月刊にいがた6月号からスタートした新連載、『編集部たざきの新潟の音楽人』。
ロックバンドとライブハウスをこよなく愛する私が新潟の音楽シーンをおもしろくする人たちをご紹介します!
記念すべき第1回目は、クリエイティブディレクターの平田英治さん。
実際にお話を聞いてきました。
フリーランスという立場を大切にしながら何でもやります
そもそもクリエイティブディレクターとは何なのか。
「いろいろやりすぎて説明しづらいのでこう名乗ってるんですよ(笑)」なんておっしゃる平田さん。
具体的にどんなことをしているのかというと、
・新潟市西蒲区岩室の岩室温泉で毎年開催されている音楽フェス『いわむロックFESTIVAL』のプロデュース
・地域活性化プロジェクトの立ち上げ
・楽曲・映像の制作
・けやき通り沿いのライブカフェ、.lagoon 20 の経営
その他、音響、コーヒーのサーブ、自称シャボン玉おじさん(シャボン玉協会泡人に教わったそう!)など、まさに何でも屋さん。
多様な事業展開で新潟の音楽シーンに大きな影響を与えている超重要人物なんです!
ここで気になるのは、平田さんの経歴。
意外な過去が盛りだくさんでした。
30歳になってこれからの人生を考えた時、大好きな新潟に戻ろうって思ったんです
平田さんは東京都出身、山梨県育ち。
高校卒業後、新潟に進学しました。
「サッカーの指導者を目指すために新潟の専門学校に進学しましたが、音楽という夢をあきらめきれず、卒業後が東京で働きながらバンド活動をしていました」。
今では超人気になったあんなバンドやこんなバンドと対バンしていたそう。
「え~!何でそのまま続けなかったの!?もったいない!!!!」なんて安易なことを心の中で思いつつ、詳しく聞くと、
「29歳の時にメンバーや対バンの人たちの素晴らしい才能に圧倒されたんです。それでスッと諦めがついて、大好きな新潟に戻ろうって決めたんです」
潔くてかっこいい!
ちなみに、新潟を選んだのは「育った山梨と似た新潟の田園都市と人柄に魅了されたから」とのこと。
移住してからは、9年間のバンド活動を通して築いた音楽業との繋がりをいかし、2009年に音楽エージェント、MUSIC DROP を設立。
特に若手アーティストの支援に力を入れています。
若手たちを押し出すんじゃなくてバックアップしたいんです
「東京でバンド活動をしていた時は事務所に所属していたものの、セルフマネージメントだったので資金面的に厳しく、寝る間もなくアルバイトをしていました。自分が苦労したことで、“しなくていい苦労”があるって気づいたんです。そこをバックアップしたい。アーティストの雇用を作ってあげられるというのも、いろんな事業を展開している理由のひとつです」
この想いを体現しているのが平田さんが実行委員長を務める『いわむロックFESTIVAL』。
音楽を軸にさまざまなクリエイターが集まる、若手の登竜門的音楽イベントで、今年は9月18日(日)・19日(祝)に開催されます。
「若いアーティストたちは、基本的に3年出演したら卒業してもらいたいと思っているんです。環境が整ったいわむロックで本気でバックアップするから、アーティストたちには自分で軌道をつくって飛び立っていってもらいたい」。
さらに、「余裕をもって楽しんでる大人がいないと若い子たちも諦めてしまいがちだなって。だから僕はそんな大人を目指したいです」。
平田さんが“慕われる大人”なのも納得ですね。
さらに、最近では「はじめて、しもまち。」プロジェクトで新潟市中央区しもまちを題材にした楽曲「君が暮らした街」のMVを新潟出身のクリエーター竹中駿介さんと共同制作。
新潟ゆかりのアーティストが、しもまちの風景をそのまま音楽として表現しています。
最後に今後の活動についてお聞きしました。
「今後は“憩”をキーワードに、公共空間を活用したイベントなどを行ないたいです。音楽ありきというわけではなく、飲食や観光産業があって、さらに音楽の居場所があればベストだなって。それが僕のスタンスです」
information
.lagoon 20(ドットラグーン ツーオー)
新潟駅南けやき通り沿いにあるライブカフェ。
クラフトビールをはじめ、コーヒーやスイーツを提供。
不定期でイベントも開催しています。
data
新潟市中央区米山2-1-10 オルム賢和ビル4F
tel.なし
17:00~23:00(日は13:00~17:00)
不定休(営業日は店舗SNSをチェック)
席18
Pなし(最寄りにコインパーキングあり)