「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
新潟フィルムコミッション協議会 フィルムコミッションのアドバイザー。(2008年〜2017年9月はフィルムコミッション コーディネーターとして従事)
「映画で新潟を盛り上げよう!」という思いから、映画、テレビドラマ、CMなど、新潟県内においてのロケ撮影を誘致・支援する団体。実際のロケをスムーズに進めるためのサポート業務などを行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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もう2月になってしまいましたが…(笑)、あけましておめでとうございます。
今年も新潟ロケが行なわれた作品をたくさん紹介していきたいと思っております!
さて、今年一発目ですが、新潟でもロケが行なわれた作品で、2月1日(金)から全国公開されている『赤い雪 Red Snow 』をご紹介したいと思います。
実話を元にした、重厚で濃密なミステリー映画です。出演は、永瀬正敏、菜葉菜、井浦新、夏川結衣、 佐藤浩市、イモトアヤコなど、豪華な顔ぶれ。
ざっくりとしたストーリーは…
雪が降り続く小さな村でひとりの少年が忽然と姿を消した。失踪した少年と一緒にいた兄・一希の曖昧な記憶に警察の捜査は混乱。 そんななか、容疑者としてひとりの女が浮かび上がる。事件から30年後、事件記者の木立が一希と容疑者の娘・早百合を引き合わせたことをきっかけに、ふたりの運命が交錯していく…。
監督は本作が長編映画デビュー作となる甲斐さやか。出演者を見ていただくとお分かりかと思うが、新人監督のオリジナル脚本作品としては異例ともいうべき豪華俳優陣が集結したんです。
物語の内容はこの辺にしておいて、
早速、新潟でのロケの話しをさせて頂きます。
今回のロケ地オーダーは「海の前に小屋がある浜辺」でした。
山形県での撮影がある関係で県北を中心に探した結果、胎内市の桃崎浜に決定しました。桃崎浜では作品に出てくる漆工芸の塗師の作業風景や、 小屋前の海でのシーンが撮影されたんです。
この作品の設定は冬、けれど撮影は3月。まだ寒い時季ですが、さすがに新潟の3月ともなれば雪はなくなっていますよね…。映画を観ていただくと分かると思いますが、浜辺にはちゃんと大量の雪があるんです。どうしたかって?
なんと胎内市役所の方々がトラックで山から大量の雪を運び、浜辺に敷き詰めてくれたんです!そのおかげもあって厳しい冬の風景が再現できました。
そして今回のロケでは監督からもうひとつオーダーがあったんです。
それは「木船」です。
実は、この木船探しが難航したんです。 思った以上に時間がかかりました。新潟には川や池で使う木船はたくさんあったのですが、海で使う木船がどこにもない! 県内の各漁協に聞いても「今は木船を使っている人はいないよ」という返事ばかり。
そんななか、以前お世話になった村上市の元観光課長さんや、いわふね村上フィルムコミッションの大捜査のおかげで貴重な木船を見つけることができました。
それがコチラ!!
この木船、今も現役で漁に出ている木船だというからビックリです!
監督が大きさまでこだわったという、この木船。なぜそこまでして必要だったのか…その答えはぜひ劇場で!
現役漁師の木船主さんに厚かましくも現場での船の操作を頼み、船の運搬や水上撮影の補助などは新潟市にあるマリンショップ「ドッグマリン」さんにお願いをするなど、たくさんの人の協力により撮影が実現しました。
『赤い雪 Red Snow』を観たい方は劇場で!
●新潟ロケ地
胎内市(桃崎浜)、新潟市(佐渡汽船)
●作品『赤い雪 Red Snow』(R15+)
2019年2月1日(金)公開
監督:甲斐さやか
出演:永瀬正敏/菜葉菜/井浦新 ほか
配給:アークエンタテインメント
上映館:イオンシネマ新潟西