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もっとみんなが自分らしく生きるために。LGBTや性の多様性を理解する座談会を開催しました!

  • 情報掲載日:2022.03.11
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

LGBTという言葉がメディアで取り上げられることも増えてきた昨今。

でも、LGBTをはじめとした性(セクシャリティ)の多様性を理解できているのかな?――そう感じた「日刊にいがた」編集部が、ちゃんとお話を聞いてみようと、いろんな人が安心して生きることができる新潟を目指して活動する団体「LGBTQここラテにいがた」を取材してきました。

「LGBTQここラテにいがた」代表のアヤカさんと、LGBTの当事者3名の皆さん。それぞれの方の本音を座談会形式でお伝えします。

ちょっと長い文章ですけど、「そうなのか…」という発見がたくさんあると思うので、ぜひご覧ください!

【座談会の参加者】
●「LGBTQここラテにいがた」代表 アヤカさん 32歳
●Aさん(会社員)35歳 ●Bさん(会社員)31歳 ●Cさん(会社員)29歳

■「LGBTQ ここラテにいがた」とはどのような活動をしている団体なのですか?

アヤカさん・LGBTの当事者やアライ(=LGBTを理解・支援する人)の人たちが集まって活動している団体です。立ち上げたのは2020年の春頃。交流会を開いたり、周知活動や講演会を行なったりしています。

■団体名「ここラテにいがた」に込めた想いを聞かせてください。

アヤカさん・「ここだよ」という言葉を新潟弁にして「ここラテ」にしました。「ラテ」をカタカナにした理由は、みんなで集まって交流会をたくさんしたいという想いがあり、カフェのイメージを出したかったからです。「ここはいつ集まっても大丈夫だよ。私たちはここにいるよ!」という意味を込めて「ここラテ」という団体名にして――あとは、新潟で活動していくので「にいがた」と付けました。

■団体名を新潟の方言からとったということは、皆さん、新潟出身の方なんですね?

アヤカさん・はい、そうです。東京に行けばLGBT当事者的には住みやすいのかもしれません。けれど、新潟が好きで、新潟にずっといたいという気持ちがみんなあるので、LGBT当事者にとって、新潟がより住み心地の良い場所になるために活動をしていこうと思っているんです。

■LGBTという言葉はここ数年でだいぶ認知されましたが、世間の理解や対応はまだまだ追いついていない部分があるようにも思います。アヤカさんはどう感じていますか?

アヤカさん・首都圏だけではなく地方でも、パートナーシップ制度が各自治体でどんどんできあがっています。新潟市にもありますが、まだまだ知らない人の方が多いので、LGBTに関しての周知活動を継続していかなければならないと思っています。また、LGBTはみんな同じ悩みだと思っている人が多いと思うんですけど、セクシュアリティでそれぞれ悩みが異なるんです。そういったところも多くの人に理解していただきたいですね。

「LGBTQここラテにいがた」代表 アヤカさん
「LGBTQここラテにいがた」代表 アヤカさん
Aさん(会社員)
Aさん(会社員)

■今日の座談会で理解が少しでも進むきっかけになればいいなと思います。

アヤカさん・LGBTについてすべてを理解してほしいとは言いませんが、実際に新潟にもこういう人たちが生活をしているということをまずは分かってもらいたいです。LGBTの人って、実は左利きの人と同じくらいの割合でいますし、三大苗字と言われている「佐藤、鈴木、高橋」さんより多いんですよ。

■日本の民間団体による調査では、LGBTは人口の8~10%前後、つまり10~13人に1人いるそうですね。

アヤカさん・そうなんです。だけど、見てLGBTだと分かるわけではないので、その人が言わない限りセクシュアリティは誰にも分かりません。だから「自分の周りにLGBTはいない」と捉えがちなんですけど、私たちのような人も新潟には実際にいて、みんなと同じように生活しているんだという認識を、心のどこか片隅に置いておいてもらえたらな、と。

Aさん・今アヤカが言った通り、知ってもらうことはとても大事なことだと思っています。私たちは、日常生活の中で困りごとにぶつかるケースが結構あるんです。例えば、私の恋愛対象は(同じ)女性なんですが、職場の人とプライベートの話になり、「彼氏いる?」って聞かれた時にどう答えようか、とか…。今は「彼女がいます」と言った方が楽だから言うようにしてますけど、カミングアウトしてなかった頃は言葉を濁していました。自分には嘘を付きたくないので、微妙なラインを探りながらしゃべっていたんですよね。あと、年齢的にも30歳を超えると、「そろそろ結婚したらどう?」と余計なことを言ってくる人もいます(苦笑)。そもそも結婚したくても結婚できないという法的な問題もあるし。私、実はアヤカと付き合っていて、一緒に暮らしているんですけど、5年くらい前に結婚式場に式を挙げられるか問い合わせたことがあるんです。けれど「前例がないから受け付けられない」とか「受け付けられるけど、人目が気になるでしょう?」って言われたり…。そういう意味でも、人生のライフステージに合わせて、いわゆる「普通」のステップを踏めない、いろんな壁にぶつかるっていうのはすごく感じます。

Bさん・私にも10年くらい連れ添って一緒に住んでいる(同性の)パートナーがいます。3年くらい前、ちょうどLGBTという言葉が世間に浸透し始めた頃に、フォトウェディングをしようと、あるフォトスタジオに話を聞きに行ったんです。そうしたら、通常の男女のプランだとタキシードとドレスの組み合わせのところ、私たちの希望のドレスとドレスだと料金が倍になると言われ…(苦笑)。確かにドレスは高いとは思うんですけど、値段が倍っていうのはさすがにびっくりして。そういうところからも(LGBTは)配慮されてないんだと感じました。結局、私たちはフォトウェディングをしたんですけど、自分がやったことで、今後は想定してもらえたらいいな、と思います。

■Cさんが日常生活で困る場面などがあれば、教えてもらえますか。

Cさん・僕はセクシュアリティとしてはトランスジェンダーで、生まれた時は女性だったんですけど、治療をして今は男性として過ごしています。2019年11月に(性別適合)手術をして、12月に戸籍の性別が変わったので、男性になって約2年経ちました。今は、前よりは身分証を出しても困る場面が減りつつあって、やっと自分自身がそれに慣れてきたところです。

■身分証を出して困る場面って、どういうものですか?

Cさん・日本では、手術をしなければ戸籍を変えられないという法律があります。で、治療のはじめの段階では、ホルモン治療で男性ホルモンを打つんですけど、見た目も声とか髭とか体型も男性っぽくなっていくんです。だから見た目はほぼ男性という状態になるんですが、病院で保険証を出すと、見た目と身分証上の性のギャップが結構大変で…。初めて行く病院では、保険証を出すと9割5分くらい「本人ですか?」って聞かれるし、バスの定期って男性か女性かという本人確認用のマークが運転手さんに表示されるようになっているんですけど、毎回のように「あなたの定期ですか?」と聞かれました。今はそういうことがほぼなくなったので、「普通の人はこんなに楽ちんな生活をしているんだな」って、すごく実感しました。

Bさん(会社員)
Bさん(会社員)
Cさん(会社員)
Cさん(会社員)

■LGBT当事者の皆さんは、どう接してもらうのがベターだと思われているのでしょうか? 「構わないでほしい…、だから特別な対応は必要ない」と思っていたりしますか?

Aさん・特別な対応はいらないけど、そういう人がいるっていうことを念頭に置いた話し方をしてもらえると嬉しいです。ただ、それはLGBTだけではなく、例えば障害がある方への振る舞いと一緒で、自分のなかでの偏見をなるべく少なくしてもらえるといいな、と思っています。分かりやすい例で言うと、「彼氏いる?」という言い方を、「恋人いる?」だったり「一緒に住んでいる人はいるの?」みたいな言い方にするとか。そういう小さなことからかな、と思います。誰しも、仲良くなっていくにつれ、プライベートの話をする関係になっていきますよね。その時に、「そうだろう」という決めつけを減らしていってもらえたらいいな、と。自分の中にも偏見って絶対あるから、そこは全部否定するってわけではなく、そういうのを知った上で発言を変えていく。自分自身、「そうできたらいいな」と思っています。

■カミングアウトされたときには、どういう風に返答するといいものなのでしょうか?

Bさん・実際、(カミングアウトすると)「ああ、そうなんだ…」となって、「これ以上、何も聞かない方がいいのかな」って思われる方が多いです。きっと、その人なりに気をつかって聞かないんだと思うんです。でも、「私がレズビアンだから、こう答えてほしい」っていうテンプレートもないので――私もAさんも女性と付き合ってますけど、多分、してほしい対応って違いますから。なので、カミングアウトされた時にどうしてほしいかっていうのも、その場で聞けばいいんじゃないかって思うんですよ。驚いたのなら、「知らなかった、ごめんねー」って普通に言えばいいですし、「それに対して困っていることはない?」って思うのであれば、そのまま聞いてもらればいいですし。

■やはり、普通に接してほしいということですね。

アヤカさん・大人のコミュニケーションでやっていけばいいかな、と思います。ただ、学校などで講演を行なったりすると、学生さんから「友達にカミングアウトされた時にどうしたらいいんですか?」と聞かれることが多いんですが、その時は必ず、「まずは『大事なことを話してくれてありがとう』って、ひとこと言ってほしい」と伝えているんです。というのは、学校の環境って空間が狭いので、そんななかで勇気を振り絞ったカミングアウトってすごく大きいし、その反応次第でその子はもう学校へ行けなくなったりするんですよ。カミングアウトされた側の学生さんも、ひとりだと抱えるのがしんどければ、「当事者に『この先生だったら話しても大丈夫かな?』と確認をとってから、その3人で話してみてください」と伝えます。この言われた子が、本人の同意なく他の子へ言ってしまうことをアウティングと呼ぶんですが、これは一番危ない。当事者が不登校になったり自殺してしまったりしてしまう場合があるので…。そこに気をつけながら、「まずは『話してくれてありがとう』と言ってほしい」と学生さんたちにはお話ししています。

■トランスジェンダーのCさんは、学生時代にきっといろんな葛藤を抱えながら過ごしていたんだろうな、と思えるんですが…。

Cさん・学生の頃は、制服があったりとか、男女で行動が異なる場が社会に出たあと以上に多いんです。同じトランスジェンダーでも、学校へ行けなくなる人もいます。僕は、「しょうがないな。学校では女子生徒でいなくちゃいけないんだろうな」と、半分諦めみたいなものを持ちながら過ごしたので、ちゃんと学校へは行っていました。ただ、人ってそれぞれ感じ方が違うので、LGBT当事者に対する接し方を「マニュアル化」して欲しくないな、と僕は思っています。トランスジェンダーの中でも、治療や手術をしない人もいて、選択肢がそれぞれあるわけだし…、そもそも、誰だって友達全員に対して同じ対応をしていないと思うので――その人その人との関係性とか相手の性格で接し方が変わってくるのは当たり前なので、それを「当事者だから、こうしなければいけない」という風にしてほしくない。ただセクシュアリティが違うっていうだけなので。それは大事なことではあるんですけど、そこに比重を傾け過ぎないでほしいですね。

アヤカさん・今、話を聞いて分かったと思うんですけど、本当に人それぞれ違うんですよね。悩みもそうだし、感じていることも、自分が選択することも、全部違う。でもそれって、LGBT当事者だけではなく、全員が全員違うと思うんですよ。つまり、人それぞれ思うこと、感じることが違うのは当たり前で。だからこそ、その人のことを、自分の中で「違う!」ではなく、「否定しない」ということを念頭に置いておいてほしいですよね。さっき、カミングアウトの話が出ましたけれども、私も実際、家族との理解が進んでいないんです。(パートナーである)Aさんの家族は私たちに対してすごくウェルカムで、もう全然、夫婦みたいな形で見てくれているんですけど、私の家族は同じように理解をしてくれているわけじゃなくて。それは何でだろうと思ったら、母親や父親の周りにLGBTを理解してくれる人がまったくいなかったんです。(考え方を含めて)サポートしてくれる人がいない。「私の娘はこうなんだけど~」と周りに話しても、「なんで、そうなっちゃったんだろうね? いつか直るかな?」とか言われちゃって…、やっぱりまだ理解されてないんですよ。そこで少しでも分かる人がいて、「それって、今は普通だよ。みんな生き方が違って当たり前じゃない」と肯定してくれる人が誰かいれば、違ったのかもしれない。家族の否定っていうのが当事者本人は一番辛いので…。今はこういう人がいて当たり前という世の中であることを念頭に置き、周りの人もそういう風にサポートする。当事者の家族や友達をサポートしてくれる、それこそアライの人が増えてくれるとすごくいいな、と。当事者の支えも必要ですけど、当事者の近くにいる人たちの支えも今後必要になってくるかなと思ってます。

Aさん・やっぱり、みんな、こうでなければいけないという概念に縛られているところはあって。アヤカの家族に関しても、「家族というものはこうでなければならない!」みたいなものを持っている方の人生観を、すぐに変えることはできないと思っています。だけど、もう少し考え方を柔らかくして、枠を広げてもいいんじゃないかな、という思いもあって。そういうところでの理解がもう少し深まる社会にしていきたい。そのために、自分たち自身の考えも柔らかくしていかなければいけないし、周りの人もそうなったらいけたらいいなと思いますね。

【新潟市オリジナル・アライマーク】新潟市の花「チューリップ」と性的マイノリティの象徴である6色のレインボーでデザインされたこのマークは、アライとして性的マイノリティをサポートすることを意味します
【新潟市オリジナル・アライマーク】新潟市の花「チューリップ」と性的マイノリティの象徴である6色のレインボーでデザインされたこのマークは、アライとして性的マイノリティをサポートすることを意味します

LGBTに関する相談窓口

・新潟地方法務局 人権相談のページ
https://houmukyoku.moj.go.jp/niigata/category_00006.html/

・よりそいほっとライン 性別の違和や同性愛に関わる相談のページ
https://www.since2011.net/yorisoi/n4/

・LGBTQここラテにいがた Twitter
https://twitter.com/cocolatte_lgbtq

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