「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに勤めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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こんにちわ、田中です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
夏が本格的に始まろうとしてますね〜。
夏だけに夏っぽい作品がいいのかな〜と考えてたところ、テレビ画面に「ブルーインパルスの飛行」が映りました。そう、医療従事者の皆さんに感謝の気持ちを伝えるために東京の上空で行なわれたあの飛行です。それを見てひらめきました。「今回はあの作品にしよう!」と。「医療従事者が主役」となる作品『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』です。ご存知、テレビドラマ『チーム・バチスタの栄光』から続く物語の完結編です。あまり知られていませんが、新潟でもロケが行なわれていたんですね〜。
原作は、医師でありながら作家としても活躍する海堂尊。海堂氏の作品といえば『ブラックペアン』が有名ですかね。病院を舞台にして起きるミステリアスな事件に挑む医師たちの活躍を描く物語で、今回紹介する『ケルベロスの肖像』では、最新鋭の原因究明システムの導入を機に起きる、病院爆破の脅迫状や前代未聞の集団不審死事件の謎に迫るという内容となってます。
【あらすじ】
国や自治体、東城大学医学部付属病院が死因究明システムの改革として取り組む、日本初のAi(死亡時画像診断)センターが発足する。東城大学医学部付属病院の田口(伊藤淳史)と厚生労働省の白鳥(仲村トオル)もこのプロジェクトに参加していたが、こけら落としとなるシンポジウムを前に、東城大学医学部付属病院に脅迫状が届いた。一方で、死因が判別できない集団不審死事件が発生する。そしてAiセンターが始動する当日、医学界を揺るがす出来事が起きようとしていた…。
監督は新潟県出身の星野和成。星野氏は、現在撮影中のフジテレビ系列のドラマ『SUITS/スーツ2』の演出も手掛けているんです。出演は、伊藤淳史と仲村トオルを筆頭に、桐谷美玲、松坂桃李、西島秀俊など豪華俳優陣が揃いました。
さて、なぜ新潟での撮影が決まったのかというと、以前、佐渡でロケが行なわれた作品『飛べ!ダコタ』の撮影時にお世話になった伊藤プロデューサーからの「豪雪のなかに建つ病院と火葬場でのシーンが撮りたいけど、新潟にありますか?」という電話でした。この1本の電話によって、私も人気作品へ携わることができたんです!
2013年11月下旬にロケハンを行ない、撮影が始まったのは12月。ものすごいスピードで事が決まりました。撮影は、火葬された骨のなかから「あるモノ」(何かは作品を観てね)が発見されるシーンからスタート。このシーンの撮影場所は、魚沼市にある火葬場・魚沼市斎場です。
撮影は御用納めが終った翌日の夜に始まりました。
作業は早朝まで続き、そのまま、南魚沼市にある齋藤記念病院へ車で向かうシーンや小出スキー場近くの道を車で走るシーンなどがノンストップで撮影されました。
撮影終了後、駐車場で東京に帰る撮影スタッフと「よいお年を!!」と硬い握手をして、この年のラストロケは無事に終りました。この作品も、魚沼、南魚沼フィルムコミッションなどたくさんの方々の協力で撮影ができました。
新潟ロケは冬のシーンなので、ちょっと、この季節、画面的には季節外れかもしれませんが、シリーズ化もした超人気作なので、ぜひ、皆さんに観て頂きたいです! ちなみに、北海道の極北市という架空の街として登場するシーンのほとんどが新潟ロケです。
『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
南魚沼市、魚沼市 ほか
●作品
『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』(2014年公開)
監督:星野和成
出演:伊藤淳史/仲村トオル/松坂桃李/桐谷美鈴 ほか
販売元:東宝
発売元:関西テレビ放送/フジテレビジョン
価格:DVDスタンダード・エディジョン 3,800円(税抜) ほか