他者を理解することや自分の立ち位置を知るために、文化芸術活動はとても大切なものです。かつて人間が言葉を使い始める前は、踊りや音楽、絵画などを通して人と人がつながっていました。文化芸術は他者との共感を生む、生活に欠かせないツールでした。
現代の社会では、福祉や教育、まちづくり、あるいは観光などの分野において、文化芸術活動をもとにした新たな取り組みが数多く実践・実施されています。文化芸術活動が周囲を巻き込むきっかけとなり、関わった人たちに新たな「気付き」を生んでいます。
そして今、人口減少社会・少子高齢化のなか、文化芸術活動を子どもたちへ継承していくことが大きな課題になっています。子どもたちに文化芸術活動に興味を持ってもらうには、まずは活動を通じて「楽しい時間」を経験してもらうことが大切です。一方的に歴史や技術を教えるのではなく、文化芸術活動が元々コミュニケーションのツールだったように、誰もが分け隔てなくできる「もの」や「こと」として、共感し合いながら伝えることが重要なのです。
今回の記事では、そんな文化芸術に触れることのできる新潟市が実施している文化プログラムをいくつか紹介していきます。対象は小学6年生〜中学2年生。子どもたちは、文化芸術活動を通じ、多くの感動体験を得て、感受性豊かな人間として成長することでしょう。
小・中学生の皆さん 参加しませんか? 文化プログラム体験
ここで紹介するプログラムの参加費はすべて1,000円(定員は各日20名)。
申し込み期間や集合・解散場所、各体験の会場など、詳しくはこちらから
みなとまち薫る 中央区コース
プログラム内にある樽砧(たるきぬた)とは、樽をばちでたたく新潟の伝統芸能です。みなとまち新潟で、船が出航する時に遭難しないよう海の龍神様に祈りを捧げ、船べりを木づちで叩いていたことが始まりといわれています。
伝統と歴史を尋ねる 南区コース
絞りは、布の一部を絞ったり縛ったりしたまま染めて模様を作り出す、染めの技法です。しろね絞りは美しい藍色が特徴です。明治時代に最盛期を迎え、その後一時的に生産が途絶えましたが、地元住民が復活させ、今では新潟市無形文化財に指定されています。「しろね絞り体験」では、当日、ハンカチを絞りで染めて持ち帰ることができます。
祭りと食を味わう 西蒲区コース
鯛車は、竹と和紙で作られた巻地区に伝わる郷土玩具です。昔はお盆になると、鯛車にろうそくの明かりをともして、子どもたちが家の周りを引いて歩きました。かつてのように、鯛車の明かりで町を真っ赤に染めること、一家に1台鯛車がある風景を取り戻すことが目標です。「鯛車の歴史・体験」では、台座に巻く紙に絵付けをして、実際に鯛車を引くことができます。
行ってみよう! 新潟市の文化を学べる施設・新潟市歴史博物館みなとぴあ
「郷土の水と人々のあゆみ」をテーマとした新潟の歴史や文化について、常設・企画展示で分かりやすく展示しているほか、ミュージアムシアターや体験の広場では、体感しながら学びを深めることができます。
DATA
新潟市歴史博物館みなとぴあ
- 住所
- 新潟市中央区柳島町2-10
- 電話番号
- 025-225-6111
- 営業時間
- 9:30~18:00
- 休み
- 月曜(祝日の場合は翌日)
- 料金
- 常設展:一般300円、高校・大学生200円、小中学生100円(土・日曜、祝日は小中学生無料)
- 駐車場
- 73台
- リンク
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新潟市歴史博物館みなとぴあ
6月9日(日)まで開催。企画展『新潟美人と花街』
みなとまち新潟の発展を支えた遊女や芸妓(げいぎ)たち。「新潟美人」と呼ばれた彼女たちと、活動の舞台となった花街について紹介しています。
DATA
- 問い合わせ先
- 新潟市文化政策課
- 問い合わせ先
電話番号 - 025-226-2624
- リンク
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市報にいがた 令和6年5月19日発行 2815号