「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに勤めており、東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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新潟県の沖合、日本海に浮かぶふたつの島、佐渡島と粟島。
新潟本土から意外と近く、日本の原風景がたくさん残っているという理由から、今までたくさんの撮影が行なわれてきた場所です。古民家や海岸、街並みや田園風景など、島内はとにかくセットいらずですからね!
特に粟島は、「自主映画制作の聖地」と言われており、学生やアマチュアスタッフの人たち、新人監督などがロケ地としてたくさん利用しているんです。その自主映画制作を支えているのが、村上・岩船地域で活動する「いわふね村上フィルムコミッション」です。
今回紹介する新潟ロケ映画『ニュータイプ ただ、愛のために』も、いわふね村上フィルムコミッションの協力があったからこその作品です。
物語は、特殊な能力を持つ少女とその幼なじみ、そして謎めいた青年の交流を描いたラブファンタジーで、特殊な能力を持つがゆえに孤独と自己犠牲を強いられるヒロイン役を、モデルで女優の大政絢さんが務めました。監督は、『ヴァイブレータ』や『ストロボエッジ』など新潟ロケ作品ではおなじみの廣木隆一氏(新作の『月の満ち欠け』が絶賛公開中)。
【あらすじ】
特殊な能力を持つために人とのかかわりを避け、ひとりで静かに暮らすユリの前に、ケガを負った男が現れる。誰かに追われているような雰囲気を持つ彼に、初めはおびえていたユリだったが、何か通じ合うものを感じて次第に心を許していく。そんなとき、ユリが唯一心を開いている幼なじみの秋山が訪ねてくる。
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主人公の役が「対岸の島に渡るフェリーの乗船券を売る少女」ということで、ロケ地には村上市の岩船港にある粟島汽船のりばが選ばれました。
乗船客が待合室で待っている場面や、乗船チケットを売る場面、岩船港での撮影など、さまざまなシーンが登場します。
というか撮影が敢行されたのが冬ということもあり極寒! エキストラや粟島汽船の荷運び作業員らは、寒風のなかで体力勝負の撮影となりました。
そんななか、スタッフにはとっても嬉しい、いわふね村上フィルムコミッションのおもてなしが! あったか豚汁、そして村上牛特製ロケ弁(豪華!)の提供です。温かい地元のおもてなしに出演者、スタッフ一同、大変喜んでいたそうです。
以前から自主映画制作者に手厚い支援をするフィルムコミッションとして全国的にも有名ないわふね 村上フィルムコミッション。これからも製作費不足の新人監督さんたちを支えていってくれることでしょう!
『ニュータイプ ただ、愛のために』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
村上市(岩船港、粟島汽船のりば ほか)
●作品
『ニュータイプ ただ、愛のために』(2008年公開)
監督●廣木隆一
出演●大政絢/佐野和真/山田キヌヲ/竹財輝之助 ほか
販売元●TCエンタテインメント
価格●DVD 4,180円