ですが、万代シテイ、新潟県民会館、新潟市役所、ホテルオークラ新潟、新潟マリーナ、新潟市内の飲食店やドラッグストア、角田岬の雷岩、長岡市殿町や柏崎市笠島地区など…新潟の風景がてんこ盛り！　どこかで見たことのある風景がかなり登場します。県民の皆さんは出てくる場所だけで楽しめるんじゃないでしょうか！

ロケ地となった、絶景スポットでもある角田岬の雷岩は、釜山から密航してきた船を隠す場所として撮影されました。実はこの場所に決まるまで、結構大変だったんです。村上市から柏崎市までの海沿いをロケハンし、候補に上がった3ヵ所のなかから選ばれた場所なんです。荒々しい岩場となっており、密航した船を隠す場所としては雰囲気も含め完ペキです（笑）。

そして劇中には、カラオケ大会のシーンが登場するのですが、このシーンは万代シテイパークで撮影しました。ここでは地元の方がエキストラ参加しました。もちろん、カラオケ大会で熱唱する役はオーディションをして選ばれた方。審査員役もエキストラ。皆さん、どんな演技をしているのか…そんなところにも注目して観てください。

『ノーボーイズ,ノークライ』を観たい方はDVDで！

●新潟ロケ地
新潟市内各所（万代シテイ、角田岬、新潟県民会館）、
長岡市、柏崎市 ほか

●作品『ノーボーイズ,ノークライ』（2009年公開）
監督：キム・ヨンナム
出演：妻夫木聡／ハ・ジョンウ／貫地谷しおり ほか
販売元：メディアファクトリー
価格：DVD4,935円 ほか