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【取材レポート】村上発/植樹・育樹・活樹が育む、未来へつなぐふるさとづくり

  • 情報掲載日:2024.05.29
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

特色のある緑の公園を造る会主催による第22回『活樹を通じ、自然を学ぶ日』が、5月11日(土)に村上市荒川地区にあるグリーンパークあらかわ総合運動公園で開催されました。

当日は村上市内の小学6年生をはじめ、山北緑の少年団、朝日緑の少年団、関川村緑の少年団ほか数多くの人々が参加しました。

活樹を通じて自然を学び、環境保全とふるさと意識の高揚を図ることを目的として開催されたこのイベント。当日の様子や主催者の思いなどについてお伝えします。

はじまりは27年前。「特色のある緑の公園を造る会」とは?

1996年、県内の植物の特性をいかした公園を造ることを目的に、「サマーフェスティバル in 荒川実行委員会」が設立されました。その翌年から緑化活動を実施し、回を重ねるごとに参加者や植樹本数が増加していきました。

そして「にいがた緑の百年物語県民運動」がスタートした2001年、「特色のある緑の公園を造る会」に改名。2003年には第一回の「植樹を通じ、自然を学ぶ日」をスタートし、毎年5月の第2土曜日に近隣の小学生や緑の少年団を主体とした植樹イベントを継続して開催しています。

昨年2023年までの延べ参加人数は約5,600人。植栽本数は5,681本。確実に緑が増え続けています。

特色のある緑の公園を造る会の取り組みは、植樹・育樹・活樹の3つに分かれます。

植樹」は県内の常緑樹や絶滅危惧種の種を村上に運び、 植樹する活動です。どの場所から運ばれてきたかを記録し、生態系を壊さず在来種をいかす活動をしています。

育樹」は地元の国道113号改良工事に伴い、やむを得ない理由で植え替えが必要となった樹木を村上に運び、育てる活動です。すでにある樹木を育てることも活動のひとつです。

そして「活樹」は木を大きく育てるために枝打ちをしたり、切った枝や間伐した木材を使って、工作やシイタケ栽培(駒打ち)に活用したりする活動です。子どもたちが木を使って遊ぶことが、樹木を守ることに繋がっています。

イベントレポート|地元の子どもたちが元気に体験!

今年のイベントでは植栽後長い年月が経過した木の活用として、シイタケの駒打ちが行なわれたほか、勉強会『葉で分かる木の名前を覚えましょう』と、植栽体験という3つのプログラムが行なわれました。

参加した約110人の小学生たちは、経験豊かな有識者の話に耳を傾け、森の中を歩きながら自分たちで考え、判断し、行動していました。

その表情は笑顔に溢れており、慣れない体験で迷いながらもとても楽しそうでした。

【参加した小学生たちにインタビュー】

「体験したことがないことをやれて楽しかったです。大人になっても環境によい町になってほしいです」(保内小学校6年2組 小田さん・上写真左)

「育樹をしたり、シイタケの駒打ちをしたり、楽しかったです。自然豊かな町になっていってほしいと思いました」(保内小学校6年2組 山田さん・上写真右)

「今回の体験では駒打ちや植林の大切さを学びました。ドングリの木の見分け方が分かって、とてもいい体験になりました」(山北緑の少年団 6年生 小田さん・上写真左)

「シイタケの育て方や、木や葉っぱの種類が学べて楽しかったです。緑豊かな町で、みんなが自然を大切にするようになってほしいと思いました」(山北緑の少年団 6年生 渡辺さん・上写真右)

20年にわたり「植樹、育樹、活樹を通じ、自然を学ぶ日」が今へつなぐ思い

20年にわたって形を変えながら続いてきたこのイベント。イベントを主催する人に活動に対する思いを聞きました。

特色のある緑の公園を造る会 会長 佐藤巧さん

Q.この会の活動への思いについて教えてくたざい。

A.この地区は国道113号がある交通の主要エリアです。約27年前に、この地域に公園を造るという計画が持ち上がりました。当初は、山を削った場所に都市部から運んだ木を植える計画がありましたが、生態系を尊重し、もともとこの地にあった木を植えて森を造ることにしました。さらに県内各地で絶滅危惧種があれば、この地に持ってきて育てることもできます。もし、もとの地域で木がなくなっても、ここから種子を戻せます。いわば遺伝子保存「ジーンバンク」の考え方です。

特色のある緑の公園を造る会 会長 佐藤巧さん
特色のある緑の公園を造る会 会長 佐藤巧さん

Q.今後のビジョンを教えてください。

A.これから10年かけて里山づくりをしたいと思っています。田んぼや畑をよくするためには山が必要で、切っても切れない関係です。江戸時代にタイムスリップしたような里山にしていきたいですね(笑)。たくさんの子どもたちがこの地でワイワイ遊び、汗が落ちることで森が育っていきます。木々が喜ぶと思うんです。また、子どもだけでなく、大人たちにとっても勉強の場として活用してほしいですね。そして、ここで遊ぶなかで、木や植物、山の大切さに気づき、興味を持ってくれる子が少しでも増えるとありがたいですね。

一方、この活動を支援する「にいがた緑の百年物語 緑化推進委員会」は、どのような感想を持っているのでしょうか。

理事 小林猛さん
にいがた緑の百年物語 緑化推進委員会 理事 小林猛さん(写真右)
にいがた緑の百年物語 緑化推進委員会 理事 小林猛さん(写真右)

Q.特色のある緑の公園を造る会の活動について感想をお聞かせください。

A.今年で28年目となりますが、多くの方々に関わっていただき大変うれしく思っております。植樹・育樹・活樹というコンセプトやジーンバンク構想など、独自の特色を持っていらっしゃいます。地域に豊かさをもたらす活動をありがたく思っています。

Q.他の地域にもこのような活動が広まっていくとよいですね。

A.県内は雪が多い地域や、海の近くで潮風が多い地域など、それぞれの特性があります。それをいかして地域の皆さまで、さまざまな形で取り組んでいただけたらと思います。今回の活動をヒントに、志ある方にぜひ参加していただければありがたいですね。

村上から県内各地へ、この活動への共感が広がっていけば、もっと緑の多い住みやすいまちになることでしょう。

にいがた緑の百年物語緑化推進委員会では、「緑の遺産づくり~22世紀への贈り物」をテーマに、21世紀の100年をかけて木を植え、守り育てる活動を推進しています。

DATA

公益社団法人 にいがた緑の百年物語緑化推進委員会
住所
新潟市中央区新光町7-2 新潟県商工会館5F
電話番号
025-290-8055
リンク
にいがた緑の百年物語緑化推進委員会ホームページ

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