Noism Company Niigata(ノイズムカンパニーニイガタ)は、2004年に創立され、りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館を拠点に活動する、日本で唯一の公立劇場専属舞踊団です(本誌『古町通信』ではプロフェッショナルカンパニーNoism1のメンバーに毎月ご登場いただいています!)。
新潟市が定めたりゅーとぴあのレジデンシャル制度(芸文財団が実施主体となり、専属契約を締結したアーティストが新潟市に居住しながら、活動目標の実現に向けて、りゅーとぴあを拠点に年間を通して創造活動等を行い、創造された舞台芸術作品をりゅーとぴあ及び国内外において公演等を行うとともに、市民の文化芸術活動の振興に貢献する継続的な取り組みのこと)に基づき、金森穣さんが新たな制度の第1号として芸術監督に就任することが正式に決定しました。
今年9月、この制度のもとでのNoism Company Niigataの新シーズンがスタート。
これにあたり行なわれた記者会見にお邪魔してきました!
(ここまで長かったですね…ごめんなさい。)
会見には金森穣芸術総監督、井関佐和子国際活動部門芸術監督、山田勇気地域活動部門芸術監督をはじめ、Noism1、そして研修生カンパニーNoism2のメンバーも登壇。
新メンバーの顔もちらほら見えます!
まずは金森総監督が、この制度の詳細について改めて説明。
「これからは『国際活動部門』と『地域活動部門』それぞれに芸術監督がいる体制になります。これまで私が担ってきた内容を、私の芸術性や活動を理解しているふたりにお願いすることで、Noismの飛躍を期待したい。私は俯瞰では見ますが、今後はメンバーや上演プログラム、ツアーの日程調整、オファーに応えるか否か、そのオファーにどう参加していくかなどの裁量権をふたりに任せます。実際、今ステージの上にいるメンバーもふたりが選びました。新潟市が立ち上げたこの前例のない制度が成熟していけるかどうか、これから5年かけて(レジデンシャル芸術監督の任期は1期5年以内。2期10年が上限)、大きな視座でそれを導きたいと考えています」。
続いて、井関国際活動部門芸術監督にマイクが渡ります。
「実はまずこの(国際活動部門監督就任の)お話を断ったんです。(金森)穣さんを近くて見ていて、その任務の大変さを分かっているからこそ、引き継いでいけるのかという思いと、私自身踊ることがすべてなので、そこを削がれてしまうのではないかという不安があって…。でも日本の劇場文化があまりにも変わらないことに長年悲しい思いを抱いていたので、自分もそこに足を踏み入れ、それにより穣さんがこれまでより広い視野で全体を見ることができたら、状況が前進するのではと考え、お引き受けしました」と、就任までの意外なエピソードを明かしました。
「国際活動部門とはいえ、海外のみならず国内の活動も見ていきます。先般の鼓童ツアー(Noism×鼓童『鬼』公演)を通して、地方に行って踊ることの重要性を感じました。知名度のない場所で公演を行ない、その土地の人たちに足を運んでもらうことで、自分たちが信じている芸術を広めていきたいです。またメンバーの“内側の充実”も図っていきます。ひとりひとりが責任をもってNoismを発信できるように。初年度にはそこにも力をいれていきたいです」とビジョンを語りました。
続いては山田地域活動部門芸術監督。
地域活動部門芸術監督という肩書通り、「地域貢献活動を集中的に行なっていきます」と山田さん。
「具体的に、まずひとつは小学校でのアウトリーチ活動を増やすということ。多くの子どもたちにとっては初めて舞踊に触れる瞬間になるので、そこで舞踊の楽しさを伝えていきたいです。ふたつめはオープンクラス。これまで蓄積してきたNoismの身体値を市民に開き、経験してもらう。これにより鑑賞体験もより深くなります。最後はイベントへの参加。舞踊文化の盛り上げと普及のためにどんどん参加していきたいです」。
実際、この夏には海岸でのごみ拾いイベントに参加。
「一緒になにかできないか、まずはぜひ声をかけてみてほしい」と話していました。
そして山田さんといえば、長年リハーサル監督を務めてきた研修生カンパニーNoism2(昨シーズンより浅海侑加さんが務めています)。
「プロの舞踊家になりたいと全国から集まってきた若者たちが、自分自身と向き合い、技術のみならず心身ともに成長する場になればと思います。彼らは市民の皆さんに近い場所で活動しているので、ぜひ皆さんに応援してもらいたい! 地域に愛される集団になっていってもらいたいと考えています」とNoism2への愛も語ってくれました。
最後に、メンバーひとりひとりから新体制で迎える新シーズンへの決意をひとことずついただきました!
Noism1 井本星那さん
「全国各地に公演で足を運べること、普段練習できる環境があることに感謝しています。Noismの活動をもっと自分事にしていけるよう、自覚をもって日々臨んでいきたいです」
Noism1 三好綾音さん
「市民の皆様、りゅーとぴあに足を運んでくれる皆様に、質の高い舞台、芸術文化を届けられるよう精進していきたいと思います」
Noism1 中尾洸太さん
「舞踊を観たことのないお客様はぜひ1回観に来てください。そこから伝えられることがたくさんあると思います。僕らが精進することで高みを目指していきたいし、お客様に伝えられることを増やしていきたいです」
Noism1 庄島さくらさん
「先シーズンは1年目ということで、みんなと一緒にいいものを作れたらと思っていましたが、今年は自分の踊りをするというところに挑戦したいです。お客様と舞台の空気を共有できるような踊りができたらと思っています」
Noism1 庄島すみれさん
「Noismのことをもっと深く知りたいし、Noismのことをもっと伝えられるようなダンサーになりたいです。たくさんの方に公演を見に来てほしいなと思っています」
Noism1 坪田光さん
「責任とプライドを持って邁進していけるように努力します」
Noism1 樋浦 瞳さん
「新潟市西区の出身で、中学3年生の時に初めてNoismの舞台を観て、今ここにいます。舞踊を志す新潟市民にこういう道があること知ってほしいし、もっとNoismに興味を持ってもらえるように体を張っていきたいです」
Noism1 糸川祐希さん
「昨シーズンまでNoism2に所属していて、今シーズンからNoism1に所属することになりました。新潟市のりゅーとぴあという劇場で活動するNoism1というプロの舞踊家なのだという自覚をもって今シーズン頑張っていきたいと思います」
Noism1 準メンバー 横山ひかりさん
「準メンバーという立場なので、未熟な自分と向き合いながらではありますが、恵まれた環境で舞踊と向き合えることに感謝を忘れず、自分が信じる舞踊の力をひとりでも多くの人に舞台を通して届けたいです」
Noism2リハーサル監督/Nosim1 浅海侑加さん
「昨年に続きNoism2リハーサル監督を務めます。今までやってきたことをそのままやっていくのではなく、私自身試したいこともありますし、メンバーにもどんどんチャレンジしてもらえるよう一緒に活動していきたいです」
Noism2 兼述育見さん
「Noism2として、市民の方々にたくさん出会いたいですし、またひとりの舞踊家として心も体も成長できる一年にしたいです」
Noism2 土屋景衣子さん
「3年目になるので、これまでの2年で足りなかった部分を成長させていきたいですし、この環境で活動させてもらえていることに自覚と責任を持って精いっぱい頑張りたいです」
Noism2 渡部梨乃さん
「自分自身ともっと向き合って戦って、プロを目指して日々精進するのと同時に、もっと視野を広く、市民の皆さんと自分自身、2のみんなが繋がって、一回一回の公演でいいなと思ってもらえる舞踊を目指していきたいです」
Noism2 太田菜月さん
「昨年はメソッドに慣れるのに必死であたふたすることもあったので、今年はできなかったことをクリアできるように、また朝から晩まで素晴らしい環境のなかで練習させてもらえることに感謝しながら、ひとつでも多くのことを学べたらと思っています」
Noism2 河村アズリさん
「まだ新潟に来たばかりで分からないことだらけですが、恵まれた環境のなかで体と心を同時に強くできたらと思っています」
Noism2 佐藤萌子さん
「恵まれた環境のなかで、自分と向き合いながら、技術も精神も上を目指していきたいです」
Noism2 高田季歩さん
「まずは目の前にあることにひとつひとつ一生懸命取り組み、学んでいきたいです」
Noism2 村上莉瑚さん
「朝から晩まで恵まれた環境のなかでクラスとリハーサルができることが幸せです。ダンサーとして体の内部からお客さんに伝わるような表現ができたらと思っています」
※Noism1 杉野可林さんは欠席
この新生Noismのお披露目は来年1月の冬公演。
Noism0とNoism1の出演で、金森総監督演出振付による最新作を上演します。
またメンバーが講師となって指導を行なう『市民のためのオープンクラス』も毎月開催中です。
ぜひ今後のNoismにも注目していきましょう!