新潟市五泉市出身のシンガーソングライター「落合みつを」が、コロナ禍で無観客開催した昨年11月のライブを『2020 Try&Error -自分の中に毒を持て-ツアーファイナル』と題したCDでリリースした。
全20曲、約1時間半の公演を、なんと1トラックとして収録。その意図を「せっかくのライブ盤だから、シャッフルで飛ばしたりせず、この曲順にした意味も全部受け止めてほしい」と本人は説明する。
年間100本以上ものライブを展開してきた彼ならではの作品であり、信頼を置くバンドメンバーたちと「落合みつをのロック」を全身全霊で表現。20年以上におよぶ彼のキャリアが凝縮された、新たなベスト盤的にも聴ける1枚だ。
「僕の作品は、生きづらさや継続することの難しさを感じる人が同化できる――そういう人たちの目線に立った曲が多い。この20曲を選んで歌ったときに、その流れが自分でも分かったと言うか、そこはブレてないなと。落合みつをが何を作品として生み出そうとしてきたのかがすごく伝わりやすいアルバムができたと思います」。
「この何年かは、歌うときは無になろうとしている」とも語る彼。「お客さんを楽しませようとか、よこしまな思いは持たずにステージに立ち、そのまま歌と向き合う――そうすると作品の中に感情が素直に入っていくんですよね」。だからこそ、落合みつをの歌は聴き手の心に刺さるのだろう。
このライブの映像とバンドメンバーのインタビューを織り交ぜた映画『誰そ彼(たそかれ)-WHO is [Mitsuwo]? ―Inside the Artist.』の全国ロードショーツアーも敢行中で、この5月は地元・新潟県内3カ所で上映。
サブタイトルが示す通り、「落合みつを」とは何者か?――その根幹となるアーティスト像を、過去最高のステージ映像を軸にしながら、彼と共に音楽を奏でるバンドメンバー&プロデューサーがリアルに語って解き明かしていく、秀逸なドキュメンタリームービーである。
「(この映画では)僕の音楽もそうですけど、コロナ禍において、バンドメンバーがみんなどういう気持ちで、一人のミュージシャンとして、人間としてどう向き合い、何を自分たちから打ち出そうとしたのかを表現したかったし、それを観る人にも知ってほしかったんですよ。そして、落合みつをの音楽を、中心軸ではなく外郭から見ていく中で知ってもらえる作品になればいいかなと」。
今年2021年は、この映画の上映会を全国各地で展開していくという落合みつを。
実は僕、5月16日(日)の上映会を観てきたのだが、落合本人とバンドメンバー2人(ドラムの松田和人、パーカッションの平野伶/ともに新潟出身)も会場に登場し、熱い作品解説を展開。1時間以上の濃密なライブ映像が大スクリーンで上映されると、曲ごとに来場者から拍手が巻き起こり、本番のライブ同様の熱気が場内を包んでいた。
まさに、音楽へ真摯に向き合う表現者・落合みつをの今と、伝えたい思いがここにある──。
今日現在、新潟県内での上映会は5月30日(日)の上越会場を残すのみとなってしまったが、彼の魂の歌をより深く理解するには必見のイベントだと、改めて力説しておきたい。
DATA
ドキュメンタリーコンサートムービー
『誰そ彼 -WHO is [Mitsuwo]? ―Inside the Artist.』上映会
- 開催期間
- ※新潟県内上映スケジュール
5/16(日) 新潟市秋葉区文化会館 練習室1
5/19(水) 燕市 トライアングルⅡ
5/30(日) 13:00~14:10
上越市 雁木通りプラザ 多目的ホール
上越市本町3-2-26
- 料金
- チケット:前売り2,000円・当日2,300円
- 問い合わせ先
- LOTUS
- 問い合わせ先
電話番号 - 080-4121-0811