翁屋で『翁(おきな)もなか』だから、大正元年の創業から続く看板商品と思いきや、誕生したのは昭和35年頃のこと。
その2年後には全国和菓子品評会で名誉優秀賞を受け、現在まで60年以上の長きにわたり愛されている新発田の歴史的銘菓だ。
翁屋という屋号は、創業者が能舞を嗜んでいたことに由来するというエピソードも城下町らしい。
現在は四代目店主の島田正和さんが、新旧の和洋菓子を手作りで提供している。
4時間ほどかけて手作業で練り上げるあんこは、北海道産大納言小豆の風味を感じられるつぶしあん。
しっかりした甘さを感じるのにしつこくないのは「隠し味に塩を入れているからでしょう」とのこと。
新潟県産白玉粉から作った求肥と口の中で一体となり、口溶けはなめらか。
五穀豊穣、家門繁栄などをもたらす神とされる翁の面をかたどった皮は昔から変わらぬ大きさで、新潟県産のもち米から作られていてとても香ばしい。
和菓子代表の「もなか」だから日本茶と合わせるのが定番だけれど「コーヒーとも相性がよいと、若い方も買いに来られます」と奥様。
食べる前には、やさしく微笑んだ翁の表情はもちろん、もなかの裏面にまで伸びた長〜い髭も見逃さないで。
DATA
翁屋(おきなや)
- 住所
- 新発田市中央町3-6-14
- 電話番号
- 0254-22-2710
- 営業時間
- 9:00~17:30(日は9:30~17:00)
- 休み
- 水
- 駐車場
- 3台