「月刊にいがた」さんで現在、コラム連載をさせて頂いております、田中です。毎月、新潟ロケ作品を1本ずつ、ロケのエピソードとともに紹介させて頂きたいと思っております。
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●そもそも田中さんって??
「新潟ロケ」と言ったらこの人、田中克典(たなかかつのり)さん。
新潟フィルムコミッション協議会 フィルムコミッションのアドバイザー。(2008年〜2017年9月はフィルムコミッション コーディネーターとして従事)
「映画で新潟を盛り上げよう!」という思いから、映画、テレビドラマ、CMなど、新潟県内においてのロケ撮影を誘致・支援する団体。実際のロケをスムーズに進めるためのサポート業務などを行なっている。
田中さんは業界にも太いパイプを持ち、新潟県内のロケ誘致で大活躍。趣味はもちろん映画鑑賞。あとはレトロ建築物探索。新潟県出身かと思いきやまさかの関西人です。
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2015年の秋、「万代シテイに小栗旬がいる!」と、話題になったことを覚えていますか?
人気俳優が万代で撮影しているらしいと聞きつけて、実際に観に行かれた方も多いのではないでしょうか? そう、今回は小栗旬主演、2016年に公開された映画『ミュージアム』をご紹介します。
過激な描写と緊迫のストーリーで人気を博す巴亮介のサイコスリラー漫画を、映画『るろうに剣心』や『3月のライオン』を手掛けた大友啓史監督によって実写映画化されたんです。
雨の日にだけ残忍な猟奇殺人を繰り返す通称・カエル男と、妻子をカエル男に狙われた刑事の攻防をスリリングに描いた作品です。主人公を演じる小栗旬を筆頭に、尾野真千子、野村周平、妻夫木聡、大森南朋ら豪華キャストが共演したことでも話題となりました。
皆さんあまり知らないと思いますが、実は 本編の約75パーセントを新潟市で撮影 したんですよ! だから新潟市のシーンがたくさんあるんです。
なぜ、新潟市でのロケになったのかと言うと、この作品には「雨の日」というシーンがたくさんあります。
そうなんです!! 新潟は曇り空の日が多く、雨の日を映像として作るにはピッタリの街。そして「東京」にも見立てられる場所。という理由から新潟市が選ばれたんですね〜。納得。
沼垂の石油精製プラントでは、雨を降らせての残虐な殺人シーンが、旧大和デパート屋上では、刑事がカエル男を追い詰めるも転落してしまうシーンが撮影されました。
そして冒頭にも書きましたが、話題となった万代シテイでの撮影。
「曇り空の日」での撮影がマストだったため2日の予備日をとったんです。300人ものエキストラを集めての撮影だったのですが、無事初日で終了。
ただ、2日間のロケ日を予定していたのになぜ1日で終了したの? という疑問がどんどん膨らんでいき、最終的には「ギャラリーのマナーが悪く、撮影隊が怒って帰ってしまった」というデマがSNSで拡散されてしまったのです。
このことが週刊誌に掲載された結果、万代シテイはとても有名になり、その後、ロケ地としてのオファーが増えたんですね〜(笑)。
ほかにも、ガスト万代店、動物愛護センターでのロケ、そして古町通8番町にある居酒屋「のみすけ」の路地では10ヵ所ものシャワーが設置され、大雨シーンのなか小栗さんが熱演をしてくれました。
万代だけではなくて、実は新潟市内各所が登場するこの作品。
そんなところにも注目しながら観るととてもおもしろいですよ!
『ミュージアム』を観たい方はDVDで!
●新潟ロケ地
新潟市(古町通8番町、万代シテイ、沼垂 ほか)
●作品『ミュージアム』(2016年公開)
監督:大友啓史
出演:小栗旬/妻夫木聡/尾野真千子 ほか
販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
価格:DVD3,990円+税 ほか