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歌人?書家?美術史学者?教育者? 文人・會津八一

會津八一と會津八一記念館

  • 情報掲載日:2025.12.08
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

新潟市初の名誉市民である會津八一(あいづやいち)と、その功績を後世に伝える施設・會津八一記念館を紹介します。

 


 

會津八一って
どんな人?

文人 會津八一

明治から昭和にかけてさまざまな分野で才能を発揮した、新潟市出身の「文人」會津八一は、類いまれな歌人であり、孤高の書家であり、優れた美術史学者であり、教育者でもありました。
各分野で作品や功績を残していて、『新潟日報』の題字や老舗菓子店・大阪屋の看板を書いたことで知られています。

八一が詠んだ短歌を石に刻んだ歌碑も各地にあり、県内では県立図書館や県立新潟高校など16ヵ所、県外にも奈良の法隆寺や東大寺など、30ヵ所以上に建てられています。

「秋艸道人」を名乗る

「八一」という名前は誕生日が8月1日だったことから付けられたといわれています。
八一は雅号(がごう。ペンネームのこと)を「秋艸道人(しゅうそうどうじん)」としていて、「秋艸(秋の草)」は、8月(暦の上では秋)生まれであることと、草花を育てるのが得意だったことに由来します。

地元新潟の文化振興に貢献

新潟出身や縁のある偉人はたくさんいますが、八一は晩年故郷の新潟に帰り、地元の文化振興に貢献した点でも高く評価されています。新潟で講演や展覧会を精力的に行ったり、地元新聞で随筆を書いたりしました。
八一が生活した「秋艸堂」では多くの市民に文化芸術の話を惜しみなく伝え広めたといわれています。

こうした功績が評価され、昭和26年3月に新潟市初の名誉市民に選ばれました。

名誉市民とは

市民や新潟市に関係の深い人物のうち、学術や技芸、文化の進展または新潟市の発展に多大な貢献をし、その功績が顕著で市民から深く尊敬される人に与えられる称号のこと。

新潟が生んだ文人
會津八一が残した功績

歌人、書家、美術史学者、教育者など、さまざまな顔を持つ會津八一の歩みと、各分野での功績を紹介します。

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〈歌人〉 會津八一
解説/月の光を受けた唐招提寺(とうしょうだいじ)金堂の円柱。その長い影を踏みながら行きつ戻りつ、古い奈良の都を思い、遠い世のギリシャの神殿を思う。古代への憧れを詠んだ八一の代表作
解説/月の光を受けた唐招提寺(とうしょうだいじ)金堂の円柱。その長い影を踏みながら行きつ戻りつ、古い奈良の都を思い、遠い世のギリシャの神殿を思う。古代への憧れを詠んだ八一の代表作

すべて平仮名書きで、万葉調のおおらかな歌いぶりが特徴です。歌の音を大切にし、技巧を凝らした歌でなく自身の感動を素直に詠む歌を好みました。
歌人・齋藤茂吉なども、八一の歌を高く評価しています。

〈書家〉 會津八一
解説/学問や見識を自然に染み込むように養い育てることの重要性を説いた言葉
解説/学問や見識を自然に染み込むように養い育てることの重要性を説いた言葉

左利きだった八一は幼い頃、個性が強く右手で書道の手本通りに書くのが苦手でした。
八一独自の書の形は中国古代文字をはじめとした、さまざまな文字を研究し、一字一字を大切にすることで作り上げられました。

〈美術史学者〉 會津八一

東洋美術史のなかでもおもに奈良時代の美術などを研究していて、実物と文献資料を車の両輪のように駆使する「実学論」を実践していました。
学位論文「法隆寺法起寺法輪寺建立年代の研究」は、従来の美術史の学説と異なる説を唱えたもので、学界に新風を吹き込みました。

〈教育者〉 會津八一

中学校や大学などで教壇に立った八一は、厳しくも優しい、風変わりな先生だったといわれています。
受験に挑む学生に向けて人生の指針を示した「学規」四則は、後に自らの座右の銘にもなりました。

開館50周年
會津八一記念館に行こう

會津八一記念館は昭和50(1975)年に開館。
約1万2千点の作品資料を所蔵していて、年4回開催する展覧会ごとに作品を入れ替えています。
所蔵品が多いので常設の展示はなく、何度来ても毎回異なる作品を見ることができるのが魅力です。

開館50周年を迎えた今年度は、節目の年にふさわしい、魅力ある展覧会を開催しています。

各種イベント、講演会なども随時開催しているので、ホームページなどをチェックしてください。

12月8日(月)〜15日(月)は展覧会準備のため休館となりますのでご注意を。

◾️會津八一記念館
新潟市中央区万代3-1-1 メディアシップ5F
開館時間 10:00~18:00
休館日 月曜(祝日の場合は翌日)、展示替え期間、12月28日〜1月3日
入館料 一般500円、大学生300円、高校生200円、小・中学生100円(土・日曜、祝日は中学生以下無料。展示内容で異なる場合あり)
アクセス JR新潟駅から徒歩約15分、新潟交通バス停「万代シテイ」下車 徒歩約1分


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開館50周年記念展覧会
「ベスト・オブ・會津八一」

會津八一記念館の作品資料のなかから、過去の来館者アンケートで人気だった作品や学芸員おすすめの作品、特徴ある作品など、厳選した見応えある作品を展示します。
同時開催で、八一の歌を写真で表現するフォトコンテストの入賞作品も展示します。

◾️会期
12月16日(火)~2026年3月22日(日)

DATA

問い合わせ先
新潟市文化政策課
問い合わせ先
電話番号
025-226-2563
リンク
【市報にいがた】 市報にいがた 令和7年12月7日発行 2852号

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