NST「スマイルスタジアム」が毎月第4土曜に放送している人気コーナー『とれたて! えいっとレシピ』。
料理家・村山瑛子先生と番組アナウンサーが地元農産物の生産者とそこに携わる人々を訪ね、食材のみならず、人と人との絆を通して“新潟のおいしい”を作り出す、その奥にあるストーリーまで紹介します。
さて、夏の食材といえば、その代表格といえるのがモロヘイヤ。
独特なぬめりが特徴で、食物繊維やカロチン、ビタミンBなど栄養満点! 絶世の美女・クレオパトラが愛したといわれているほどの食材ですからね。
しかし、料理のレパートリーが少なく困ったことはありませんか?
今回、村山先生がモロヘイヤを使った『ソーミンチャンプルー』を作ります! 後半のレシピは必見ですよ!
まず、村山先生と飛田アナが向かったのは新潟市秋葉区。磐越道新津インターすぐ近くにある『ベジらンドにいつ』です。
ここでJA新津さつき 営農経済部 営農企画課の小宮山さんと合流しました。
『ベジらンドにいつ』はJA新津さつき最大の直売所で、野菜や果物など品揃え豊富!
花の町・秋葉区だけあって、きれいな切り花もたくさん販売していました。
今回は、小宮山さんがおいしいモロヘイヤを作っている生産者さんを紹介してくれます。
…とその前に、ここで今回のレシピに使う食材を購入。
バナナ、そうめん、ココナッツミルク…う〜む。何を作るのだろう?…と、その途中、小宮山さんが突然プッシュしたのが「もち麦」。
健康ブームやダイエットブームで話題になっているもち麦ですが、実は秋葉区も産地なんです。
「輸入品が多く、国産品はまだ少ないんです。ぜひ今回、秋葉区のおいしいもち麦を使ったレシピも作ってほしいです!」と、地元への熱い想いを抱く小宮山さんが村山先生に熱烈アピール。
「え〜!?」という感じで最初は戸惑っていた村山先生も、その熱意に「難しいですけど…やってみます。大丈夫です!」と返答。
モロヘイヤともち麦、秋葉区の二つの名産がどんな料理になるのか楽しみですね。
モロヘイヤ生産農家を訪問。今回も生で試食!?
『ベジらンドにいつ』からクルマで約10分。
おじゃましたのはモロヘイヤ生産者・森林さんのビニールハウス。小宮山さんと4人でハウスの中へ。
そういえばモロヘイヤってそもそもどんな野菜なんだろう。実は詳しく知らない人も多いのでは?
森林さん・「モロヘイヤはエジプトを中心とする地域で栽培された栄養価の高い野菜です」
見た目はかわいらしいですが、温度が低くなると花が咲いて実がついてしまうモロヘイヤ。
種は体に良くないので収穫時期に注意を払わないといけないそうです。皆さん知ってました?
村山先生・「以前、収穫したことがありますが、もっと大きくてワサっとしたイメージがあったんですけど…」
森林さん「それは露地で栽培されたものですかね。そういうものは茎が固くなってしまいます。でもハウスで育てたモロヘイヤは茎もシャキシャキとして食べやすいですよ」
…という流れになれば、恒例の試食タイム。でもモロヘイヤって生で食べられるの?
そこは番組のためなら体を張る二人。恐る恐る茎の部分を口の中へ。
飛田アナ・「…キュウリみたいな感じですね」
村山先生・「緑の香りがすごい。なんか…庭で遊んだあとの手の匂いというか(笑)」
生で堪能したところで、森林さんのモロヘイヤの特徴を訪ねてみました。
森山さん・「いろんな食べ方ができることですね。味噌汁に入れたり、ラーメンに入れたり、疲れているときは冷やしたモロヘイヤにポン酢を入れてご飯にかけたりね」
小宮山さん・「叩いてタッパに入れて常備菜として保存しておけばいろいろ使えます。凍らせてもいいですよ」
葉もの野菜で冷凍できるのは珍しく、そんな扱いやすさもモロヘイヤの特徴なんですね。
ちなみにスーパーや直売所で買うときのコツは、まずは新鮮さ。そして茎が太い方が葉にしっかりぬめりが届いて良いそうです。
飛田アナ・「ところで数ある農作物のなかから、森林さんはどうしてモロヘイヤを選んだんですか?」
森林さん・「ここは本来、育苗に使っていたハウスなんですが、それが終わったらモロヘイヤ、そのあとに春菊と続けることで、1年を通してハウスを無駄なく使うことができるんです。これは農協さんからアドバイスしてもらったことなんですよ」
ちなみに森林さんは農業をはじめて約8年。あれ!? 意外に短い…と思ったら、実は森林さんの前職はJAの職員さん。共済・金融のアドバイザーをしていたが、早期退職してこの道に進んだそうです。
営業から農業へ。それこそ“畑違い”だが、実は森林さんのお父さんが農業を営んでいたこともあり、いずれは農業をやりたいという意識があったという。
一度の収穫でたくさんの量が採れるわけではなく、細かい手作業が多いモロヘイヤ。夏場のハウス内は40〜50℃になるので朝7時までに作業を終わらすなど苦労も多い。
灌水チューブを入れたり水を吸いやすくするなど緻密な管理のおかげで、みずみずしくシャキシャキとしたモロヘイヤができるそうです。
さらに農薬も苦労する点のひとつ。
森川さん・「認定している農薬が非常に少ないんです。モロヘイヤは消費量がまだ少ないため生産量も少ない。ということは農薬をつくる業者さんも採算を考えると作りづらいんです」
モロヘイヤを使った料理はレパートリーが少ないですよね。もっといろいろあれば消費量が増えるかもしれません。
となれば村山先生の出番です!
その後、収穫体験をしてモロヘイヤにたっぷり触れた二人は、いよいよレシピ作りへ。
モロヘイヤともち麦が夏にぴったりなレシピに
そしてついにレシピを発表!
村山先生・「今回は『モロヘイヤのソーミンチャンプルー』と『もち麦のココナッツぜんざい』の2品を作ります!」
南国ムードたっぷりのレシピ。 森林さんが生産する葉も茎もおいしいモロヘイヤをいかした料理ができそうですね。
一方、もち麦は意外や意外、なんとスイーツに!
詳しいレシピはこちら!
モロヘイヤのソーミンチャンプルー
●材料(2人分)
モロヘイヤ…120g
たまご…1個
豚バラ肉…100g
そうめん…2束
サラダ油…大さじ1
紅ショウガ…適量
鰹節…4g
一味唐辛子…お好みで適量
醤油(A)…大さじ1/2
みりん(A)…大さじ1
酒(A)…大さじ1
だし汁(A)…50ml(顆粒だし小さじ1/4)
ごま油…小さじ2
塩・黒コショウ…適量
●作り方
(1)モロヘイヤは葉と茎にわけて、茎は3センチ幅・葉は刻む。豚肉は2センチ幅に切る。(A)を混ぜて、卵は溶いておく。
(2)そうめんを茹でる。表示時間の半分の時間で水にあげ、しっかりと水気を切り油をからめておく。
(3)フライパンにごま油を熱し、豚肉・モロヘイヤの茎を入れて炒める。モロヘイヤの葉も加えてさっと炒めたら、フライパンの奥に具をよせて手前で卵を炒める。
(4)卵に半分火が通ったら、全体を炒め合わせてしっかりめに塩・胡椒をして、だし汁を入れて(A)を入れる。沸々してとろっとしたらそうめんを入れて炒め、最後に鰹節を混ぜ合わせる。器に盛って、紅ショウガを添え、好みで一味唐辛子をかける。
モロヘイヤとそうめんは相性ぴったり!
互いの個性を引き立て合った一品ができあがりました。
もち麦のココナッツぜんざい
●材料(4〜6人分)
もち麦…大さじ3(水に20分つけてザルにあげておく)
ココナッツミルク…100ml
砂糖…大さじ5〜6
牛乳…300ml(生クリーム大さじ1を足すとよりおいしい)
バナナ…1本
茹で小豆・栗の甘露煮…お好みで
塩…1つまみ
●作り方
(1)鍋にもち麦・牛乳・砂糖を入れて10分煮る。
(2)バナナを手でちぎって加え、1分煮る。
(3)ココナッツミルク・塩を加えて冷やす。
(4)器に盛って小豆・栗の甘露煮をのせる。
完成品をスプーンでひと口試食した飛田アナ。「うわっ! クリーミー! もち麦の食感がぷちんぷちん。おいしい!」と大絶賛。
健康食材のもち麦をスイーツに! とってもカンタンなので、夏休みの子どものおやつにもオススメですね。
ちなみに余ったココナッツミルクは、牛乳と砂糖と合わせてチャックつきの袋に入れて冷凍室へ。揉んで食べればシャーベットになるそうです。
夏にぴったりのモロヘイヤレシピを試食。沈黙のあとの反応は!?
さて、再び森林さんと小宮山さんにご登場いただき試食タイムです。
飛田アナ・「では先生! メインからお願いします!」
村山先生・「はい! 『モロヘイヤのソーミンチャンプルー』です」
森林さん・「・・・。」
小宮山さん・「・・・。」
見慣れた食材が、見慣れない料理になってびっくりしたお二人は、思わず沈黙状態に。
そして静かに試食がスタート(笑) すると…
森林さん・「これは今まで感じたことがない食べごたえです。抜群ですね! 晩酌が進みそうです(笑)」
小宮山さん・「まさかモロヘイヤを炒めるとは思わなかったです。こういう食べ方もあるんですね」
好反応にひと安心の村山先生。
その後、「肉に和えながら食べるなんて考えてもいなかったです。コショウが利いていて豚肉の臭みやモロヘイヤの青臭さも消えていますね」と見事な食レポを行なう森林さん。
とろとろの葉とシャキシャキの茎が一段とおいしさを引き立てているソーミンチャンプルー。
村山先生・「ゴーヤはクセが強過ぎて…という方はモロヘイヤで作ってみるといいですよ」とのこと。
続きまして『もち麦のココナッツぜんざい』。
森林さん・「・・・。」
小宮山さん・「・・・。」
再び沈黙…。わずか2〜3秒だがとても長く感じます。そして…。
森林さん・「これは子どもたちが喜びそう! まったく新しい感覚ですね」
小宮山さん・「まさかもち麦がデザートになるとは! おいしいです」とプッシュした張本人も大満足の様子。
もち麦の新しい食べ方を披露した村山先生! さすがです。
さて、最後に今回登場していただいた森林さんと小宮山さんに、お互いがどんな存在なのか聞いてみました。
森林さん・「小宮山さんは良きアドバイザーですね。私が気づかないことを気づかせてくれたり非常に助かります。ひとりの目よりみんなの目。農薬や肥料のことなど、常に新しい情報を教えてもらわないと、これからの時代はやっていけないと思いますから」
小宮山さん・「森林さんのように生産者あっての私たちです。作っていただいた良質な作物をしっかり販売させていただくという重圧がありますが、精一杯頑張っていきたいと思います」
生産者の高齢化など課題はあるけれど、私たちがモロヘイヤをたくさん消費することで、生産者が増えるきっかけになるかもしれませんね。
いよいよ本格的な夏到来! モロヘイヤで夏バテ対策してみてはいかがですか?
※次回の「とれたて! えいっとレシピ“くらしに笑顔を、食卓に新潟の恵みを”」は7月27日(土)放送予定。
注目情報【「季節の野菜詰め合わせ」のプレゼントもあり!】
●JA新津さつきより「季節の野菜詰め合わせ」のプレゼントがあります! モロヘイヤともち麦も入ってますよ。詳しくは下記「スマイルスタジアム」WEBサイトのプレゼントページへ。
●新潟県産の食材をメインにグリル料理とスイーツが楽しめる「カフェ&グリルみのりみのる」では、『新潟県産モロヘイヤとキノコのおひたし』(480円)を提供します。
モロヘイヤはアラビア語で「王様だけのもの」という意味があるほど、栄養価と風味に優れた野菜です。
新潟キノコと合わせてだしを利かせたおひたしに。夏バテ予防にも最適! さっぱりと楽しめますよ。
7月2日(火)~7月26日(金)まで提供。
カフェ&グリル みのりみのる
新潟県新潟市中央区天神1-12-7 LEXN(レクスン)2ビル・1F
tel.025-256-8845
営業時間11:00〜23:00
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