外見はもちろん、内側からも綺麗を目指す女性必見!
新潟で活躍する医師と、美容師が健康と美容について話しました。
【肌編】
お肌をいつまでも健康で綺麗に保つために工夫を!
Q.まずお肌のことからお聞きしたいと思います。肌の健康に関し、タンパク質(コラーゲン)、抗酸化ビタミン(A、C、E)など、一般的なバランスの良い食事が大切なのはもちろんだと思いますが、実際こちらのクリニックで実施している治療等を教えて下さい。(高山)
A.当院ではにきび、じんましん、アトピー性皮膚炎、赤あざなどの一般診療をはじめ、更年期症状、倦怠感、月経や肌トラブルなどに対して漢方薬を処方することもあります。また自由診療になりますが、男性型脱毛症、女性の薄毛に対する内服・外用治療や、にきび痕、シミ、しわ、たるみ、毛穴などのお悩みに対して、IPL、レーザー、注入治療なども行っています。点滴治療や医療用サプリメントの相談もとても多く、美容やアンチエイジングに関心のある患者様は長く継続されていらっしゃいます。肌以外にも40歳以降は急激に女性ホルモンが低下するため、体調にも様々な変化が起こります。その対策として大豆由来のエクオールという成分が注目されています。(小川)
Q.最近エクオールが肌の健康にも良いという研究が行われているようですが、先生の知見を教えてください。(高山)
A.エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換された成分で、エストロゲン受容体に結びつくことで女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをしてくれます。そして、骨や皮膚、血管、脳など全身を守ってくれます。エストロゲンは肌のコラーゲンを産生し、エラスチンにも働きかけるため、肌の潤いを保つために大切なのですが、そのエストロゲンが急激に減少することによって、更年期前後からは肌の乾燥やしわ、たるみが気になりやすいのです。体内でエクオールをつくれない閉経後の女性にエクオールを12週間毎日摂取してもらったところ、シワ面積の増加をおさえたというデータもあります。抗酸化作用もあるので、美白作効果やシミの改善も期待できます。(小川)
Q. 肌の健康に関し、避けたいライフスタイルや習慣は何があるのでしょうか?(高山)
A. 肌を整えるためには、肌の炎症を減らすことが大切です。当院では炎症指導として、紫外線、肌の摩擦、過剰な保湿などに気を付けていただいています。
また、食事もとても大切です。肌や髪の毛などは自分の食べたもので入れ替わるので、タンパク質(肉、魚、卵、大豆)、ビタミン類、鉄分や亜鉛などが重要になってきます。
テレビで何かこの食品がいい!と放送されると、スーパーでその食品が売り切れているようなことがよく起こりますが、いくら良い食品でもそればかり食べている「ばっかり食べ」はお勧めしません。時々採血検査をして、不足している栄養素がないかチェックすることが必要な場合もあります。やはりバランス良く、旬のもの、地産のものを腹八分目で食べている方の検査データは優秀な場合が多いと感じます。(小川)
【髪編】
近年多くなってきているのが髪の毛のお悩み!
Q.ヘアケア・毛髪の知識を勉強し、お客様に診断・施術・アドバイスを的確にできる人が持つ資格のヘアケアマイスターを私は取得しているのですが、女性において、ホルモンと頭髪の関係を教えてください。 (高山)
A.近年多くなってきているのが髪の毛のお悩みです。円形脱毛症のような疾患ではなく、全体に何となく薄くなってきたとか、髪のつやがなくなり、毛が細くなってきたというご相談をよく受けるようになっています。夏の紫外線で頭皮がダメージを受け、秋は抜け毛が増える時期なのですが、最近は季節を問わず、髪のことを気にされている患者様が多いと感じます。女性ホルモンであるエストロゲンは肌だけでなく、髪の健康維持にも関与しているので、産後や閉経後に体内のエストロゲンが著しく減少する時期に、抜け毛が増えることは経験的にもよく知られていることだと思います。そのエストロゲンの働きに着目して、加齢による女性のびまん性脱毛症(全体が何となく薄い)にエクオールがどのように作用しているのか、興味深い研究結果が今年日本美容皮膚科学会雑誌で発表されました。この論文では、閉経後の女性で体内でエクオールをつくれない群は、毛髪総密度が低下し、軟毛の割合が増加しているという結果でした。また今後の検討が必要ではあるものの、エクオールがつくられる群では、頭頂部における白髪の密度が低い傾向にありました。髪のまとまり、はり、コシ、つやがなくなってきたと感じやすいのは、エクオールをつくれない群に多いため、髪のご相談を受けた場合、エクオールのサプリメントをご紹介しています。エクオールを産生できるかどうかを簡単に調べることが出来る検査キットもあり、一般的には40代以上の女性の半数が体内でエクオールをつくられるとされていますが、当院の検査結果を見る限り、産生能のひくい方が多いことに驚きました。更年期症状や髪の薄さなどを気にされる方が検査を受けることが多いという影響があるのかもしれませんが、それにしてもレベル4~5の産生能の高い方はほとんどいらっしゃらない印象です。(小川)
Q. 髪のパサつき、毛量の減少、毛質の変化など、カットやカラー・パーマなどの薬剤施術やトリートメント、ヘッドスパで解決できる事もありますが、頭髪に関してのクリニックでの治療等を教えてください。(高山)
A. ドラッグストアや通販で育毛剤を目にする機会も多いと思います。それは裏返せば、髪の毛に関する悩みをお持ちの方が多いということでしょう。医療機関でしか取り扱いのない育毛剤は、ミノキシジルやアデノシンなど、エビデンス(医学的根拠)のある成分の入った製品なので、結果の出る方がたくさんいらっしゃいます。育毛剤が合わなくて赤みやかゆみが出たり、かぶれてしまう方もいらっしゃるので、自己流のケアをするよりも、一度専門家に相談してみることをお勧めしたいと思います。漢方薬や医療用サプリメントを併用したり、医師に頭皮の状態を確認してもらいながら治療できるのも安心感があると思います。(小川)
【本日のまとめ】
注目の成分「エクオール」
Q.エクオールが肌や髪に良いことはわかりましたが、他にどんなことに役立つのでしょうか?(高山)
A.皮膚科だけでなく、婦人科などの女性外来では更年期のほてり、のぼせ、ホットフラッシュの改善目的に、整形外科領域では手指など関節の変形やしびれなどの緩和目的の活用に信頼を得ているのがエクオールです。首や肩のこりなど様々な更年期症状や骨密度の維持、高コレステロール血症などにも広く効果が確認されており、女性が健康で美しく年を重ねていくうえで欠かせない成分だと思っていますが、1日の摂取量をきちんと守ることもとても大切です。セルフケアとしてエクオールを含んだサプリメントを取り入れるのも有効な方法ですが、体の変化や不調には思わぬ病気が隠れていることもありますので、まずは専門医を受診し、ご自身にあった治療やアドバイスを受けていただくことをお勧めいたします。(小川)
※写真はマスクをはずしての撮影となっております