「空き家問題」
この問題って実はひとごとじゃないんです。相続や引っ越しなどさまざまな理由で、誰もが空き家の所有者になる可能性があります。この問題を解決していくには、空き家を「増やさない」「適切に管理する」「活用する」ことだ大切です。親族で集まる機会が多いこの時季に、住まいの引き継ぎ方をぜひ話し合ってみましょう!
自分事として捉えよう! 空き家問題を考える
●新潟市内の空き家は増加している
空き家は全国的に増加しており、新潟市も例外ではありません。5年ごとに実施される総務省の住宅・土地統計調査では、市内の空き家が増えていることが分かっています。
●空き家の放置は防災・防犯・衛生面に悪影響
空き家が放置され続けると、建物の劣化などにより周囲に悪影響を及ぼします。近隣住民への被害を防ぐため、所有者は定期的に点検やメンテナンスをしましょう。
●誰もが空き家の所有者になり得る
空き家の所有者になる理由の56%は相続です(国土交通省「令和元年空き家所有者実態調査」)。自分や親などの住宅が空き家になるかもしれないことを理解し、放置することがないよう、今のうちにできることを把握しておきましょう。
【空き家が発生する主な理由】
●居住者が亡くなった
●1人暮らしの高齢者が入院または介護施設に入所し、長期不在にしている
●転勤のため、家族で引っ越した
●住まなくなったが、愛着があるため売却・解体せずにいる
空き家を増やさない・放置しないために今のうちに準備しよう!
自分や家族が元気なうちに準備しておくことが大切です。
●ポイント1・現在の登記と相続関係人を把握する
多くの場合、法務局の登記で現在の所有者を確認できます。亡くなった人など、登記が以前の所有者名義のままになっていると権利関係が複雑になり、手続きに多くの時間や費用がかかってしまう場合があります。所有者が亡くなった場合は、忘れずに登記を変更しましょう。
●ポイント2・住まいの活用方法を考える
住宅は、人が住まなくなると急速に老朽化が進みます。住まいの活用方法を、家族で話し合っておきましょう。身近に相談相手がいない場合は、気軽に専門家に相談してください。
【活用方法の例】
●子どもや親族が住まいを使う
●住まいを売却・賃貸する
●住まいを解体・撤去し、土地を売却・賃貸する
●ポイント3・住まいの引き継ぎ方を記録する
「ポイント2」で検討した住まいの活用方法などを記録しておくことで、スムーズに引き継ぎができます。
【記録方法の例】
●遺言書
自分で作成する自筆証書遺言や、公証人に作成してもらう公正証書遺言などの種類があります。書き方の決まりがあるため、作成する場合は専門家に相談しましょう。
●エンディングノート
「もしものこと」があったときに、自分の意思を伝えるためのノートです。法的効力はありませんが、家族などに伝えたいことを自由に書き留めておくことができます。
★悩み・困り事は専門家に相談を 登記や相続、法律上の問題のほか、不動産の売買や賃貸、管理、解体、改修、利活用、庭木の管理などの相談窓口一覧を新潟市ホームページに掲載しています。
空き家を使いたい人向け! 空き家を活用しませんか?
●空き家の購入費やリフォーム費用などを一部補助
きちんと管理された空き家は大切な資源です。市では空き家の有効活用を促進するため、福祉・地域活動や移住定住、住み替えのための空き家の購入、リフォーム工事などに助成しています(下表)。
※補助金交付決定前に着手した工事や購入などは対象外。要件など詳しくは新潟市ホームページのほか、住環境政策課(市役所ふるまち庁舎)、市役所本館案内、区役所で配布するチラシにも掲載。申し込みは所定の申請書類を同課へ
※1:申し込み時点で18歳に達する日以後最初の3月31日までの子がいる、または妊婦がいる世帯
※2:未接道地の土地・建物を購入した場合に限る
★移住定住活用タイプを利用した人の声
広さ・立地・費用を考え空き家を活用!
移住する前から新潟市に空き家の購入・リフォーム助成があることを知っていたので、購入とリフォーム両方の補助を受け、雨漏りしていたセメント瓦の屋根をきれいな青色の屋根に変えることができました。自分たちの好みにリフォームできたり、新築に比べて費用を抑えられたりするところが、空き家を選ぶメリットだと思います。リフォームは大変な部分もありますが、暮らしやすい住まいを考える楽しみもあります。
★福祉活動活用タイプを利用した人の声
空き家をリフォームして人と人がつながる場に
元々「人が集まって笑いを共有し、誰でも話をしたり聞いたりできる場を作りたい」と思っていました。集いの場を作ろうと仕事を辞め、場所や費用で悩んでいた時、親が居酒屋として貸していた建物が空き家になることを知りました。この空き家を使いたいと思って市の担当課に相談すると、リフォーム費用の補助を受けられ、地域の茶の間として運営できることが分かり、開設する決心をしました。できる部分は自分たちで改修し、ガスや水道など専門業者にしかできない所は補助を活用してリフォームしました。今は近所の子どもや大学生、社会人、赤ちゃん連れの人、高齢者など幅広い世代に利用してもらっています。
お気に入りの空き家を見つけよう
新潟市と連携協定を締結している不動産関係団体が、空き家などを含む不動産情報を検索サイトに掲載しています。空き家を探している人は、ぜひ確認してください。
●ハトマークサイト新潟 (新潟県宅地建物取引業協会)
●ラビーネット不動産 (全日本不動産協会新潟県本部)
DATA
- 問い合わせ先
- 新潟市住環境政策課
- 問い合わせ先
電話番号 - 025-226-2813
- リンク
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市報にいがた 令和5年8月6日発行 2796号