Negiccoのプロデューサーconnieが、2ndミニアルバム『VOICES II』を8月25日(火)にリリースした。
ちょうど1年前に発表した前作『VOICES』と同じく5曲入りで、今回も全曲で彼が敬愛する女性ボーカリストをフィーチャー。
収録曲順に、婦人B(婦人倶楽部)、中川理沙(ザ・なつやすみバンド)、髙橋麻里、南波志帆、中島愛という豪華なボーカル陣が参加し、いかにもconnieらしいポジティブで爽やかなガールズポップス集に仕上がっている。
結成以来Negiccoを支えてきた彼が新たに送り出すこのミニアルバムに託した思いを、connie自身に聞いた。[聞き手=笹川清彦]
●connie名義のアルバムとしてはちょうど1年ぶりのリリースとなります。まず前回の1stアルバムの手ごたえとリスナーからの反応を、connieさん自身はどう捉えていたんでしょうか?
基本的に、私の作るものとはNegiccoがベースで、Negiccoに関連するものが数としては一番多かったわけですが、そこから想像するに(1stアルバム『VOICE』は)大体、範疇内だったとは思うんです。で、まあ、それぞれのボーカルの方に合わせた作品として、自分では「聴いていただけた皆さんには、喜んでいただけたのかな」と思っていて――それは、Negiccoのファンの方もそうですし、初めて聴く方も含め、喜んでもらえたかなと。
●そもそも、connieさんが自らアルバムを出すということへの世間の驚きはなかったんですかね?
自分ではあまりそうは(=驚きだとは)思ってなかったんですが…、でも意外と周りには「すごいね!」って感想を言ってくれた方も多かったですね。要するに、ソロアルバムは私の趣味丸出しだと思うんですよ(笑)。ボーカリスト5名の選び方を含め。で、前回も今回も、基本的にはそれぞれの方をイメージして曲を書いて作っていた作品ですから、「こんな声が好きなんだ、こういう音楽が好きなんだ」というのがすごくよくわかると。それが、ある意味、今の時代においてはちょっと特殊な――まあ、私からすると自然なんですけど(笑)――アイドルにも通じる女性ボーカリストのポップミュージック集という、私の好きな音楽の感じがちゃんと形にできたんじゃないかとは思います。
●そんなconnieさんらしいガールズポップ集だった前作を出した時点から、今回の続編も考えていたんですか?
今作の話が出たのは去年の年末くらいだったんですけど、Negiccoに関しても、3人の活動だけじゃなく個々の活動も活発化していくことは見えていたので…、そしたら「connieもまた(ソロアルバムを)つくる?」みたいな話になり――で、「出していいんですか? じゃあ、やります!」っていう(笑)。また出していいのなら、これはチャンスだなと(笑)。前回の時も、正直、あの5人以外の候補も頭の中にありましたし。で、今回、その「この人とやりたいな」と思っていてオファーした方もいますし、「…まさかお願いできるとは!」という方もいますし――いずれにせよ、Negiccoがきっかけでつながりができたボーカリストの方々にお声がけさせていただいた感じです。
●今作『VOICES II』を聴き、僕は前作以上に聴き手の心を明るくさせてくれるようなポップス集だと感じました。ある意味、この時期だからこそ、そこに意義がある作品にも思えましたが?
基本的には明るいポップスが好きな人間だとは思うんです。で、前回はアップテンポのものと少し落ち着いた感じの曲を織り交ぜながら作ったんですけど、今回は敢えて全曲ノリのいい、元気が出る感じの曲でまとめたんですね。それは、「そういう作品にした方がいいかな」と、歌っていただく方が決まる中で徐々にそう感じ始めたと言うか。前回とは違ったものにしたいと、やっていくうちに考えました。
●そのうちの何曲かに触れると――まず1曲目の『サファイアの洞窟』では、佐渡在住のポップグループ「婦人倶楽部」の婦人Bさんをゲストボーカルに迎えています。ちなみにこのタイトルは、佐渡の小木にある”青の洞窟”をイメージされていますよね?
そうです。婦人倶楽部さんは、(Negiccoの)Meguがコラボしたご縁もあるし、私自身も好きで、CDを買ってよく聴いていたんですよ。佐渡でああいう素晴らしい音楽が生まれるというのは興味深いなと思っていたし、今回こうして一緒に音楽を作れて、すごく良かったですね。
●あと、南波志帆さんをゲストボーカルに迎えた『笑顔をつれて』には、なんとconnieさんが叩くドラムの音もフィーチャーされています。こうした生音の導入は前作になかった部分ですね?
一応、ドラムは以前からやっていたりしたんですが…たいしたプレイではまったくないんですけど(笑)。ただ、この曲では、綺麗に打ち込むよりも、人間くさく、もたったドラムの方が曲に合うかなと。そういう生演奏を入れるという手法は、おっしゃるように、前とはちょっと違うアプローチにも挑戦できたかなと思います。
●そして5曲目、このアルバムを締める『君とLove With You!』では、Negiccoとも縁の深い、“まめぐ”こと中島愛さんを迎え、見事なポップワールドが展開しています。
このタイトルは、Negiccoの『あなたとPop With You!』(※2013年のシングル曲)にかけているんです。リズムは一緒だし、bpmもほぼ同じで。…で、あの曲は新潟の海の景色をNegiccoが歌っているわけですけど、その新潟へ会いに行きたいと思っているNegiccoオタクのまめぐさんの気持ちを歌った曲がこれなんです――と、まめぐさんご本人に伝えたらすごく喜んでくれて(笑)。でも、その気持ちはファンの方も重ね合わせられるじゃないですか。その意味でもいいかなと。
●堂々とした歌いっぷりに感動させられる名曲ですね。
ありがとうございます。そもそも、あの方(中島愛)自身がクリエイターなんですよ。よく音楽を知っているし、レコーディングでも「もっとこうしたい」というようなことをいろんな場面で返してこられて。だから、こちらがお願いして歌ってもらったというよりも、一緒にクリエイトしていく感じが本当に強かったですね、この曲は。
●はい。そんな秀曲揃いのこのミニアルバム『VOICES II』は、実はNegiccoのニューシングル『午前0時のシンパシー』と同じ8月25日にリリースという。彼女たちの新譜も、表現者としてステージアップした素晴らしい作品に仕上がりましたね?
そうなんですよ! ジャケットもすげぇカッコいいし、Music Videoも今までにない感じだし。でも、今はどんな曲を歌ってもちゃんとNegiccoになるし、彼女たちもモノにできると思っているので、全然心配いらないと言うか。だから、ぜひ多くの方に聴いてもらいたいです。
●その「多くの方に聴いてもらいたい」とは、当然この『VOICES II』にも言える気持ちでしょうが…、最後に改めて、この『VOICES II』がどのような形で世の中の人に届くといいと思っているのかを聞かせてください。
正直に言えば、今の流行りのタイプの音楽ではないと思うんです。ただ、私の作風が好きな人はまた聴いてくれるでしょうし…、もちろん、今まで聴いたことがない人でもぜひ聴いてもらって、どう感じていただけるのかを楽しみにはしています。で、それが最終的にNegiccoに繋がってくれれば私は嬉しいので――そういう意味では、ただconnieの曲と言うより、“Negiccoのconnie”の曲として聴いてくれたらいいなと思っていますよね。