12月4日(水)~10日(火)の「人権週間」に向けて、あなたの周りで起きている人権問題を考えてみませんか?
近年、いじめや虐待、貧困の問題など、こどもを取り巻く状況は深刻になっています。
また、子育ての負担感や孤立感により、こどもを育てることに対する不安等も増大しているのだとか。
誰もが安心してこどもを生み、子育てに喜びを感じ、こどもの笑顔があふれる社会を実現するため、社会全体でこどもを支えることが大切です。
「こどもの権利」について、新潟県ゲートキーパー協会理事長の長谷川淳子さんと、チャイルドラインにいがた代表の寺島幸優さんに、新潟市出身で一児のママ・清崎紅美子さんが聞きました。
こどもには人間らしく幸せに生きる権利がある
清崎・まず、「こどもの権利」について教えてください。
寺島・1989年に、こどもの基本的人権を国際的に保障する「子どもの権利条約」が国連総会で採択され、日本は1994年に批准しました。
こどもには、守られる権利、教育を受ける権利、健康に育つ権利、自分の意見を言う権利など、人間らしく幸せに生きるための権利があるという内容です。
清崎・昨今、その権利が守られていないのではと感じるような問題が起きているようですね?
長谷川・例えば、園や学校での一見楽しそうに見えるこども同士のやりとりの中にも、「いじり」や「からかい」などがあり、傷ついているこどもは少なくないと思います。
また、こどもに関わる大人の声がけやアドバイスが意図せず伝わって、きつく感じてしまうこどももいます。
寺島・大人が知らず知らずのうちに、こどもの権利を侵害している行為は意外に多いように感じます。
こどもの話を丁寧に聞くことが大切
清崎・こどもの権利を守るために、私たち大人には何ができるのでしょうか?
長谷川・やはり、こどもの話を丁寧に聞くこと。
自分の価値観は脇に置いて、こどもの話をそのまま聞くことが大切です。
こどもは胸の内を明かすことで気持ちが落ち着き、わかってもらえたと安心を感じることが大切ではないかと思います。そして、その先は、大人も一緒に悩み考えていけばいいと思います。
大人は、その子自身が進む道を見つけた時に、アドバイスや情報を提供してあげればよいのです。
寺島・こども自身も学校教育の中で人権について学んでいます。
案外、大人の方が知らないかもしれません。
ですから、こういう機会に改めて「何がこどもの人権なのか?」と学んでみることが大事だと思います。
「自分のこと」として人権を考えるきっかけに
清崎・そんななか、今年4月に「新潟県こども条例」ができたと聞きました。私、全然知らなかったんです。
長谷川・施行されたばかりで、まだまだ認知度は高くありませんが、細かい部分まで非常に分かりやすくまとまっている内容だと感じました。
こどもも大人も、「自分のこと」として人権について考えるきっかけになればよいと思います。
多方面で、こどもたちを健やかに育てていく環境づくりが広がっていくことにも期待しています。
寺島・「新潟県こども条例」をきちんと運用していくことは、県民ひとりひとりの役割ではないでしょうか。
まずは、こどもの人権とは何かを「大人が知っている」ということが重要なのだと思います。
DATA
- 問い合わせ先
- 新潟県 福祉保健部 福祉保健総務課 人権啓発室
- 問い合わせ先
電話番号 - 025-280-5181
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