前身となる越乃蔵酒造が誕生したのが1996年。越後伝衛門という名前になったのが2000年だから、まだ20年ほどという新しい蔵。甘みがあり軽やかでキレのある日本酒を追求。ここ数年では各種の日本酒コンテストでの受賞が増え、試飲即売会やイベント等で飲んだ人たちからの評価も高まり注目を集めています。
越後伝衛門の大きな特徴となっているのが、酒米ではなくコシヒカリやこしいぶきなど飯米を使用した酒造りです。
通常、日本酒は山田錦や五百万石などの酒造りに向いた酒米(酒造好適米)が用いられます。ですが、越後伝衛門ではコシヒカリやこしいぶきなど、食事用に炊いて食べるお米(飯米)での日本酒造りも行なっているのです。こちらは県内産コシヒカリを使った『純米吟醸酒 新潟自然農場』。
また、越後伝衛門はここ数年間は日本酒の各種コンテストで高い評価を獲得。
「全国燗酒コンテスト」では2016年から、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」では2017年から、どちらも毎年連続して金賞以上を受賞。特に2017年の「全国燗酒コンテスト」ではプレミアム燗酒部門で『純米大吟醸[文]』と『純米吟醸 伝衛門』が最高金賞を獲得。受賞率わずか4%台のなかでの受賞でした!
そんな越後伝衛門の酒造りの最前線に立つのが杜氏の尾﨑雅博さんです。
東京都出身で中学時代にお米と水からお酒ができることを知り日本酒というものに興味を持ったのがそもそもの始まりでした。高校卒業後、新潟に移住し越後伝衛門で働き始めました。
「最初はフォークリフトに乗って出荷作業からでした。その後、少しずつ酒造りの作業を教わりました。前の杜氏が辞めて2009年から私が杜氏を務めています。そういう意味では今の越後伝衛門の味はわたしが作ったものですし、評価されるのはうれしいことです。“越後伝衛門の味”を守るため試行錯誤しながらやれるのが酒造りのおもしろさです。今の酒質をさらに磨き上げていきたいですし、蔵で働くみんなのチームワークを大事にしながらうまい酒を造っていきたいです」。