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公演目前!Noism Company Niigata2024冬・新作公演「円環」製作記者発表に行ってきました

  • 情報掲載日:2024.11.26
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

2024年に創立20周年を迎えた、りゅーとぴあ専属舞踊団・Noism Company Niigata。
6月に20周年記念公演として「Amomentof」を上演しましたが、これに続く公演として、プロフェッショナル選抜カンパニーNoism0とプロフェッショナルカンパニーNoism1による「円環」12月13日(金)から開催します。

「円環」はトリプルビル(3本立て公演)。
Noism芸術総監督・金森穣の演出振付によるNoism0新作『Suspended Gardenー宙吊りの庭』、ダンスカンパニー・コンドルズを主宰する近藤良平の演出振付によるNoism1新作『にんげんしかく』、そしてNoismレパートリー『過ぎゆく時の中で』が上演されます。

公演を前に行なわれた、金森穣、近藤良平、そしてNoism国際活動部門芸術監督・井関佐和子の3名による製作記者発表の模様をお届けします。

井関佐和子Noism Company Niigata 国際活動部門芸術監督
井関佐和子Noism Company Niigata 国際活動部門芸術監督

井関監督は、今回の公演の企画の意図と経緯を「20周年にふさわしいプログラムにしたいと思い、ゲストをお呼びしてのトリプルビルにしました」と説明。

まずはNoism1新作『にんげんしかく』について。
演出振付を手掛ける近藤氏がNoismと関わるのは、2005年『犬的人生』以来19年ぶり!
19年の時を経てNoismとの邂逅を果たした作品ーーまさに「円環」です。
「良平さんに振り付けていただきたいと思った理由は、1メンバーのことを考えてのこと。メンバーに自分自身と向き合う時間を与えてくれるのではないかと思い、依頼をしました。スタジオでのクリエーションの様子を覗いてみると、みんな楽しそうに笑っているんですけど、そのなかに彼らの恥ずかしさだったり、やったことのないことへの不安が見えて、感情の旅をしているのが分かり、彼らにとって有意義な時間を過ごしているなと思えました。身体的にはもちろんのこと、心の部分で良平さんと旅をしてもらいたいです」。

続いては自身も出演するNoism0新作『Suspended Gardenー宙吊りの庭』
Noism元メンバー宮河愛一郎中川賢がゲスト出演することでも話題です(こちらも「円環」)!
彼らは井関氏いわく「戦友」。ゲスト舞踊家として招くことを決めたのは井関氏で、演出振付を手掛ける金森氏に、「ふたりを呼ぶから作品を作ってほしい」と依頼をしたとか。
「4人(もうひとりはNoism0・山田勇気)とも40代。この年代になると、若手の育成もすごく大事なんですけど、それは本人たちが舞台に生き、今までの人生を舞台で見せる、そういう本質的な時間があってこそだと思うんです。日本の舞踊界で40代以上の人たちはこれからもますます活動的になっていければいいなという気持ちも多くあります」。
すでにクリエーションはスタート。久々にともに踊った感想を聞くと、
「もう十何年ぶりに相手に触れるわけです。触れるという行為は普段そこまでしない。舞踊家なので若い人たちや穣さんに触れますけど、触れるということはとても繊細なものなんです。どう感じるのかが怖かったんですが、でも最初に触れた瞬間から、“あの時”と同じでした。信頼しているというのもあるんでしょうけど、変わらないものってあるんだなっていう。初めての感覚でした。これまでそういう人たちがいなかったからかもしれませんが、貴重な体験をしたなと思いました」と秘話を教えてくれました。

そしてNoismレパートリー『過ぎゆく時の中で』は、2021年に東京芸術劇場で開催された『サラダ音楽祭』で上演した作品の再演。
この作品にはNoism1メンバーと、Noism0から金森氏が出演します。
「リハーサルを見ていて、1メンバーのなかに(金森)穣さんがいるのがとても新鮮です。最終的に“円環”というタイトルに戻るんですが、時間が過ぎていくことと戻ってくることの重要性をすごく感じています」。

近藤氏らしさあふれる作品、円熟の舞踊家たちによる舞台、そして金森氏も出演するレパートリーと、実に見応えのある3作品!
企画した井関氏も「とても見応えのあるいいプログラムになっていると思います。ぜひ多くの人に見に来ていただきたいです」と話していました。

近藤良平。振付家・ダンサー。2022年より彩の国さいたま芸術劇場芸術監督を務める
近藤良平。振付家・ダンサー。2022年より彩の国さいたま芸術劇場芸術監督を務める

続いては近藤氏。
「2005年にNoismに振付をして、もう呼ばれないだろうなぁと思って過ごしていたんですけど(笑)、今回呼んでいただきました。円環というタイトルが付いてますけど、戻ってきた感じがします」。
今回の作品のタイトルは『にんげんしかく』
「昔Noismでも『SHIKAKU』という作品を作っていますけど、『にんげんしかく』は“人間史書く”ともいえるし、人間が四角の中に入っている、フレームの中にいるような、そういう感覚もありますし、言葉的な遊びもあり、このタイトルで作っています。僕自身が今年段ボールにハマっていまして。段ボールを使うし、段ボールを使うということは人の姿が見えないこともあるだろうし、段ボールをいろんなものに見たてます。おそらく不思議な、ちょっと珍しい作品になると思います」。

振付を行なっているNoism1のメンバーについては
「困ったくらいやる気のある人たち(笑)。体を費やすこと、ダンスに時間を費やすことにまじめに取り組むという作業を日々やっています。すごい踊れる人たちだし、取り込む能力が高い。Noismメンバーと時間をかけて作れるということに、今はたくさん刺激をもらっています」と、近藤氏らしいユニークな表現を交えて話してくれました。

金森穣Noism Company Niigata芸術総監督
金森穣Noism Company Niigata芸術総監督

金森氏は自身が演出振付を手掛ける2作品について言及。
まずは『過ぎゆく時の中で』
「2021年、コロナ禍に創作した作品です。創作の原点は、当時所属していた外国籍のメンバーがコロナがようやく少し開け始めた時に一斉に母国に帰ったこと。その時に、集団活動というものを標榜して集団で常日頃切磋琢磨していても、自分の人生を揺るがすようなことが起こった時には、集団ではなく個人を選ぶということを如実に突き付けられた現実があります。集団性というものがいかに幻想であるかということを理解したうえで、なお集団で活動することの意義とか、互いを信じることとか、互いに手を繋いで明日を見ることとか、そういうことの尊さを舞台芸術として表現したいと考えました」。
今回は、Noism1メンバーとともに金森氏も出演。
「Noism1メンバーと私がここまで踊るのは初めてじゃないかな。彼らの目を見て手を握って一緒に踊るということはなかったと思います。私自身とても楽しんでいますし、同時に井関も話していましたが、Noismとして若い世代の育成と同時に成熟した舞踊家の力を見せるという、その両輪を回していくために、50を迎えた舞踊家(=金森)だからこそ伝えられる非言語な何かが彼らにとってあるだろうということを期待しています」と語りました。

そして、Noism0新作『Suspended Gardenー宙吊りの庭』については
「井関、山田、宮河、中川の4人ほど、私を知る舞踊家はこの世界にいません。彼らが集まるのであればなにか、彼らとじゃなきゃ生まれない、生み出せないものを作りたいと、あえて考えすぎず、旧来の友人である作曲家トン・タッ・アン(Noism作品では『NINA-物質化する生贄』『PLAY 2 PLAY-干渉する次元』を手掛けた)に音楽制作を依頼しました。彼の音楽を聴きながら宮河、中川が新潟入りするまで(自身の思考を)泳がせておいて、実際に稽古場に入って彼らと時間を過ごすなかでバーッと作り始めたら、あっという間に作品ができちゃいまして」。
4週間のクリエーション期間をとっていたにも関わらず、なんと8日間で完成してしまったとか!
「私が信じる体の使い方、私の芸術性みたいなものを、教えたり与えたり彼らから引き出したりという前段階みたいなものをすっ飛ばして、すっとその瞬間に生まれるものに向き合えるからだろうなと、自分自身、ある種の感動を覚えています。残りの時間をかけて、6人で次なるレベルに作品を持って行きたいと思っています」。
タイトル「宙吊りの庭」が意味するもののひとつに「劇場」があるといいます。
「社会の日常的な出来事と隔絶された、近藤良平的に言えば段ボールの中。外界から閉ざされ、中が見えない、ただ守られているからこそ生み出せるものもあったり、時間も日常とはちょっと違うスパンで流れている。そういった、宙吊りにされたような庭に舞踊家たちが再び集い、別れていく、そういう作品になると思います」と話してくれました。

『Noism0 / Noism1「円環」 金森穣 近藤良平 Triple Bill』は、12月13日(金)~15(日)にりゅーとぴあ 劇場にて開催。
チケットは現在発売中です。

絶対絶対、お見逃しなく!!

DATA

Noism0 / Noism1「円環」 金森穣 近藤良平 Triple Bill
開催期間
12月13日(金)19:00~
12月14日(土)17:00~
12月15日(日)15:00~
会場名
りゅーとぴあ 劇場
会場住所
新潟市中央区一番堀通町3-2
料金
全席指定5,500円
U25 3,000円
高校生以下 1,000円
問い合わせ先
りゅーとぴあチケット専用ダイヤル
問い合わせ先
電話番号
025-224-5521
リンク
Noism0 / Noism1「円環」 金森穣 近藤良平 Triple Bill 特設サイト
備考

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