「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
元新潟県フィルムコミッション協議会コーディネーター。
現在は、東京フィルムコミッション 東京ロケーションボックスに勤めており、
東京でのロケ誘致や撮影支援に携わる業務を行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県FC時代は、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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皆さん、家にいる時間が増え、家族と一緒の時間が多くなったのでは? すると無意識のうちに自分自身のことはもちろん、家族の将来について考える時間も増えたのではないでしょうか? 今回はそんな「家族」をテーマに、新潟とベトナムで撮影された作品『ベトナムの風に吹かれて』を紹介します。
実はこの作品、実話 です。
ベトナムで日本語教師として働く、新潟県出身の女性・小松みゆきさんが、認知症の母との暮らしを綴ったエッセイ『越後のBaちゃんベトナムへ行く』を、フィクションを交えながら映画化したものなんです。認知症の母をベトナムに呼び寄せた娘が、現地の人々に支えられながら異国での介護生活に奮闘する様を描いた作品です。
【あらすじ】
日本で離婚した後に憧れの地・ベトナムへ移住し、日本語教師として働いているみさおは、認知症が進行しはじめた母を義兄が施設に預けようとしていることを知り、母をベトナムに連れて来ることを決意する。母は慣れない土地での生活に戸惑いながらも、ベトナムの人々の温かさに触れるうちに少しずつ笑顔を取り戻していく。そんなある日、母が思わぬケガを負ったことをきっかけに、みさおは介護の現実に直面する…。
監督は、『ゴジラVSモスラ』をはじめとする『ゴジラVS』シリーズや、SMAP主演の青春映画『シュート!』など、さまざまなジャンルの作品を手掛けた大森一樹氏。出演は、名女優・松坂慶子を筆頭に、母親役には『Shall we ダンス?』の草村礼子、奥田瑛二、柄本明、吉川晃司といったベテラン俳優陣が勢揃いしました。
撮影は、2014年11月にベトナムのハノイでクランクイン。新潟では、2015年1月にJR浦佐駅で撮影がスタートしました。主演の松坂慶子さんが、新幹線から降りて実家の新潟に帰ってきたシーンの撮影です。私は、雪の舞うホームへ列車が入るこのシーンを観ると「新潟だな〜、懐かしいなぁ〜」といつも思います。
松坂さんと母親役の草村さんが久しぶりに集う実家のシーンは長岡市栃尾にある民家をお借りしての撮影でした。100年以上もの歴史のある雪国らしいお宅でした。
そして注目は、実家の父の葬儀シーンです。栃尾の葬祭場で撮影されたのですが、1,000人ものエキストラが喪服を着ての大熱演! どこからどう見ても本物の告別式でした(笑)。
ほかにも、主人公が小学生の時の授業参観シーンを長岡市和島にある旧島田小学校(現在のレストラン「和島トゥー・ル・モンド」)、ベトナムにある日本人が経営する居酒屋のシーンを新潟駅前の越乃赤たぬきで撮影しました。生徒役のエキストラは、坊主頭に刈り込んで熱演してくれたんですよ!
新潟の風景はもちろんですが、こんな時期だからこそ観てほしい、
家族についていろいろと考えさせられる作品ですよ。
『ベトナムの風に吹かれて』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
南魚沼市(浦佐駅)、長岡市(栃尾)、新潟市(中央区各所) ほか
●作品
『ベトナムの風に吹かれて』 (2015年公開)
監督:大森一樹
出演:松坂慶子/草村礼子/奥田瑛二/柄本明 ほか
販売元:ローランズ・フィルム
価格:DVD3,800円(税抜) ほか