1998年にリリースしたアルバム『PUT ON FRESH PAINT』のリリース25周年を記念し、全国ツアーの真っ最中のハスキンことHUSKING BEE。12月10日（日）の新潟でのツアーファイナルに向けてフロントマン、磯部がインタビューに答えてくれました。

●2枚目のフルアルバムで、メジャーからの初リリースだったアルバム『PUT ON FRESH PAINT』から25年。実感はありますか？
磯部・98年の10月7日リリースだったんだけど、なんとうちの娘の誕生日も10月7日。小さな頃は「誕生日は娘と一緒に」だったけど、もう11歳になったし、お父さんが誕生日にいなくてもということで（笑）、今年の10月7日から25年前の同じ日にリリースした『PUT ON FRESH PAINT』を携えてのツアーをスタートしました。
●運命を感じるお話ですね。初日の10月7日の東京はソールドアウト。各地でも熱いステージングが続いていますがここまでの感想は？
磯部・25年前は『PUT ON FRESH PAINT』のツアーだったけれど、その前にリリースした『GRIP』の曲もかなり演奏していたんだよね。だから『PUT ON FRESH PAINT』の収録曲すべてをやった日はなかったと思う。それもあって25周年というタイミングで、アルバム全曲を演奏するライブをやりたいと思ったわけです。正直なところ、歌詞と歌い回しを思い出す作業に時間はかかったけれど（笑）、初日の東京では、めちゃくちゃいい感じで演奏できました。「さすが俺、いい曲作るなぁ」と思ったし、2023年に作ったと言っても遜色がないエモーショナルさがあるなと。いい意味で、変わっていない部分を再確認できた気がした。

●作った当時の感情や曲に込めた思いはそのままに、3人のプレイヤーとしての技術は高まっている。そりゃ、いいステージができているわけですね。
磯部・そうね。「20年ぶりにハスキンのライブに来ました」とか、久々に来てくれる人も多くて、改めて『PUT ON FRESH PAINT』というアルバムのパワーを感じたし、一番うれしかったのは「25年前も最高にいいライブでしたけど、今日もめちゃくちゃよかったっす！」っていう言葉だった。このツアーをやることができてよかったなと感じています。
●全曲演奏だけでなく、ライブではあまりやらない曲や新曲もやるんですよね？
磯部・最近作った曲はとてもエモーショナルで、本来のHUSKING BEEというバンドが持っているサウンドの根本に近いし『PUT ON FRESH PAINT』の曲たちと同じ匂いを持っている感覚。その両方には長い年月の差があるけれど、つながっているんだなと。だから、変わらない部分があるんだと思うし、各地で演奏して来てくれるみんなの声を聞いて、改めてハスキンというバンドの魅力を自分たちも確認させてもらっています。

●『PUT ON FRESH PAINT』は初めてのメジャーリリースの作品でした。今はどんな作品だったと自分のなかで位置づけていますか？
磯部・『GRIP』は完全に自分のなかからの叫びだった。誰かに聴かせるという感覚はあまりなくて、自分自身のためにとにかく叫んだ。それを経ての『PUT ON FRESH PAINT』は少なからず世の中に目を向けることができた作品。『GRIP』を出したことで全国に自分たちの音楽を待ってくれている人たちがいることが分かって、その人たちに向けて作れた一枚だったかな。『YOU CAME BACK』なんて、まさにそうだよね。ライブの最後に「また会おうね！」って言いたいと思って作った曲なわけだし。いろんなタイミングもあって、自分たちらしい新しい色を塗りたいという意識があったんだと思う。
●本ツアーのラストを締めくくる新潟公演は12月10日（日）。どんなライブを期待しましょうか？
磯部・ここまで充実したツアーになっているし、各地で思いっきり演奏できている。新潟はラストだし、もう何も考えずにドカンとやれる日なので、遠慮なくやろうと思っています（笑）。25年前もそうだったけど、今回も会場に足を運んでくれる人たちの生きる力になれたらいいなと思うし、絶対に「来てよかった」と思ってもらえるはず。あとは『なみ福』のラーメンを食べて、難波君にも会えたらいいなと（笑）。
●遠慮なしのステージと『なみ福』のラーメン。潔い目標でよいと思います（笑）。では、新潟のファンみんなでお待ちしています。
磯部・はい。お楽しみに！