素材選びから始まり、串打ちや炭起こし、塩加減、焼き加減など、すべての工程にこだわる店主・山本さん。それは「ひたむき」という表現が適するかもしれない。

すべての所作は旨い焼き鳥を提供するため。例えば鶏肉。探すのは全国各地。気になる地鶏があればすぐに取り寄せる。厳しいチェックをくぐり抜け、お品書きに載るのはせいぜい２〜３割ほど。

焼き鳥は炭への風の通し方、湿気や天候、そして肉の素材や厚みなど、すべてにおいて同じ条件ということはないから、決して同じものは焼けないと語る。しかし、それらすべての条件を踏まえた上でコントロールしながら焼いていく。

焼き上がった串は、まさに「作品」というにふさわしい出来栄え。「串に刺さっている状態でも躍動感があり、まるで生きているかのようにきれいに見せたいんです」と山本さん。『鶏レバー』（写真1・120円税抜）は艶やかでぷりっとしており、まさにその表現がぴったりだ。

おすすめはカウンターに座って「おまかせで」と注文すること。まるでコース料理のように一本一本、目の前に登場する。出てきた串は素早く口の中へ。極上のひとときを楽しもう。

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