料理屋の次男として生まれた時から料理の道に進むことは決まっていたようなものの、高校を卒業していきなり、あの名料亭・大阪吉兆に修業に出されるとは思ってもみなかったと話す佐藤さん。
「家から追い出されたような思いでした。同期入社は40人。無我夢中で過ごした4年後、同期は誰もいなくなってました(笑)」と当時を振り返る。
大阪では寮生活。6時に起き、庭と店の掃除、鍋釜洗い。営業中は邪魔にならないように片付け。夜は10時に営業が終わり、それから次の日の準備をする日々。3年目から後輩ができるも、自分は1分でも長く先輩から教わりたいと、後輩の面倒は見なかったという。
「とにかく必死でした。そのうち料理長の下で煮物を勉強。5年目からは近くの支店に配属され、最後は昼のミニコースの献立を任されるまでになりました」。
今でも基本になっている教えは「気を使いなさい」。
先を読んで準備すること。
身近なメンバーが何をしてほしいか分からなければ、お客さんの気持ちなんて到底分かるはずもないということだ。
吉兆での8年の修業を終え、きふねに戻ったのは26歳の時。
改革のスタートだ。
品数を絞り、自信のある料理で勝負する。次に手がけたのはきふねの看板料理を作ること。
まずは常連客にいろいろ教わりながら『とらふぐ料理』を完成させる。
36歳の時、今や看板料理となったウナギと出会う。
「試行錯誤でした。備長炭で焼くようになってからうまさが格段に違うように思います。ぜひ食べてみてください」。
今は吉兆で学んだことを柱に、バージョンアップした料理を自信を持って提供できていることが一番うれしいと話を締めてくれた。
Information
日本料理きふね
- 住所
- 加茂市穀町10-4
- 電話番号
- 0256-52-2340
- 営業時間
- 11:00~LO14:00/17:00~LO21:00
- 休み
- 金
- 席数
- 60
- 料金
- 客単価:昼1,500円、夜2,300円
- 駐車場
- 共有
- リンク
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