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【アルビ社長日記】一回性の生

是永大輔の徒然エッセイ ~新潟のこと。日々のこと。ときどきサッカーのこと。~

  • 情報掲載日:2019.07.05
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

一回性の生

ワタシは、日本大学芸術学部演劇学科を卒業した。  
ロクに授業にも行かず、入学式にも卒業式にも顔を出さなかったポンコツ学生だったことは大いに自覚している。今になって「もうちょっと学んでおけばよかった」と後悔の連続である。恥ずかしい。

ところが5年ほど前に日本大学の入学式で卒業生代表としての祝辞をさせていただいた。
喜ばしいことに違いはないのだけれど、自分に対する何かの戒めなのかと勘繰ってしまった。
とにかく、人生とはかくも分からない。

さて、演劇学科に入ってしまうほど芝居に興味を持ったのは母親の影響 だろう。
おそらく3歳くらいから部活が忙しくなる中学生くらいまで、毎月のように劇場に連れて行ってもらっていた。人形劇やミュージカル、いわゆる現代劇のようなものまで、ジャンルは問わず、さまざま観た。

前述のようにほとんど大学の授業には出なかったのだけれど、先生が 「一回性の生」という言葉で芝居の世界を表現していたことは痛烈に記憶している。

舞台は再現性のないものだからこそ、より鮮明なのだ。だから人は魅せられる、と。

確かに、小劇場の公演で何度も同じ芝居をしているはずなのに、ハマったときと酷い出来だったと感じることがあった。
自分自身の気分なのか、周囲とのセリフのテンポなのか、あるいは観客の息遣いなのか。
いずれにしても様々な要素で出来が左右されるわけだが、やるからには最高の舞台を目指して試行錯誤を繰り返すしかない。

サッカーも全く同じ。
再現性のない、一回性の生だ。
「最高」を目指して試行錯誤を繰り返すしかない。

舞台と同様、これまでも観客と一緒になって歴史を紡いできたアルビレックス新潟なら、できる。【是】



世界に誇るスタジアムを一緒につくるプロ ジェクト「ビッグSMILEスタジアム」のメッセージ募集に協力してくれた子どもたち。 皆さんの想いに応えるためにも勝ちたい!
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是永 大輔 (これなが だいすけ)
株式会社アルビレックス新潟 代表取締役社長

日本大学芸術学部演劇学科卒業後、IT企業を経て、 2008年Albirex Singapore PTE LTD CEOに就 任。 黒字経営を続け、売上規模も50倍に拡大させた。 2019年1月、株式会社アルビレックス新潟代表取締 役社長に就任。シンガポール、ミャンマー、香港のア ルビレックス代表も兼任

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