「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに勤めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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新潟でロケが行なわれた作品というとなんとなく、自然豊かな風景だったり、雪景色だったりするイメージが多いのではないでしょうか? 実際、新潟は自然が豊富なので素敵なロケーションが多く、古き良き姿もたくさん残っています。だからなんて言うか…素朴な雰囲気の作品が多いような気がします。実は今回、それとはまるっきり真逆(!?)な作品を紹介しようと思います!
紹介するのは、日本を代表するアニメーション監督である押井守氏が手掛けた人気アニメーション『機動警察パトレイバー』の実写版。なんと近未来SF作品です。
新潟で近未来SF作品!?
タイトルからしても新潟のイメージゼロですよね(汗)。物語は、汎用人間型作業機械・レイバーが普及した近未来で、レイバーを使用した犯罪を取り締まる警察庁特科車両二課「パトレイバー」の活躍を描いたもの。
実写版は全12話から成るドラマシリーズとなっており、今回紹介する第6章は、ドラマシリーズのエピソード10と11の2話で構成されています。実はこの第6章の舞台が、新潟なんですね。キャストは、真野恵里菜さん、福士誠治さん、太田莉菜さん、筧利夫さん、高嶋礼子さんなどです。
【あらすじ】
旧ソ連の軍用レイバーが新潟を経由して密輸される情報を公安部から寄せられるも、動こうとしない後藤田。しかし、特車二課が捕らえたテロリストがレイバーを奪おうと逃走したことから、明と佑馬は新潟へ向かう。明のもとへ、高校の同窓会への招待状が届く。色恋とは無縁な日常から離れようと同窓会に出席した彼女は、かつて心惹かれていた男と再会。ときめきを取り戻すが、男には思わぬ秘密が…。
さて、このロケですが、新潟をすごくごひいきにしてくださっている製作者さんから連絡があり動き出しました。撮影は新潟市の中心部、新潟駅前の東大通で行なわれ、約30人のエキストラさんたちが参加してくれました。東大通に大きな車両が爆走してくる想定で、それを避けるように逃げ回るシーンが撮られました。
撮影の段階では車両は走らなかったのですが(実際は合成)、皆さん、あたかも車に追いかけられているように演じてくれました。実は、私もエキストラとして参加しました。駅前交差点や歩道橋の下を逃げ回る自分をスクリーンで発見したときは思わず吹き出してしまいましたよ(笑)。このシーンには注目です。
そうそう! 新潟のご当地キャラクター・レルヒさんも登場しています。主人公の職場のデスクにレルヒさんのフィギュアが置かれてたり、旅館の電話の脇にレルヒさんのぬいぐるみがさりげなく置かれてたりと、レルヒさんの登場シーンが多くて、関係者としてはとても嬉しかったです。
それと、お土産売り場のシーンがあるのですが、ピアBandaiの売り場の実景を撮影し、スタジオに精巧なセットで合成してました(下写真は撮影当時のピアbandai)。
『THE NEXT GENERATION パトレイバー/第6章』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
新潟市内各所
(新潟市中央区東大通 ほか)
●作品
『THE NEXT GENERATION パトレイバー/第6章』(2014年公開)
総監督●押井守
監督●田口清隆/湯浅弘章
出演●真野恵里菜/福士誠治 ほか
発売元●ハピネットファントム・スタジオ
販売元●ハピネット・メディアマーケティング
価格●DVD 6,380円 ほか