村上では三面川を遡上する鮭を「魚の中の魚」と言い切るほど、古くから鮭と密着した生活を送ってきた。
軒下に吊るされた塩引き鮭の写真は新潟県の観光パンフのメインを飾る“新潟らしさ”の代表と言えるかもしれない。
そんな「三面川の鮭」をもとに多くの鮭料理や特産品を生み出してきた村上。しかし、鮭から甘いものをイメージするのが難しいのか、村上には鮭を素材や題材に作った銘菓はほぼない。
そんななか、永井松栄堂が販売しているのがズバリ、『三面川鮭もなか』だ。
もちろん、鮭は使っていないが、もなかの皮がリアルな鮭の型でできている。
中のあんこは自家製の2 種類。
雌魚(メナ)には小倉あん。
雄魚(カナ)には村上の抹茶入り挽茶あんが入っている。
三代目の永井昭栄さんに誕生秘話を伺った。
「発案者は銀行マンだった叔父なんです。村上と言えば鮭。それをこんなふうに…と二代目の父に伝え具現化し昭和40年に販売を始めたんです。随分苦労して作ったのに…」と口が重くなった。
何と、販売から20年ほどは看板商品にはほど遠かったという。
「洋菓子全盛期でしたから。もなかそのものが地味な菓子ですからね。でも、逆にここ10年、特に売れるようになりました。和菓子の再評価や村上らしい鮭の型、販売当時から何も変えていない素朴なあんの味などが評価されているのかもしれません」。
Information
永井松栄堂(ながいしょうえいどう)
- 住所
- 村上市上町1-34
- 電話番号
- 0254-52-2268
- 営業時間
- 7:00~18:30
- 休み
- 無休
- 駐車場
- 3台