「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
新潟フィルムコミッション協議会 フィルムコミッションのアドバイザー。(2008年〜2017年9月はフィルムコミッション コーディネーターとして従事)
「映画で新潟を盛り上げよう!」という思いから、映画、テレビドラマ、CMなど、新潟県内においてのロケ撮影を誘致・支援する団体。実際のロケをスムーズに進めるためのサポート業務などを行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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「映画館」というと今や、シネマコンプレックス(同一の施設に複数のスクリーンがある映画館)が主流となっていますが、新潟には今年で107歳となる日本最古級の映画館が現存しているんです。その映画館っていうのが、ご存知の方も多いと思いますが、上越市高田にある「高田世界館」なんです。
今回はこの映画館を中心にロケが行なわれた作品で、2012年に公開された
『シグナル 〜月曜日のルカ〜』を紹介します。
物語は、田舎の古い映画館から3年間一歩も外に出ずに過ごす美人映写技師が、臨時バイトにきた男子大学生との出会いをきっかけにひと夏の恋を経験し、過去を乗り越える姿を描く青春ミステリー。
ーーーー夏休みに地元の古めかしい映画館「銀映館」でバイトを始めた大学生の恵介は、過去のある事件を理由で3年間、映画館から外に出ていない美人映写技師のルカと出会います。バイト採用の条件として映画館の支配人から3つのことを言い渡されました。「月曜日はルカをそっとしておく」「ルカとの恋愛は禁止」「ルカの過去について質問してはいけない」。しかし恵介は、次第にルカに惹かれていくのだが…。ーーーーあらすじはこんな感じだ。
監督は、2010年に公開された映画で女優の仲里依紗が主演を務めた『時をかける少女』の谷口正晃。そして、ミステリアスな主人公・ルカを演じたのは、この作品が演技初挑戦となった三根梓。男子大学生の恵介役はパフォーマンスグループ・AAA(トリプルエー)の西島隆弘が演じました。その他にも、高良健吾、井上順、趣里、宇津井健などが出演しています。
今回、製作会社からいただいたオファーは「スクリーンがふたつある映画館」とのことでした。シネマコンプレックス以外の映画館となると、新潟ではやはり高田世界館になるでしょう。
高田世界館の映写室には映写機が並んでおり、レトロ感が満載のスペースとなっているんです。監督はこの映写室を見た瞬間「ここだっ!」と興奮気味に叫んでいました。イメージ通りだったのでしょう。
私は何度も行ったことがあるので分かるのですが、とにかく雰囲気が素敵なんです。明治時代の洋館のような佇まいと、監督も気に入ったというレトロな映写室が、作品のなかでいい味を出しています。
そして、高田世界館のほかに、古い映画館ということで、長野県上田市の「上田映劇」とのカップリングで撮影が成立しました。
高田世界館は、2014年から街なか映画館再生委員会の上野迪音さんが若き映画館支配人として日々奮闘しています。
こちらで上映される作品は興味を引くものが多く、映画ファンのなかでは名所となっているんですよ。私としては、皆さんに行ってほしいオススメの場所のひとつでもあります。『シグナル 〜月曜日のルカ〜』を観たあとにぜひ行ってみてください。
「高田世界館は新潟の誇る名所である!」
ほかにも、上越市各所、そしてお隣長野県の上田市でも撮影が行なわれました。作品内では、上越市と上田市が違和感なくひとつの町になっているという点にも注目です。
『シグナル ~月曜日のルカ~』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
上越市・高田世界館 ほか上越市内各地、
長野県上田市・上田映劇 ほか上田市内各地
●作品『シグナル ~月曜日のルカ~』(2012年公開)
監督:谷口正晃
出演:三根梓/西島隆弘/高良健吾 ほか
販売元:アニプレックス
価格:DVD3,800円+税 ほか