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間もなく開催!Noism夏公演公開リハーサル及び囲み取材に行ってきました

  • 情報掲載日:2026.06.21
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館を拠点に活動するNoism Company Niigataの『私は海をだきしめていたい』/改訂版『春の祭典』公演が間もなく、6月27日(土)から始まります。
公演に先駆けて、マスコミ向け公開リハ―サルが行なわれ、取材にお邪魔してきました。

その活動をめぐり昨年末から広く注目を集めているNoismですが、それはさておき(おいてはならないんだけど)、今回も絶対に見逃せない公演になる!!と確信したリハーサルでした。

今回の公演は、新潟市出身の無頼派作家・坂口安吾の短編にインスピレーションを得て創作された『私は海をだきしめていたい』と、2020年のコロナ禍に初演された金森穣版『春の祭典』の再演の2本立て。

リハーサルでは新作『私は海をだきしめていたい』の一部が公開されました。

舞台上には、黒い衣装とハットに身を包んだ男性舞踊家たちと、ひらひらと軽やかに動く裾が印象的な赤い衣裳に身を包んだ女性舞踊家たちが。
シンプルな舞台に加え、その色彩の効果で、舞踊家たちの存在感がとても際立ちます。

ステージ袖からトレーニングウェアに身を包んだ金森穣Noism芸術総監督と井関佐和子Noism国際活動部門芸術監督が現れ、客席に着くと、金森監督の合図でリハーサルがスタート。

男女のデュオが中心なのですが、そこに別の男性、女性が現れ、男女がその存在に翻弄されるような展開が続きます。

通しではなく、逐次止めながら進むリハーサルだったので、断片的なシーンの印象でしかありませんが、エリック・サティ『ジムノペディ』の確かめるように刻まれるゆっくりとしたリズム、憂いを帯びた調べにのせて、坂口安吾の短編『私は海をだきしめていたい』に漂う虚無感みたいなものが、とても美しく表現されていると感じました。
美しかった・・・

写真右下、客席に座っているのが金森監督
写真右下、客席に座っているのが金森監督

と満足しているこちらが恥ずかしくなるほど、金森監督の指摘は的確で鋭かったです。
シーンを止め、舞踊家たちに指摘をしていくのですが、ひとつ動きを修正するだけで見違えるようにスムーズに、より伝わりやすくなるということを感じられます。

ここからさらに動きに磨きがかかり、加えて照明の演出が加わった時に、舞台上でどんな世界が繰り広げられるのでしょうか。
期待が高まります!

後ろ姿が井関監督
後ろ姿が井関監督

また印象的だったのが、金森監督と井関監督がふたりで指導を行なっている姿。
『私は海をだきしめていたい』にはおふたりとも出演するそうですが、同様の公演でも、これまでは井関監督は実演がメインで、指導は金森監督が客席から行なうという形式が多かったように思います。
今回はそれぞれが舞台上の異なる舞踊家たちに指導する場面もあったのですが、特に客席から言葉で指摘を行なう金森監督と、その言葉を受けて舞台に上がり、瞬時に動きにして見せる井関監督の連携に、さすがおふたりだなぁと感じずにはおれませんでした。

取材場所は大きな坂口安吾タペストリーの脇。公演時にも劇場ホワイエに飾られるそうです
取材場所は大きな坂口安吾タペストリーの脇。公演時にも劇場ホワイエに飾られるそうです

公開リハーサルの後、金森監督、井関監督への囲み取材が行なわれました。
作品内容についてのお話をメインにお伝えしますね。

金森穣芸術総監督(左)。余談ですがこの写真、坂口安吾が金森監督を凝視しているようにも見えますよね。。。
金森穣芸術総監督(左)。余談ですがこの写真、坂口安吾が金森監督を凝視しているようにも見えますよね。。。

まずは金森監督が語る『私は海をだきしめていたい』について。
「(『私は海をだきしめていたい』の)登場人物はひとりの男とひとりの女だけ。ただ、ひとりの人間の中にはさまざまな側面があるーーその多面性、多様性みたいなものが主題になっていて、安吾の作品に常につきまとう孤独とか不安とかそういうものが随所にちればめられている作品だと認識しています。
(今回の作品の)色味には、安吾だけじゃなくて、エリック・サティの精神性も、安吾と拮抗するかたちで用いているんです。男性の衣裳は完全にサティの世界観。サティが亡くなった後に彼が住んでいたアパートに行くと、何十本も同じスーツ、何十本も同じ傘が置かれていたっていうぐらい、なかなか不思議な、偏屈な人だったようで、そのあたりはこちらの方(坂口安吾のタペストリーを指して)と共通していたと思うんですけど、そういう、精神性みたいなものに惹かれた結果です。
ふたりとも『この人はこういう人だ』と決めつける暴力性に対して非常に敏感だった。だからこそ、堕落や負の感情すらも“人間の本質”として肯定しているんです。この作品を舞踊化するにあたり、全員が同じ衣裳ーー要するにひとりの男が6人に分裂した、ひとりの女が6人に分裂したような構成を取ることで、人間の多様性・多面性を群像劇的に展開できたと思います。
テーマとしては“繰り返す”ということかな。サティの音楽にも繰り返しが多く取り入れられているし、安吾の“求めては突き放す”という人間関係の描写にしてもそう。それはさらに飛躍すれば、“同じことを繰り返してしまう人間や社会の営み”という普遍的なテーマにも繋がっています」。

続いて、同時上演される『春の祭典』について。
「再演は演出家にとってはすごくうれしいこと。常に作品は完成することはなく、公演をするたびに、もう少しこうしたいなという思いを抱いてしまうものなんです。今回の改定にあたっては登場人物、出演人数を減らして、演出もすごくシンプルにして、その分、より音楽と身体という舞踊の根源に迫る、強度があるものができあがっていると思います」。

そして
「ここ半年は言葉でいろいろなことを伝えてきましたが、作品で伝えるということに関しては絶対的な自信があります。揺るがないクオリティを維持するために、みんなで5ヵ月間立ち止まることなく、ひたすら稽古を続けてきました。その成果をぜひ観てほしいですね」
と力を込めていました。

井関佐和子Noism国際活動部門芸術監督
井関佐和子Noism国際活動部門芸術監督

井関監督は、ふたつの作品を上演する今回のプログラムについて
「2025年の年始には決定していたこと。『私は海をだきしめていたい』については、私も本を読んでいてどんな雰囲気になるのかはよく分かっていたので、それとは対照的に、Noismならではの集団の強さみたいなものをお客様にぜひ感じてもらいたいと思い、『春の祭典』を同時上演することにしました。今回の『春の祭典』改定版は、人数を減らして舞台技術もシンプルになったことで、Noismらしさ全開の作品になったと思います。まさに“身体そこにありき”という感じ。音楽もすごく有名なものですし、(Noismの『春の祭典』を)観たことがないという方にも、そのエネルギーとこの劇場での体感に満足していただけると思います」
と自信をのぞかせました。


公開リハーサルの前日に、金森監督が自身のSNSで、りゅーとぴあでの活動が終了する2027年9月以降もNoismの活動を自身の法人の事業として継続するということを発表していました。

囲み取材では井関監督から
「公演の前にNoismを継続します、やり続けますっていうことを発表できたのはすごくよかった。メンバー、スタッフにもそうですし、応援してくださる方々にもそうですし、未来はどうなるか分かりませんが、そのたったひとことがすごく大きな希望を与えたと思うんです。自分自身も前を向いて、希望というか、夢が逆にたくさん見えてきて、それをどういう風に実現していくかっていうことを考えています。今回の公演を、これくらいポジティブな気持ちで迎えられるというのはすごくうれしいです」
という話がありました。

囲み取材には、特に活動問題についての取材を目的としているであろう報道陣が多く集まっていましたが、井関監督の言葉通り、どこか前向きでポジティブな雰囲気に包まれていたのが印象的でした。

 

今回を含めて、現体制のなかりゅーとぴあで制作・上演されるプログラムはあと3つ。

今後も絶対絶対見逃せませんが、今回はNoismの本質と意思を改めて感じられる、とても重要な公演になること間違いなしです。

公演は6月27日(土)・28日(日)、7月4日(土)・5日(日)の4回。

現在はどの公演もチケット入手が可能です。

なお、6月28日(日)、7月4日(土)には終演後にアフタートークが予定されています。

詳細はNoism web siteにてご確認を!

DATA

Noism0+Noism1『私は海をだきしめていたい』/改訂版『春の祭典』
開催期間
6月27日(土)17:00〜
6月28日(日)15:00〜
7月4日(土)15:00〜
7月5日(日)15:00〜
会場名
りゅーとぴあ 劇場
会場住所
新潟市中央区一番堀通町3-2
休み
全席指定5,500円、U25 3,000円、高校生以下1,000円
問い合わせ先
りゅーとぴあチケット専用ダイヤル
問い合わせ先
電話番号
025-224-5521
リンク
Noism web site/Noism0+Noism1『私は海をだきしめていたい』 改訂版『春の祭典』
備考

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