12月4日(水)~10日(火)の「人権週間」に向けて、あなたの周りで起きている人権問題を考えてみませんか?
障害のある方が職場で差別的な待遇を受けたり、店舗でのサービス等を拒否されたりするなどの人権問題が発生しています。
すべての人が、障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会にするため、この問題についての関心と理解を深めていくことが必要です。
「障害を理由とする偏見や差別」について、NPO法人あおぞらの本多佳美さんと、NSGソシアルサポートの樋口督水さんに聞きました。
「知らない」が偏見や差別につながる
身近にある「障害を理由にする偏見や差別」には、どのようなものがあるのでしょうか?
本多・NPO法人あおぞらは、障害のある方の働く場を作ろうと設立し、当初は農園や養鶏、クッキー製造などもしていました。
製造に参加してくれた18歳の女の子がいたのですが、ある時、彼女のおばあちゃんにお会いする機会があり、「毎日楽しそうにクッキーを作ってくれていますよ」と活動の様子をお話ししました。
そのご家庭には、お孫さん以外にも障害を持つ方がいらっしゃったようで、お孫さんの様子を喜んでくださる一方で、ご近所などから「障害者がいる呪われた家だ」「生活補助のお金をもらえていいね」と言われ、悲しく辛い思いをされてきたというお話を聞きました。
私は非常にショックを受け、障害を持つ方の働く姿を地域に知ってもらえる施設を作り活動を行なおうと決めました。
樋口・私は、日常的に障害のある方たちに接する機会が少ないことで相互の理解が深まらず、偏見や差別につながるのではないかと感じます。
私たちの会社では障害のある社員に障害福祉サービスの支援員や、NSGグループ内大学・専門学校等の清掃をお願いしています。
彼らが働く姿を当たり前のことだと学生たちに感じてもらいたいと考えているからです。
障害を「個性」と捉える視点が必要
障害を持つ方たちに対して私たちが意識的に配慮できることはありますか?
樋口・「それぞれの存在をあるがままに受け入れる」ということだと思います。
それは障害者は特別な存在ではなく、隣人であるということです。
障害をお持ちの方の数は全体人口の約9%と言われています。
およそ11人に1人と考えれば、自分の周囲に日常的にいらっしゃることが分かります。
しかし、まだまだマイナスのイメージに捉えている方が多い気がします。
その意識を変えるだけでも、社会の見方はかなり違ってくるのだと思います。
ただし、パーソナルスペースには個人差があるので、その垣根や境界線をある程度残すことも大切だと考えています。
垣根を残しつつ、下げることを意識するとよいのかもしれません。
本多・弊社には自閉症のスタッフがいますが、ボトルのシール貼りが私たち職員よりも上手で、クライアントからも高く評価いただいています。
障害も、その方が持つ個性のひとつなのです。
障害のある方への理解は難しくない。自然に接すれば分かるシンプルなもの
本多・彼らを身近に感じてもらうことが大切で、基本的には個人の意識の問題です。
私たちはさまざまな障害者イベントを開催していますが、身内しか来ないようなものではなく、食や運動などをテーマにした大勢の方が参加できる楽しい内容です。
樋口・障害のある方への理解は難しいことではありません。
日常のなかで接してもらえば分かるシンプルなものです。
本多・そこで出会った方がおもしろい方なら、笑っていいんです。
同じ人間として、おもしろいと感じたらそれでいい。
彼らも私たちと同じです。
いつもゲラゲラと笑っていますから。
DATA
- 問い合わせ先
- 新潟県 福祉保健部 福祉保健総務課 人権啓発室
- 問い合わせ先
電話番号 - 025-280-5181
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