新潟市では、みなとまち文化を象徴する古町花街を守り、発展させていくための取り組みを関係団体と連携して行なっています。そして今回は、伝統文化を継承しようと日々技芸を磨く古町の若手芸妓と、古町花街の景観の整備について紹介していきたいと思います。また、古町芸妓に会えるスポットも紹介しますよ!
まずお話を聞いたのは、「古町花街の会事務局」の久保有朋さんです。
「古町花街」の魅力について語ってもらいました。
みなとまちの文化遺産を後世に!
●古町芸妓の昔と今
『新潟の花街の歴史は、古くは江戸時代の前半にまでさかのぼるといわれています。明治30年ごろ、大火などを契機に古町の東西新道が整備され、料亭や芸妓が所属する置屋などが新道沿いに多く立ち並んで今の形となりました。古町は日本有数の花街となり、地方ではトップクラスの規模を誇るまでに発展していったのです。ところが昭和初期以降、社会情勢が移り変わる中で芸妓は徐々に数を減らしていきました。そんな厳しい状況が続いた昭和62年、地元企業約80社が、組織として芸妓の養成・派遣を行う株式会社を立ち上げます。同社が全国に先立ち芸妓の現代的雇用形態を確立させたことは、文化の断絶を食い止める大きな転換点となりました。平成25年からは、官民一体で設立された「古町芸妓育成支援協議会」が若手芸妓の技芸習得を後押ししています。「新潟をどり」をはじめとする地元のイベントで芸の披露の場が設けられるなど、まち全体で芸妓を支える体制は全国的に見ても大変先進的です』
●古町花街の魅力を感じてほしい
『私は今、古町花街の芸妓文化や歴史のある町並みを後世に伝えるため、イベントでの広報や景観の保全活動などを行っています。古町花街は、舞踊や邦楽、和食、歴史的町並みなど、あらゆる日本文化を一つの街で体感できる場所です。この魅力をより多くの人に感じてもらえるよう、今後も活動を続けていきたいと思います』
【TOPICS・情緒感じる石畳の通り】
新潟市は昨年3月に策定した「古町地区将来ビジョン」に基づき、古町芸妓がいる古町花街エリアで「湊町新潟の歴史と文化が薫るまちづくり」を進めています。 昨年6月に西新道の整備が完了し、花街エリアの主要な通りがすべて石畳になりました。立ち並ぶ伝統建築と合わせて、みなとまち情緒が感じられます。
次にお話を聞いたのは、若手の古町芸妓、さつきさんと咲也子さんです。
なぜ、「古町芸妓」という道を選んだのでしょうか?
古町芸妓に聞きました! 訪れる人にすてきなおもてなしを
●芸妓に憧れて
さつきさん・私は古町の出身で、小さい頃にイベントで芸妓の踊りを見てから、ずっと芸妓に憧れていました。高校生の時、会社員として芸妓の仕事ができることを知って、すぐに入社を決意しました。
咲也子さん・私は母の友人に古町芸妓の存在を教えてもらいました。当初は違う仕事に就くことも考えていましたが、初めて見た芸妓の舞に心を引かれ、芸妓になりたい気持ちが強くなりました。
●少しずつ芸が上達
さつきさん・昨年は感染症の影響でお座敷に出る機会が大幅に減ってしまったり、イベントが中止になったりして少し寂しかったです。ただ、夏からは例年通り古町芸妓育成支援協議会に支援を頂き、踊りや楽器の稽古をさせてもらっているので張り合いを感じます。古町芸妓は生唄、生演奏が基本です。成果発表会では一人でいくつもの芸を披露するので、覚えることがいっぱいあります。
咲也子さん・それぞれの芸の道の達人から直接指導を受けられるのはありがたいですし、いろんな楽器を演奏するのは楽しいです。さつきさんも私も太鼓や鼓などの鳴物が少し苦手なので、稽古のときはお互いに励まし合って頑張っています。1年目の頃に比べると、少しずつですが芸が上達してきたと思います。
●多くの人から親しまれる存在に
さつきさん・最近、新潟駅周辺や古町の街並みが変わってきましたよね。古町ルフルを見た時は「こんな新しい建物ができたんだ」ってびっくりしました。古町花街へも多くの人に足を運んでもらえるよう、私たちも古町芸妓を知ってもらうための活動を積極的に行っていきたいです。
咲也子さん・最近は日常の様子をインスタグラムで投稿しています。古町芸妓の特徴である親しみやすさを感じてもらえたらうれしいです。また、興味を持って会いに来てくれたお客様にすてきな芸を披露できるよう、これからも稽古を一生懸命頑張ろうと思います。
★柳都振興(株)のインスタグラム(@ryutoshinko)
【TOPICS・芸妓が新潟の情報を紹介! LEDパネルを設置中】
期間:1月31日(日)まで
場所:新潟・古町まちみなと情報館、新潟駅西CoCoLo西N+
問:新潟商工会議所 TEL.025-223-6272
古町芸妓に会うならココ!
その1・日本文化をまとめて体感「料亭のお座敷」
老舗料亭で会席料理を食べながら、芸妓の舞や三味線、お座敷遊びなどを楽しめます。事前の電話予約が必要です。料金など、詳しくは新潟三業協同組合ホームページで確認してください。
問:新潟三業協同組合 TEL.025-222-2237
その2・観光客にもお薦め「古町柳都カフェ」
若手芸妓がお茶やコーヒーを運んでくれます。稽古をする太鼓や三味線の音が聞こえたり、料亭を行き来する芸妓に会えたりします。事前予約せずに気軽に立ち寄れるお薦めのスポットです。
日時:月〜金曜13〜15時(祝・休日除く)
会場:旧「美や古」(新潟市中央区古町通9)
問:新潟三業協同組合 TEL.025-222-2237
その3・磨かれた技芸をご覧あれ
「古町芸妓育成支援事業成果発表会『華つなぐ道』」
長期間の稽古で磨いた舞踊や長唄、演奏を披露します。
日時:3月25日(木)14時~15時半
会場:りゅーとぴあ 定員:30人 料金:無料
申し込み:3月5日(金・必着)までに往復はがきに「華つなぐ道」、代表者の郵便番号・住所・電話番号、参加者全員(4人まで)の氏名(ふりがな)を記載し、〒951-8068、中央区上大川前通7-1169-3階、新潟商工会議所内 古町芸妓育成支援協議会(TEL.025-223-6272)へ
※応募多数の場合抽選。3月12日(金)に結果を発送
ちょっとでも「古町芸妓」に興味を持って頂けたのであれば、ぜひとも会いに行ってみてくださいね♪
Information
- 問い合わせ先
- 【古町芸妓の育成支援について】新潟市観光政策課
【古町花街の景観整備について】新潟市まちづくり推進課 - 問い合わせ先
電話番号 -
025-226-2608(新潟市観光政策課)
025-226-2703(新潟市まちづくり推進課) - リンク
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新潟古町芸妓
市報にいがた 令和3年1月17日発行 2735号