「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに務めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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まだまだ暑い日がありますが、暦のうえでは秋。すると訪れる「読書の秋」。今回はそんな季節だからこそ観てほしい! そして、観たあとにぜひ行ってほしいロケ地が登場する作品をご紹介します。
『図書館戦争』と、シリーズ2作目『図書館戦争 THE LAST MISSION 』です。
有川浩の小説を基に、岡田准一と榮倉奈々が、本を読む自由を守る自衛組織の隊員に扮するSFアクション。国によるメディア検閲がある架空の社会を舞台に、図書隊の新人女性隊員が仲間たちに助けられながら、本を読む自由を守るために戦っていくという物語です。
タイトルにもあるように舞台は図書館。ロケが行なわれたのは監督が全国から選んだ、山梨県立図書館、水戸市立西部図書館、北九州市立中央図書館、武蔵野第一図書館、そして十日町市にある十日町情報館の5つの図書館です。
しかも十日町情報館は、この映画のなかでは重要な場所となる、自衛組織の本部に使われたんですね。行ったことがある人はお分かりかと思いますが、らせん状のデザインで本棚が配置された、モダンでシンプルなデザインの図書館で、この形状が監督の目に留まったんです。監督に選ばれただけあって、とても素敵な施設なので、ぜひ行ってみてください。
そして2作品とも民間のフィルムコミッション「十日町市ロケ応援団」が強力に支援をしてくれました。食事も、おいしいコシヒカリを食べてもらいたいと、早朝から特製カレーや地元の食材を使った料理を振る舞っていただきました。今でも当時の撮影スタッフからは「新潟で食べたご飯がとてもおいしかった!」とよく聞きます。その後、この作品に携わったスタッフは『ミュージアム』『チア☆ダン』とリピートして新潟ロケに訪れました。
実は2作目の『図書館戦争 THE LAST MISSION 』では、県内にある素敵な施設をロケハンに案内したのですが、残念なことに採用されませんでした。今でもそのことがとても悔しくてたまりません…。全国のフィルムコミッションは、「ぜひ我が県で撮影を!」という思いから、皆、ロケ地候補を必死で探します。だから選ばれた時は、仕事冥利に尽きるんです。
そうそう、公開に合わせて十日町情報館には、映画で使用した衣装を展示。数万人のファンが訪れたらしい。岡田准一効果、恐るべし…。
『図書館戦争』『図書館戦争 THE LAST MISSION』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
十日町市・十日町情報館
●作品
『図書館戦争』(2013年公開)
『図書館戦争 THE LAST MISSION』(2015年公開)
監督:佐藤信介
出演:岡田准一/榮倉奈々/田中圭 ほか
販売元:角川書店
価格:DVD3,200円+税 ほか