「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに勤めており、東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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その大事件が起こったのは今から50年前の2月。
長野県軽井沢町にある保養所「あさま山荘」に、連合赤軍が管理人の妻を人質にして10日間に渡り立てこもったのです。その事件というのが昭和史に残る大事件『あさま山荘事件』です。
リアルタイムで中継を観ていた人は、当時、テレビに釘付けになったことでしょう。事件当時はまだ生まれてないという人でも、あまりの大事件なので知っている人も多いはず。建物に巨大な鉄球が打ち付けられる映像はとても有名ですよね(知らない!!という人はぜひ「あさま山荘」で検索してみてください。どんな事件なのかぜひ知った上で作品鑑賞を)。
もちろん関連した本もたくさん発行されており、今回紹介する『突入せよ!「あさま山荘」事件』もベストセラーになった本が原作。『クライマーズ・ハイ』『燃えよ剣』を手がけた原田眞人監督をはじめ、役所広司、宇崎竜童、天海祐希、遠藤憲一ら豪華キャストにより、全国民が凝視した10日間を再現しました。
【あらすじ】
1972年2月19日、連合赤軍が軽井沢の別荘「あさま山荘」に管理人の妻を人質にして籠城した。爆発処理のための欧米派遣から帰国したばかりの警察庁警備局付監査官・佐々は、この事件の指揮を命じられる。しかし、その攻防戦は以後10日間に渡る長さに及ぶのだった・・・。
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今回の作品は、私がロケに参加していないので、実際に制作側から依頼の一報が入った、上越映画鑑賞会会長で僧侶、さらに上越市位ある喫茶プー横丁の店主である増村さんに取材したものを元に書かせて頂きました。
『あさま山荘事件』は長野が舞台となった事件ですが、実は新潟でもロケハンが行なわれ、その際に監督が上越市にある光ヶ原高原を見て、お眼鏡にかなったそうなのです。
当時はまだ県内にフィルムコミッションの支援組織がない時代。そこで制作側は上越映画鑑賞会である増村さんに連絡を入れたようです。ロケの話はどんどんと進み、光ヶ原高原の一角に舞台となったあさま山荘のオープンセットがあっという間に建てられました。このセットで2001年11〜12月の一ヶ月間、撮影が行なわれました。
増村さんって本当にすごくて、当時、SNSもない時代に自ら声掛けをして40名を超えるエキストラを集めたんです! その上、増村さんは報道関係の記者役として出演までされてますからね。
ケータリングは、旧新井町(現妙高市)にあるリゾートホテルのシェフが高原のレストランで2週間に渡り提供されたそうです!
それにしても、撮影スタッフ100名、機動隊役のキャストなどの撮影支援がどれほどの大仕事かと思うと頭が下がります。まさに今の上越市の支援力に培われた原点のような気がします。
そうそう!! 光ヶ原高原のロケ地点には撮影記念碑があり、映画で使われた巨大な鉄球が展示されています。ぜひ作品を見たあとに行ってもらいたい場所です。
『突入せよ! 「あさま山荘」事件』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
光ヶ原高原(上越市板倉区)
●作品
『突入せよ! 「あさま山荘」事件』(2002年公開)
監督●原田眞人
出演●役所広司/宇崎竜童/天海祐希/遠藤憲一/椎名桔平 ほか
発売元●アスミック・エース
販売元●TCエンタテインメント
価格●DVD 3,080円/Blu-ray 4,180円 発売中