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【インタビュー】白血病患者とドナー提供者をリアルに描いた物語。糸魚川市出身の俳優・樋口大悟さん(企画・原案・主演)から、お話を聞きました!

映画『みんな生きている ~二つ目の誕生日~』配給:ギグリーボックス 監督:両沢和幸 主演:樋口大悟

  • 情報掲載日:2023.02.03
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。
Ⓒ2022「みんな生きている ~二つ目の誕生日~」製作プロジェクト
Ⓒ2022「みんな生きている ~二つ目の誕生日~」製作プロジェクト

25 歳の時に急性骨髄性白血病と診断され、骨髄移植を受けた糸魚川市出身の俳優・樋口大悟。

その経験をもとに自身で企画と原案、主演を担当した映画『みんな生きている ~二つ目の誕生日~』が2023年2月10日(金)から劇場公開されます。

今回の映画に込めた思いなど、裏話を聞いてきました!

プロフィール:樋口大悟(ひぐちだいご)。1977 年糸魚川市出身の俳優、モデル。2020 年に設立されたクリエイター事務所、リ・ボーン117の代表。『骨髄バンクと命』の講演やライブ活動なども行なっている。本作では、企画・原案・主演を担当している。
プロフィール:樋口大悟(ひぐちだいご)。1977 年糸魚川市出身の俳優、モデル。2020 年に設立されたクリエイター事務所、リ・ボーン117の代表。『骨髄バンクと命』の講演やライブ活動なども行なっている。本作では、企画・原案・主演を担当している。

『みんな生きている ~二つ目の誕生日~』あらすじ

空手講師の桧山大介は、白血病を患い、助かるためには骨髄移植しかないと医師に告げられる。適合するドナーが見つからない中、新潟県糸魚川に住む桜井美智子という女性が適合すると判明する。しかし彼女の家族は彼女がドナーになることに反対していた——。

data 公開:2月10日(金)
配給:ギグリーボックス 監督:両沢和幸 出演:樋口大悟/松本若菜 ほか イオンシネマ新潟西、J-MAX THEATER上越で公開

映画を作るということが生きる大きな力になった

●今回なぜ自身の病気をテーマに物語を描こうと思ったのですか?

治療中からこの経験を映画にしようと考えていていました。僕が生きているうちに、名前も顔もわからないドナー提供者の方に助けてもらったので、その方への感謝を届けたいということと、骨髄バンクを知らない人に正しく知ってほしいという思いがありました。元気になった僕自身が主演をしているからこそ、誰かの勇気や希望になればいいなということもあります。(治療中は)しんどい時もありましたけど、映画を作るということが生きる大きな力になったのは確かですね。映画を作りたいという思いは、頭にはあったけど自分の体調が万全に戻るまでは、作れませんでした。そんなタイミングで、ちょうど脚本監督を担当された両沢さんと出会ったり、自分自身のことも客観的に見えるようになったことで、映画制作に動き出しました。

●客観的に見られるようになったのには、なにかきっかけがありましたか?

時間の経過もありますが、講演活動をしていくなかでいろんな人と関わり、話をしていくうちに、だんだんと自分の気持ちに整理がついたのが大きいです。

Ⓒ2022「みんな生きている ~二つ目の誕生日~」製作プロジェクト
Ⓒ2022「みんな生きている ~二つ目の誕生日~」製作プロジェクト

自分の中で「死」への恐怖を消し去る作業を、自分のなかではこだわっていました

●樋口さんが企画・原案、両沢和幸さんが脚本と監督を担当されていますが、映画の物語はお二人で作られたのですか?

監督とはよく飲みに行っている仲なので、映画を作るために話していたわけではなく、何気ない世間話のなかで自分の病気の情報を話していて、大体のことは話してしまっていたので(笑)、その話をベースにストーリーを考えていきました。

●白血病の患者を描きつつ、これまでにない、ドナー登録者側にも焦点を当てたのはなぜですか?

多くの人が患者本人に共感するというよりも、患者を支える側になる可能性が高いと思います。タイトルの『みんな生きている』の通り、周り人たちの葛藤に焦点を当てて描こうと決めました。

Ⓒ2022「みんな生きている ~二つ目の誕生日~」製作プロジェクト
Ⓒ2022「みんな生きている ~二つ目の誕生日~」製作プロジェクト

●印象的な重みのあるセリフがいくつかありましたが、樋口さんご自身の言葉が含まれていますか?

僕自身の言葉もありますが、監督からでてきた言葉もあります。必ずしもすべてが、僕の口から出た言葉ではないです。監督には、僕の話は全部していたので、あんまり僕の思いを読みすぎないでほしいと伝えていました。いい意味でエンターテイメントにしてほしいとも伝えていたので、僕の経験談を受けて監督のなかで生まれた感情などが台詞になっていると思います。

Ⓒ2022「みんな生きている ~二つ目の誕生日~」製作プロジェクト
Ⓒ2022「みんな生きている ~二つ目の誕生日~」製作プロジェクト

●主人公・桧山大介を演じるうえで、意識されたことはありますか?

僕は「死」というものを体が覚えてしまっていて、「死ぬ」って言われると、うわっと恐怖を覚えていました。ただ演じた桧山大介は、その感覚は当然まだわかりません。自分の中で「死」への恐怖を消し去る作業を、自分のなかではこだわっていましたね。あとは、イソジンでうがいをするので歯に色をぬったり、空手講師らしく足の裏の皮を硬くするなどちょっとした細かいところの演出にもこだわりました。

被害を受けた地元・糸魚川市のために、映画を通して何かできないかと考えていました

●ドナー提供者・桜井美智子が住んでいる場所を糸魚川市にされています。地元・糸魚川市を舞台に選んだ理由はなぜですか?

もともとは僕のドナーさんが関西の方に住んでいるということを知っていたので、はじめは関西の方で撮影しようと思ったんです。ですが、2016 年に起きた糸魚川市大規模火災で、昔遊んでいた場所が燃えている上空映像をニュースで見て、なんとも言えない気持ちになりました。その時に、被害を受けた地元のために、映画を通して何かできないかと考えていました。監督がその思いを汲み取ってくれて、ドナーさんの住んでいる場所を糸魚川市にしようと提案してくれたんです。

●糸魚川市での撮影で印象に残っていることはありますか?

糸魚川市に協力してもらい、糸魚川市で(映画のシーンの)半分くらいを撮影をしました。なかでも印象に残っているのは、ヒスイ海岸沿いを女の子が走っているシーンです。実は、そのシーンがクランクインだったんです。ちょうど梅雨の時期に撮影を始めたので、天候があまりよくありませんでした。「雨よりはいいか…」ということで、1回曇りで撮影をして撤収しようとしたら、急にパーっと晴れ間が出て、青空の下で撮影ができたんです。その瞬間、この映画はきっとうまくいくと確信しましたね。実は、先行公開の日も天気に恵まれたんです。もしかしたら、晴れ映画なのかもしれません。

最後に、樋口さんより映画に込めたメッセージをいただきました!

●これからご覧になる方や観ていただいた方へのメッセージをお願いします。

作品を通して骨髄バンクの存在と正しい知識を知ってほしいです。こうして元気になれたことを、僕のドナーさんやほかの提供者にも届けたい。そして観た方には、普通に生きていることがどんなに幸せかということを感じてもらえたらと思います。

○新潟県内で公開が予定されている劇場は下記の通りです

イオンシネマ新潟西  tel.025-230-8787

JMAX THEATER 上越 tel.025-524-1232

(2023年2月3日現在)

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