11時30分。
開店時間になるやいなや、店に向かって階段を上ってくる音が聞こえます。

サラリーマンや団体職員、作業員ら周辺で働く人々が次々訪れ、店内はすぐに満席に。
お弁当の引き取りもひっきりなしです。

箱岩は、新津のまちなかにある昭和45年創業の食堂。
戦後間もなく創業した精肉店がルーツゆえ、すき焼きやしゃぶしゃぶなどの肉料理に定評があります。

特にトンカツはファンの多いメニュー。

県産豚のみを使い、手ですりつぶし粗・細挽きがバランスよく混ざった状態にしたパン粉を豚肉のうまみを閉じ込めるために二度付けし、揚げ音を確かめながらラードでカラッと揚げます。

精米したての米をガス釜で炊いたご飯、ご近所の味噌屋さんから大きな樽で仕入れる味噌を使った味噌汁、手作りマヨネーズで作るポテトサラダやマカロニサラダ、新津駅前で開かれる市で農家のおばちゃんと話をしながら仕入れるキャベツ――。
サイドメニューにも一切の手抜きはありません。

平日昼は破格の750円で味わえる『とんかつ定食』目当てのお客が大多数ですが、最近では3代目がメニュー化した『塩とんかつ定食』に乗り換える人が続出中。

石川県能登まで買い付けに行ったというこだわりの塩で味わうトンカツが、「素材のうまみを引き立てる」とグルメなおじさまを虜に。

「まずは肉の断面に塩を付けて。その後、塩＆レモン、塩＆カラシ…といろんな味わい方を楽しんでください」と3代目。

「もちろんソースでもどうぞ」と優しい言葉をかけてくれました。

トンカツのおいしさ、存分にお楽しみあれ。


【おまけ】
「せっかく塩で味わうなら、ぜひ『上とんかつ』をおすすめしたいです！」と3代目。
もちろん並も十分においしいのですが、「上」にはロース肉のなかでも「頭」と呼ばれるわずかしかとれない部位を使用。
肉の脂のうまみを堪能できるそうです。
ボリュームもありますが（並120グラム、上280グラム）、不思議とぺろっと食べられてしまうとか!!!
ちなみに『上とんかつ定食』は1,650円（思いのほかお手頃でしょ？どのメニューもリーズナブルな箱岩だからこその価格です）。
自分へのご褒美に、たまのぜいたくに、ぜひ！