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浅妻 信のサッカーフリークエッセイ

FOOTBALL JUNKIE【アルビレックス新潟というブランド】

アルビレックス新潟成績_15位/勝点49 (14勝7分17敗) ※10月21日現在

  • 情報掲載日:2018.10.24
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

人と人とをつなげてきたアルビレックス新潟は、大きなブランド力を有しているだろう。


チームが連勝街道をひた走るなか、シーズンの区切りと言うべき事項が、続けざまに、そしてシーズン当初の予想よりもずっと穏やかに報じられた。

一つは、甲府戦で引き分けた後、来期のJ1昇格の望みが消えたこと。もう一つは、京都に勝利し、引き分けを挟んで6連勝とした後、来期のJ2残留が決まったこと。

日程カレンダーを見てみる。
J2リーグは昇格プレーオフがあるため、シーズンは前倒しで行われる。天皇杯も早期敗退、そして昇格プレーオフもないアルビレックスの最終戦は、11月17日。
試合数にしてわずか4試合で、苦しかった今季が終わる。

そう思うと、この時期に来季のユニホームデザインの発表を行ったり、是永さん(専務)が色々と来季の構想をSNS上で語っているのも素っ頓狂な話ではない。
むしろ、先手、先手を打つ、攻めの経営であろう。

クラブのトップが、自らSNSで情報発信をする意義は極めて大きい。
SNSが情報ツールとして現代社会にどれだけ重要な位置を占めているかは、私などが説明する必要もないが、クラブのトップが自ら発信することで、スピード感と、受け手の食いつき方が格段に違っている。

例えば、会社組織であれば当然となる、上司への確認作業等をすっ飛ばして、トップ自らが語るのだ。
しかも、是永さんの場合は、自らがそうであるため、サポーター目線で、かゆいところに手が届くような情報を伝えてくれる。
先月号で紹介した、ホニの契約の件しかり、あっと驚いた野澤洋輔復帰の真相しかり。
そして、このようなSNS等を通じたトップによるファンサービスは、実は、これまでの新潟が一番遅れていたところだ。

某スポーツ紙に掲載されたインタビュー記事によると、是永さんは、これからのアルビレックスについて、選手のメディアへの露出、イベント出演をJリーグでいちばん多いクラブにするという。
その上で、アルビレックス新潟はみんなで作っていくというスタンスだということを改めて明言し、サポーターの協力も求めている。

先日、聞いたブランド論の講義で、講師の先生が、詳細は省くが、現在のブランドは、人と人との繋がりが、その価値を示し、高めているようなことを話されていた。
例としてあげていたのが、新潟の企業「スノーピーク」。その強みは商品の性能だけでなく、ユーザー間の連帯感。スノーピークユーザーを共通項に、人と人がどんどん繋がり、どんどん価値を高めていくのは、アップルもしかりだ。

「アイシテルニイガタ」という、冷静に考えれば、普段恥ずかしくてなかなか口に出せないストレートなコピーのもと、多くのサポーターが集まり、サッカーだけでなく、それを共通項に人と人とをつなげてきたアルビレックス新潟は、大きなブランド力を有しているだろう。
また逆説的に、だからこそ4万人もの大観衆がスタジアムを埋めていたと思う。

2ヶ月連続で、こんなことを書くと、逆に疑われそうだが、是永さんのこの一連の行動は、学術的にも正しいアプローチであったわけである。

少し、難しいことを書いたので、最近の試合ぶりを振り返ってみたい。

先月、その強さについて半信半疑みたいなことを書いたが、失点の少なさや、決めるところを決めて勝つなど、その戦いぶりは紛れもなく、連勝がフロックではないことを示している。
実績のあるベテラン選手も多い新潟であるが、現在のスタメンは、ルーキーを中心に、知らぬ間にここ数年で一新されている。

是永さん自らが、厳しくなると語る緊縮財政の来季。色々な意味で原点に返ったフレッシュなチームで、今度こそJ1復帰に挑みたい。

 

 

【浅妻 信】
新潟市出身。Jリーグ昇格時からアルビレックス新潟を追い続けるとともに、本業のかたわら、サッカー専門誌などに執筆している。さらにASジャミネイロの監督としても活躍中

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