そもそもFCV(燃料電池車)って何だろう?
近年、車にはガソリン車やハイブリッドカー、PHV(プラグインハイブリッドカー)、EV(電気自動車)など、さまざまな種類がありますが、FCV(燃料電池車)って聞いたことありますか?
「水素で動く」ってことを知っている人は多いかもしれませんね。
FCVとは、空気中から取り込んだ酸素と、「水素ステーション」から補給した水素を化学反応させて発生する電気を使って走る車なんです。
ガソリン車と比べて騒音や振動が少なく、走行中にCO2(二酸化炭素)を排出せず水だけを排出します。
さらに高い発電能力があるので、外部給電器をFCVとつなぐことで、1台で一般家庭のおよそ7日分の電気を供給することができるんですって!
FCVを一家に1台所有する時代がきたら、災害時など非常時に命をつなぐ存在になるかもしれませんね。
EV(電気自動車)との違いはココ!
「車からCO2を排出しない」「電気を使ってモーターで走る」という点は、FCVとEVは同じですよね。
では両車の違いってなんでしょう?
EVは自分で電気を作ることはできませんが、FCVは車体の水素タンクに貯めておいた水素を使って自分で発電しています。
“充電”により電気を貯めてから動くEVに対し、FCVは車の中で“発電”しながら動いているんです。
FCVは地球環境に配慮した選択です
FCVが優れている点は、まず車を走らせてもCO2を排出しないこと。
そして燃料となる水素は、いろいろな方法で作れるんだそうです。
化石燃料だけではなく、工業製品の製造工程で副産物として生まれたり、バイオマスなど未利用エネルギーからも作れたり、太陽光・風力などの再生エネルギーで作った電気を利用して水を電気分解したり…。いろいろあるんですね。
さらに、電気は発電した場所で貯めておけませんが、水素は大量に長期間貯めておくことができるんです。
FCVに水素を充填する様子を見学させてもらいました!
さて、ガソリン車はガソリンスタンドで給油しますが、FCVは「水素ステーション」で水素を充填(じゅうてん)します。
そこで今回、新潟市の公用車トヨタ「MIRAI」の充填風景を取材させてもらいました。
場所は、新潟市中央区東出来島にある「イワタニ水素ステーション 新潟中央」。
こちらは今年4月25日にオープンした、新潟県内初となる水素ステーションです。
現在、水素ステーションはセルフ式ではないので、すべてスタッフさんが作業してくれます。
①入店
水素ステーションに入り、指定の位置に車両を停車。
ちなみに現在、燃料となる水素の購入はクレジットカード払いのみとなっています。
②充填前の作業
運転席足元にある給油口ならぬ「給水素口」のスイッチを押して解除。
その後、スタッフさんが給水素口のキャップを開け、ノズルにホースを差し込みました。
なかなか見ることができない光景に、ちょっぴり感動!
③充填作業
充填開始ボタンを押すと、水素が「MIRAI」の水素タンクへ。
ガスは圧力が高い方から低い方へ移動する性質があるので、その圧力差を利用して、高圧蓄圧器から車両側に水素が充填されます。
ガソリン車の場合、車のタンク側にノズルを入れますが、水素ステーションの場合はガチャッと接続されます。動きは似ているものの、こちらの方がより安全性が高いと思いました。
ちなみに専門的な話になりますが、水素ガスを急速に充填すると車両側タンクの温度が上昇する現象が起こるので、ディスペンサー内部に設置されたプレクーラーで水素ガスを冷やしながら安全に充填していくそうです。
④充填終了
充填が終わったらホースを外し、給水素口を締めて終了。
この間、約3分。一連の流れとしてはガソリン車の給油に似ていて、とてもスムーズ!
なお、安全対策は徹底しており、地震発生時に緊急停止する感震装置をはじめ、ガス漏洩検知器、散水設備・消化器、緊急停止スイッチなど数多くの項目がありました。
厳重に安全管理されたうえで運用されているんですね。
近い未来に一般的となる光景を先取るような、貴重な体験ができました!
イワタニ水素ステーション 新潟中央
data
新潟市中央区東出来島11-12
tel.025-385-7635
営業時間/9:00〜17:00(土曜は9:00〜13:00まで)
定休日/日曜・祝日
9月28日(土)ビッグスワンで「MIRAI」に会える!
9月28日(土)、デンカビッグスワンスタジアムでアルビレックス新潟vs水戸ホーリーホック戦が開催されますが、なんと当日「MIRAI」が展示されるそうです。
場所はEゲート前広場。
アンケートに答えるとドリンクがもらえますよ(数に限りあるのでお早めに!)
キックオフは14:00。試合の前にFCVを生でチェックしてみて!
地球温暖化対策のための国民運動「COOL CHOICE」
今回、環境省が実施している国民運動「COOL CHOICE」のひとつとして、環境にやさしい選択であるFCV(燃料電池車)を紹介しました。
「COOL CHOICE」とは、省エネ・低炭素型の製品・サービス・行動など、温暖化対策に資する、また快適な暮らしにもつながるあらゆるCOOL CHOICE(=賢い選択)をしていこうという取り組みのこと。
身近な生活のなかで、未来のために今できる選択です。
「COOL CHOICE」についてもっと詳しく知りたい、賛同したい方は下記までアクセスしてみてください。